お墓の地震対策考えていますか?
大型の地震となると必ずと言っていいほど、お墓の倒壊被害の様子が伝えられます。
東日本大震災では、私が住んでいる茨城県でも甚大な被害があり、私自身も震度6強を体感しています。
また、茨城県は地震の巣とも呼ばれていて(都道府県別・地震回数ランキングTOP5)
そういった意味でも免震施工の大切さを身に沁みて感じています。
1995年の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)、2004年の新潟県中越地震、そして2011年の東日本大震災と最大震度7を超える地震が近年になって頻発しています。
南海トラフを中心とした大地震が起るという予測もありますし、日本に住む方の多くが関心のあることだと思います。
そこで、お墓の地震対策として、比較的新しい工法である免震について考えてみたいと思います。
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目次
そもそも免震って何?
地震の揺れに対抗する施工方法として
- 免震:揺れを伝えない
- 耐震:揺れに耐える
- 制震:揺れを吸収する
という3つの方法があります。
お墓における免震施工は、石と石との間に少し隙間を設けてシリコン製のパットなどを入れてそこで揺れを受け流します。
耐震施工は、大入れという下の石にはめ込む形で入れたり、ステンレス製の棒を芯に入れてつないだりしてガッチリと固めて揺れに耐えます。
制震に関しては、車で言うところのショックアブソーバー的な感じで揺れを吸収する装置を組み込むことですが、現在のところお墓に関する商品は販売されていません。
免震と耐震の違い
免震と耐震の違いを表した動画をyoutubeからお借りしてきましたが、かなり揺れ方が違うのがわかると思います。
免震は柔よく剛を制すみたいなイメージで、揺らして力を逃がします。
お墓の免震施工が用いられるキッカケとなったのが、1995年の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)です。
お墓の倒壊の被害が甚大で、今までの耐震施工が見直され免震施工を導入する契機となりました。
お墓の免震工法の種類について
お墓の免震工法はいくつかあります。
単純に、最近の墓石用のコーキング材も弾力性があり免震にも役立ちます。
ただ、シリコン製のゲルは100年以上劣化に耐えるそうですし、よりしっかりとした免震性能のある墓石を建てたい場合には以下の選択があります。
ただし、これらの免震施工ができるのは正規代理店に限られている場合がほとんどです。
安震はかもり®
独自開発の免震ゲルが震度7の大地震にも対応
墓石用免震ゲル「安震はかもり®」は、地震の揺れを吸収して逃がし「免震(吸震)」の役割を果たす特殊ゲルパット。5cm四方、厚さ5mmの特殊ゲルの中央に、直径6mmの鉛の球と耐荷重リングが埋め込まれています。鉛の球は墓石の重さでゲルが潰れるのを防ぎ、墓石の平衡を保ちます。
安心はかもりは、お墓の免震施工に熱心に取り組んでいて、数多くの実績もあります。
「安震はかもり®」の施工は、施工技術を認定された全国157社の正規加盟店が行います。
安心はかもりで免震施工をしたい場合には近くの石材店を探してみてください。
墓石用免震ゲル 泰震(タイシン)
阪神淡路大震災震度7クラスの揺れよりもさらに強い165%の振動にも耐える
実物墓石振動テストの内容
3次元方向への揺れを再現
京都大学防災研究所では、実際に起こった地震を忠実に再現する装置があります。
これにより、左右(X軸)・前後(Y軸)・上下(Z軸)の3軸方向を同時に動かすことができるため、
縦揺れ・横揺れを含めた地震の動きを忠実に再現することができます。実験で再現させた地震
地震は「阪神・淡路大震災」と「新潟県中越地震」のJMA地震波形を使用しました。
阪神・淡路大震災は一般的にキラーパルスと言われる周波数帯の揺れになります。
ビルや家屋が倒壊しやすい周波数帯となり、大きな揺れが発生します。
対して新潟県中越地震は小刻みな揺れで微振動するタイプの地震となります。
これら同じ震度7クラスでも、異なるタイプの揺れに対して検証実験を行っております。実験に使用した石塔
実験には3基の石塔を持ち込み、延べ40回の振動テストを行いました。
特に大型となります地上納骨型は総高さ2.7mあり、過去にここまで高さのある石塔で実験を行った例はありません。
震度7よりも165%強い振動にも耐えるというキャッチコピーが強烈な泰震。
2.7mもの高さの石塔で実験を行なったというのも凄いですよね。
京都大学防災研究所で、綿密な実験を繰り返していることからも信頼性は高いと言えます。
墓石免震用ゲル泰震を使用したお墓を建てたい方は近くの正規代理店をお探しください。
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墓石用免震パッド「絆」
「絆」は震度7をクリアいたしました
文化広場はお墓の地震対策メーカーとして初めて、国の所管する震動装置で震度7の実験をおこないました。
無対策のお墓は震度5で倒壊の恐れがありますが「絆」を使用したお墓は震度7をクリアしました。
