お墓は石である必要がない、ガラスでもコンクリートでも構わないんだよ

お墓の基礎工事 傾き

あるお墓を販売している小売店さんに言われて衝撃的だったこと。

「お墓は石である必要がない、ガラスでもコンクリートでも構わないんだよ。」

なかの
こんにちは、1級お墓ディレクターのなかのFacebook Twitterです。

お墓=埋葬する場所と捉えると、樹木葬もありますし、石というものに捉われない時代になってきているのかもしれません。

 

私は、自社で石を切り出して加工をする石材店に勤めています。

従来の石のお墓を推す立場にいるわけですが、それは、生活者に価値を感じてもらって初めて成立することだと考えています。

「お墓は石である必要がない、ガラスでもコンクリートでも構わないんだよ。」

とうのは極端な例えですが(ガラスのお墓は実際にある)、お墓を石で作る意味を再確認する機会にもなりました。

 

それを伝えていくことが、石屋さんの役目でもあります。

だって石屋さんなんだもの。

 

そんな石屋さんの意識も「お墓が売れない時代」で変化してきていると肌で感じています。

本日見学会&勉強会を行いましたので、そこで感じたこともレポートさせていただきます。

 

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目次

多様化を前提として受け入れる

現在の日本人の人口は、1.27億人。

下のグラフを見ると、明治維新以降に爆発的に人口が増え始めたのがわかるかと思います。

 

人口が減っていく過程も将来の予測として表されていますが、今回は言及しませんので、ご了承ください。

それにしても物理の鉛直投げ上げみたいな極端な動きですね(汗)

日本人の人口推移

参照:http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20111118/201698/?rt=nocnt

鎌倉幕府成立時点で、757万人。

その後、明治維新で3320万人でそこから1億2784万人まで世界大戦で少しだけ停滞したのを除いて一気に人口が増加しています。

このグラフを見て思うのは、これだけ人が多ければいろいろな意見があって当たり前だということです。

特にwebがあり情報に溢れている現代では、なおさら多様化が進むことが当然なのです。

 

なぜ、こんなことから話すのかと申しますと、前提として多様化を受け入れないと、何も始まらないからです。

古き良き時代は、TVが娯楽の主役で、皆が巨人戦を見て黙っていても高視聴率を稼げました。

 

今はそんな時代ではありません。

小学生の息子のヒーローはyoutuberのヒカキンですし、私自身、リアルタイムでTVを見ることはほとんどありません。

気になる番組をHD(ハードディスク)撮り貯めしといて、時間がある時に視聴しています。

そもそもスマホを見る機会が多くてTV画面を見る機会はかなり減りました。

 

このような変化は中野家に限ったことではなく、多くの家庭で見られるようになってきました。

これでは視聴率を稼げるわけもなく、CMで広告収入を得る従来の民放の仕組みが難しくなるのも当たり前です。

 

何か面倒くさい話をしていると思われるかもしれませんが、お墓を考える上でも多様化を前提としていかなければならないと感じます。

「お墓は石である必要がない、ガラスでもコンクリートでも構わないんだよ。」

という言葉は、私にとってそれを象徴する言葉であり、生活者視点でお墓を考える上での戒めの言葉でもあるのです。

 

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多様化の時代に石のお墓を選んでもらう

とてもクドイ前提から入りましたが「石のお墓を選んでもらう」という謙虚な意識への変化が必要なのだと感じています。

石という素材だったり、お墓参りの意味をを丁寧に伝える。

 

かつてのTVは黙っていても視聴率が稼げて高額なスポンサーが付きました。

お墓も黙っていても売れていた時代がありました。

でも、今は違います。

 

そんな時代を反映してか、石屋さんの勉強をする姿勢も変わってきています。

本日、石屋さんからご依頼があり、石山と加工工場の見学をして、勉強会をしました。

こういった機会は増えてきています。

石材店 見学会

埼玉の問屋さんと千葉と栃木の小売店さん。

皆さんに共通しているのは、グイグイくるぐらい興味をもって質問をしていただけること。

お客さんに実際に説明をする際に、生きた知識として話をしたいという意識でした。

石材店 見学会

聴くのと目で見るのとは違います。

お墓はできてしまえば、形になってしまい、石屋さんの中には工業製品と変わらない感覚でいらっしゃる方もいます。

あくまで石は自然からの賜りもの。

そして、職人の手によって形づくられていくものなのです。

石材店 見学会

多様化の時代に石のお墓を選んでもらう。

その為には、お墓を売る者が自ら学び、石の良さを知る必要があるのだと感じました。

そして、本日いらっしゃった石屋さんは、そのことをよくわかっていらっしゃる。

 

生で見て体験しないと、生きた言葉としてお客様に伝えることができません。

そしてたぶん、それはお客さんにも伝わっちゃうんですね。薄っぺらくなっちゃう。

展示場にならべられたお墓だけを見ている石屋さんでもどうなのかなとも思います。

ということで体験見学会を随時募集していますので、どうぞ遠慮なくお問い合わせください。

 

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まとめ

「お墓は石である必要がない、ガラスでもコンクリートでも構わないんだよ。」

という言葉は、石を切り出して加工をする産地の石屋さんとしては、ショックでもありました。

でもそれと同時に戒めでもあり、考えさせられる言葉です。

 

多様化が進んだ時代、売れていた時代とは違うからこそ、石屋さんが原点に戻って、きちんと石を向き合うことも必要なのかなと思いました。

「別にそんなことはないよ。お墓なんて今や工業製品のようなものだし、お客さんにとっては関係ないよ。」と言われればそうかもしれません。

石材店によって理念は違いますし、どこに焦点を絞るかで、経営内容も変わってきます。

ただ、産地の石屋さんとしては、お墓の売れない時代に石材店の姿勢が変化してきていると肌で感じています。

 

実は、本日は午前と午後に見学会をしていますし、様々な石屋の集まりで勉強会に呼んでいただける機会も増えてきました。

産地の石屋さんとしては、丁寧に石の魅力やお墓の良さなどを伝えていくことが使命だと思っています。

もし、ご興味のある方は、体験見学会希望で遠慮なくお問い合わせください。お待ちしております。

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この記事を書いた人

中野良一のアバター 中野良一 羽黒石材工業㈱営業部長

1級お墓ディレクター・1級土木施工管理技士
見に見えない存在であるご先祖を「見える化」した【いのちの積み木】→http://senzo.inotinotsumiki.com 雪のように白くてキレイな【淡雪五輪塔】のプロデュース。

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