国産墓石と聞いたら日本で作らていると思いますよね?
それが、中国産だったとしたらどうですか?
国産墓石ってイメージがいいんです。
日本人が日本の石でつくったお墓は、品質が良いですし、精神の置き所といった意味でも安心できます。
もし、同じ価格で日本製と中国製のお墓が並んでいたら、日本製を選ぶ人はかなり多いでしょう。
中国産墓石が選ばれる理由は、価格の安さです。
人件費が安いので、手間の掛かる加工を施しても比較的安価で済むのも魅力です。
そこで、国産墓石の良いイメージを悪用して、日本の石を中国に輸出して加工したお墓を国産墓石として販売するケースが目立ちます。
墓石の手間の掛かる部分を中国で加工したMIX墓石を国産墓石と言う場合もあります。
イメージの良い国産墓石は、儲けるための手段として利用されやすいんです。
この記事は、
- 国産墓石の購入において騙されたくない方
- 信頼のできる石材店を見つけたい方
- 本物の国産墓石の見分け方を知りたい方
- 本物の国産墓石であることの証明の仕方を知りたい方
に向けた内容になっています。
ぜひ、読んでいたたいて、安心のできるお墓の購入に役立てていただければ幸いです。
目次
ネット上で堂々と中国加工の墓石を国産墓石と表示する業者がいる
一般の消費者にとって、中国加工のお墓を国産墓石として売っていると言われてもピンとこないかもしれません。
しかし、墓石業界では、以前から問題になっていて、防止する為に「石材産地証明書」のような日本で加工されたお墓であることを証明するような取り組みもされています。
残念ながら、それでも、防ぎきれていないのが現状です。
食品でも時折、産地偽装の問題が取りざたされ話題になりますが、法的な整備がされているので、問題が発覚すれば犯罪行為となり警察につかまります。
お墓に関しては、法的な整備がされていなくて中国加工の墓石を国産墓石と表示しても犯罪にはならず、グレーゾーンです。
取り締まられることがないので、やりたい放題で、モラルが破綻していると思われるケースも散見されます。
驚くのは、インターネット上でも堂々と中国産墓石を国産墓石であるかのように表示している通販業者がいます。
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なんて書いてある背景のお墓の写真がどうみても中国加工のお墓なんです。
プロの目利きでもインターネット上の写真で判断できるのか?
インターネット上の写真でもハッキリとわかるぐらいコテコテの中国加工です。
国産墓石と中国産墓石とでは、見た目で加工の差がわかります。
中国産墓石は、華美で曲面を多用したお墓が多いです。
日本では、そこまでの複雑な加工は、まずしません。
それもそうなのですが、この国産墓石の通販サイトでは、インド産のニューインペリアルレッドや中国産のG663でつくられたお墓が、国産墓石の説明文の元で堂々と紹介されています。
目を疑いますよね。
どういう意図で、このようなサイトをつくるのか理解に苦しみますが、国産墓石の良いイメージを間借りしていることは確かです。
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誠実な石材店は、国産墓石について詳細な説明をしてくれるところ
本当に、このような商売がまかり通っていることに胸が痛みます。
実は、上記の国産墓石の通販サイトは一部の石材店の間で悪質だということで疑問の声があがっています。
インターネット上で、怪しい商売が堂々とできてしまうぐらい、モラルが低下しているのだとしたら悲しいことです。
消費者を欺く行為であり、許せるものではありませんよね。
石材店としての正しいあり方は、まず、日本加工と中国加工の国産墓石があることを説明してくれることです。
それぞれにメリット・デメリットがありますので、消費者にきちんと説明するべきです。
全国の石材店からなる石材産業共同組合では、間違いなく国産墓石であることを証明するために「石材産地証明書」を発行しています。
また、各地の石材組合でも証明書を発行しています。
信頼できる石材店は、こういった証明書の発行を提案してくれます。
「石材産地証明書」を偽造するケースも
誤解しないで欲しいのは、正しい商売をしている石材店が大半を占めているということです。
ただ、中には意図的に国産墓石の良いイメージを借りて、悪質とも言える販売をしている業者もいるのです。
悪質な業者を野放しにしておくことは、墓石業界全体のイメージダウンであり、是正していかなければなりません。
何度も言いますが、中国加工の墓石、もしくは中国と日本のMIX墓石を「国産墓石」として売ってしまうケースがあります。
法的な定めのない墓石業界では、限りなくグレーゾーンなのですが、犯罪ではありません、その為にモラルが破綻している業者がいます。
先ほど、信頼できる石材店の例として出した「石材産地証明書」ですが、実は、この証明書を偽造して悪用する例も出てきています。
安い中国加工の墓石を本物の国産墓石として高額に販売すれば、その分利益が出るからです。
「石材産地証明書」まで偽造されてしまっては、消費者側では、なかなか見分けることが困難になります。
お客様が安心してお墓を購入できるための取り組み
ほんとうに嘆かわしい現状ですが、日本石材産業協会では、消費者に安心のできるお墓を届けるために2016年に公正競争規約検討特別委員会を発足しています。
公正競争規約検討特別委員会
消費者に安心して石材をご購入いただけるよう、一定の基準を検討する委員会です。
石材商品やサービスの品質や産地をわかりやすくするために、産地表示・品質表示について規約を設け、トレーサビリティを明確にすることを目的に2016年度に発足されました。
具体的には、墓石業界標準のフォーマットをつくっていくそうです。
先ずは、見積書・図面・仕様書・契約書・施工報告書・保証書・
取扱説明書などのフォーマットを提供し業界標準をつくることです。参照:「墓石の公正競争規約」の具体的内容(案) 第一石材 能島社長のブログより
こういった信頼のできるお墓であることを証明できる仕組みができあがると、消費者も安心して購入することができますよね。
利用する石種の証明についてはもちろんですが、1級土木施工管理技士として現場に携わってきた経験から、基礎工事もポイントを抑えて管理しています。
石の原産地及び加工工場の証明として「石材産地証明書」を添付することをうたっています。
時間があれば実際に自分の目で採掘や加工がされるところまで見学することも提案しています。
基礎工事に関しても、公共事業では、本当に細かく管理をします。
砕石一つとっても、修正CBR試験や締固め試験、平板載荷試験などがあります。
生コンでも空気量・塩化物含有量・圧縮強度・スランプ・アルカリ骨材反応と、材料が適正であることの証明に時間とコストを掛けます。
お墓の工事では、キリがなくて価格にも転化せざるを得ないので、ポイントを抑えて管理しています。
私が勤める会社の宣伝になってしまいましたが、お墓を提供する上で、消費者に安心してもらうためにも透明性を大切にしていきたいところです。
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まとめ
墓石業界って、消費者にとって胡散臭いというか、ダークなイメージがつきまとうような気がしています。
石の価格設定が良くわからないし、お寺や葬儀屋と組んで悪巧みをしているんじゃないか?とか、いろいろと不透明なところがあります。
国産墓石は、良いイメージを悪徳業社に利用されやすく頭を悩ませています。
ダークからクリーンへ。
不信感から安心感へ。
消費者に安心してお墓を購入していただくためにも、お墓の「見える化」に取り組んでいかなければならないと切に感じます。
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