実験の様子をご覧ください。
お墓の地震対策メーカーとして始めて、震度7の実験をおこなったという「 絆」
震度7にも耐えることができます。
墓石用耐震パッド 礎
免震パッド『礎』が選ばれる理由
接着=密着=圧着
お施主様に自信を持って言えますか。
地震の被災状況を伝える中で、人的被害、家屋被災が無い場合でもお墓の被災は見られ、かなり多く報道されています。
お墓には耐震、免震の施工に法的な基準がありません。セメントで接着、文字彫りのゴムを敷いて固定、芯棒を入れるなどの工法もあります。
今、主流なのがパッド使用工法です。
しかし、中にはパッドだけで被災を免れるような記載があったりと虚偽の記載までしている物もあります。
重量物であるお墓を地震から守る技術はまだまだ未発達と言えるかもしれません。その中でも礎は、業者による工事ムラを少なくし、接着剤の性能を最大限に発揮できる、最高の工法であると言えます。
今後も被災するお墓をどれでけ少なくできるかを追求して参ります。
疑問に思うのは、免震パッドなのに圧着してしまうということ。
免震工法の多くが隙間を設けることで力を逃がすのに、これでは耐震施工との違いがわかりにくいと感じました。
こちらの商品は、代理店契約は必要なく取扱い工具店から各石材店が購入できるようです。
お墓を転倒から守る「不倒」
不倒はお墓の転倒防止用の両面粘着シート。
超高層ビル用に特別配合した粘弾性体を使用し、
耐久性は100年以上です。
大切なご先祖様を、地震から守ります。
不倒は、もともとは超高層ビル用に使用される特殊粘弾性体(特殊ブチルゴム)を、墓石用に商品化したものです。
これを竿石と上台の間に挟むだけで震度7までの地震に耐えることができるそうです。
こちらの商品は代理店などの情報が見つかりませんでした。
直接電話かメールにてお問い合わせをするようです。
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まとめ
お墓の免震施工について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
今回は、墓石そのものの接着面に施工する工法の説明をしましたが、基礎部分での免震工法もあります。
免震施工はけして安い金額ではありませんが、耐震施工分の費用は相殺できます。
安震はかもりや泰震の施工要領を見ると、耐震のためのステンレス棒などの施工は必要ないと書いてあります。
そもそもダブルで施工をしたら、力を逃がす免震の意味がなくなってしまいますよね。
ガッチリ固めてしまうと、どこか弱い部分ににしわ寄せがいきます。
個人的には、地盤を考慮して揺れそうなところなら免震。
そうでなければ耐震で良いと考えています。
お墓の高さも大きくかかわってきますので、和型・洋型にもよります。
お墓の免震工法は、代理店形式を取る場合が多く、施工できる石材店も限られてきます。
安心のできる免震施工を望む場合には、施工可能なお近くの石材店を調べてから訪問をしてください。
コメント
コメント一覧 (5件)
お疲れ様です。
効果はどのくらい続くんでしょうか?
住宅の耐震施工は1回の地震にのみ対応ですが、
お墓の場合はどうなんですか?
こちらは体感できる地震がいつだっけ?、というくらい地震がないので
ボンドさえ使えば問題ないですよとか、
自分のお墓を耐震にしても周りのお墓が倒れたら意味ないですよ、
とか。
私自身が全く地震というものを心配してないのは事実です。
宮崎さん、お世話になります。
こちらでは、お墓の地震対策へのニーズが高いです。
今日も地震がありましたからね。
必ずと言っていいほどお客様に聞かれます。
耐震施工の定義がどうなのかは人によって違うと思いますが、私は、石材用のボンドを適正に用いて施工するのも立派な耐震施工だと思っています。
今の住宅はたしか筋交いと耐力壁で耐震性を持たせると思いましたが、お墓の場合は圧着して一体化をするので、傷みやすい木やボードと比較すると1回の地震のダメージで耐震性が極端に減ることはないような気がします。
今回の記事では、免震施工について紹介させていただいていますが、動画を見てもわかるように震度7の地震にも耐えていますし、中には繰り返しの実験を行っているものもあります。
完璧に安心できるわけではありませんが、客観的に判断できる材料になります。
あと免震に利用されるゲルはシリコン系なので、耐久性は高いです。紫外線を浴びることもないので、かなり長持ちするようです。
お疲れ様です。
ゲルを使った施工はどのくらいが適正価格なんでしょうか?
外柵は考えない場合です。
宮崎さん、返信遅れました!すいません。
ゲルは和型石塔で一式4万円ぐらいはしてしまいます。
私が勤める会社で採用している「泰震」の場合ですが。
おそらく、他のゲルではもっと安価なものもあると思います。
耐震施工で石塔にステンレス棒を貫通させると2~3万円はしてしまうので、その辺りを考慮してとうところですね。
洋型の場合には、揺れるところ以外は基本的にそういった工法はおススメしていません。
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