鉄筋コンクリート構造物を作る際に必要になるスペーサー。
スペーサーには用途に応じて種類があり、特徴を活かして施工をすることになります。
スペーサーには様々な種類があります。四角いブロック状のもの。スペーサーブロックと呼ばれています。またドーナツと呼ばれるプラスチック製の円盤状のスペーサーもあります。これは壁面に良く利用されます。
他にもモルタル製や金属製の様々な形のスペーサーがあります。
そんな鉄筋との被りを確保するスペーサーについて紹介していきます。
目次
鉄筋コンクリート構造物に用いられるスペーサーとは?
スペーサーは鉄筋コンクリート構造物に必ずといっていいほど用いられます。目的は鉄筋と型枠との被り厚さを確保するため。鉄筋はサビると膨張してコンクリートを内部から破壊します。また被り厚が足りないとコンクリートの中性化により近い将来【爆裂現象】を引き起こします。
なので、鉄筋を配置する位置は重要で、その位置を固定するためにスペーサーは必須になります。
スペーサーを大まかに分けると4種類
スペーサーの分類には特に決まりはありません。この記事では便宜上大まかに3種類にわけて紹介させていただきます。
- スペーサーブロック
- ドーナツ型スペーサー
- モルタルスペーサー
- パテントスペーサー
これらの名前は通称というか、私が良く使っている呼び方であることを記しておきます。
スペーサー毎のそれぞれの特徴
①スペーサーブロック
呼んで時のごとし、スペーサーブロックとはブロック状のスペーサーで、主に地面や捨てコンの上に置いて、下と鉄筋との被り厚さを確保するのに利用されます。
鉄筋が地面と触れているのはご法度ですが、被り厚を確保できていないのもコンクリートの中性化の観点から問題があります。
ちなみにスペーサーブロックの実物はこんな感じです。何の変哲もないコンクリートの四角いブロック。
このスペーサーブロックを人が乗っても大丈夫なぐらいの割合で配置していきます。何故ならば鉄筋や型枠の施工中や生コンを打設する際に人間が鉄筋の上に乗るからです。その際にべにょんってしなって適正な被り厚を確保できなくなったら品質の悪いコンクリート構造物になってしまいますよね。
大きさは6×5×4 6×7×8 10×10×10(単位はcm)などサイズも様々です。指定された被り厚さを確保できるスペーサーブロックの面を利用して上に鉄筋を乗せます。
こちらのスペーサーブロック、たかが四角い塊ごときにお金を払うのがもったいないと感じる人がいるかもしれません。その通りで、作る気になれば誰でももっと安価に作ることができます。ただ、面倒くさいから購入するのです。
もし余裕があるのならコンパネか鉄板を加工したスペーサーブロック作成用の型枠を作るのもいいでしょう。建設工事をする際に発注した生コンが余ることはしょうっちゅうありますが、その時に型枠に生コンを流してスペーサーブロックを作ってしまえばいいのです。これでいざという時にスペーサーブロックのストックができます。
②ドーナツ型スペーサー
ドーナツ型スペーサーはプラスチックのドーナツ状のスペーサーで鉄筋をパチン!と挟み込んで被り厚さを確保します。主に壁やスラブなどに利用されます。
こちらのドーナツは軽くて使いがってが良くて便利なのですが、現場によっては使用を禁止されることがあります。何故ならば、プラスチックなので所定の強度を発現できないということです。
③モルタルスペーサー
モルタルスペーサーとは呼んで時のごとしモルタルで作られたスペーサーなのですが、様々な用途に応じて形も様々なのが特徴です。
これならコンクリートの中にあっても適正な強度を確保できますし、同質素材なのでくっつきが良いです。ただ、重いんですよね。プラスチック製のドーナツと比較すると施工性は悪く高額です。その辺りが難点ではあります。
④パテントスペーサー
パテントスペーサーは金属製のスペーサーで、スラブ、梁、柱などの施工工程で配筋の位置がずれることをたりすることを防ぐことを目的にしています。
真ん中の凹みで鉄筋を支持するんですね。
こちらのパテントスペーサーも被り厚さを正確に確保して適正な位置に配置する必要があります。
まとめ
土木建築現場で使用されるスペーサーについての説明をしてきました。スペーサーは鉄筋と型枠との間の被り厚さを確保するために必要になりますが、大きくわけて4種類あります。
1つがスペーサーブロック、2つめがプラスチック製のドーナツ型、3つめがモルタルスペーサー、4つめが金属製のスペーサーになります。スペーサーブロックはモルタルもしくはコンクリートで出来ているので、広義の意味ではモルタルスペーサーに入れてもいいのかもしれませんが、土木では一般的に多く用いられているので別にさせていただきました。
繰り返しになりますが、鉄筋コンクリート構造物にスペーサーを用いるのは鉄筋と型枠の間に適正な被り厚さを確保するためです。これができないと鉄筋がサビる原因となり爆裂現象の原因になります。それだけに実際の現場では検査項目として重要視されています。
お墓の現場では、第三者による検査などありませんが、絶対に気を付けるべき項目になります。適正にスペーサーを用いてしっかりとした基礎コンクリートを作ることが大切なのです。
1級土木施工管理技士の「なかの」はこんな人ですよ。
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羽黒石材工業株式会社
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コメント
コメント一覧 (2件)
お墓の基礎で上下ダブル配筋の場合、砕石面からのかぶり厚を確保し、職人さんが鉄筋の上に乗っても大丈夫なようにするには、スペーサーをどのように使えば良いのでしょうか?
現在相談している石材屋さんの施工例では、
・下側の配筋は砕石面に触れている
・上側の配筋は鉄筋クランプ状に加工したパテントスペーサー風のもの(砕石面に触れていて、キャップや防錆処理なし)で支持している
ようです。
下側の配筋、上側の配筋それぞれに、高さの異なるスペーサーを使っていただけるか相談すればよいのかなぁと、漠然と考えています。
上側の配筋は
通常、サイコロと呼ばれるスペーサーブロックを鉄筋の下に置きます。
砕石に触れるのはあり得ない施工です。