ワイヤーメッシュ(溶接金網)は、細い鉄の線を格子状に並べて、交わるところを工場で溶接したシート状の金網です。土間コンクリートのひび割れを抑えるために入れるのが主な目的で、建物の骨組みの強さを受け持つ鉄筋の代わりではありません。
こんにちは、1級土木施工管理技士のりょういちです。サイズと価格、重ね方と結束、錆びない種類まで、施工の目線で紹介します。
ワイヤーメッシュは、コンクリートのひび割れを抑えるために入れるもの。人が歩く程度の土間ならワイヤーメッシュで十分、車が乗る土間は鉄筋をきちんと配筋するのが私の考えです。
よく使うのは、線径6mm・網目150mm・1×2mの1枚もの。2026年の通販で1枚1,200円ほどです。
錆びにくいものには、亜鉛めっきとステンレスがあります。結束線も錆びにくいものにして、切り口には亜鉛の塗料を塗ります。

ワイヤーメッシュ(溶接金網)とは
ワイヤーメッシュは、かんたんに言うと、鉄の線を網目状に組んで溶接したものです。だから溶接金網とも呼びます。
日本産業規格では「JIS G 3551(溶接金網及び鉄筋格子)」で決められていて、主にコンクリート構造物やコンクリート製品の補強に使うもの、とされています。
ワイヤーメッシュは土木建築の現場で頻繁に使われています。土間コンクリートのように広い面積に一気に敷いていくときに便利で、鉄筋を1本1本並べるのに比べて、格段に施工性が良くなります。正確に配置でき、番線カッター(ボルトクリッパー)で簡単に切れるので、扱いも楽です。
建築では土間コンクリートや壁のひび割れ防止に、そのほかU字溝などのコンクリート二次製品(工場で作るコンクリート製品)にもよく使われています。
土木建築の用途のほかにも、植物を這わせるフェンス代わりに使ったり、イノシシなどの獣害対策の柵に使ったりと、使い方はさまざまです。
ワイヤーメッシュは、ひび割れ防止が目的
ワイヤーメッシュは、コンクリートのひび割れを抑え、ひびが入っても広がりにくくするために入れます。民間工事の土間コンクリートでは、一般的に使われています。
無筋(鉄筋を何も入れない状態)より、ワイヤーメッシュを入れたほうが、構造物として強くなるのは確かです。ただし、骨組みの強さを受け持つ鉄筋の代わりにはなりません。
また、ホームセンターなどでよく見るワイヤーメッシュは、凸凹のある鉄筋(異形棒鋼)ではなく、表面がつるっとした線でできています。
コンクリートとのくっつきは鉄筋より弱く、私の経験では、解体すると簡単にはがれます。なお、凸凹をつけた線(異形鉄線)で作ったワイヤーメッシュもあります。
私は、車が乗るような土間コンクリートは鉄筋をきちんと配筋し、人が歩く程度ならワイヤーメッシュでも十分だと思っています。実際にどれを入れるかは、コンクリートの厚さ、地盤、乗る車の重さを考えて決めます。
りょういちワイヤーメッシュは工場で溶接してある製品なので、現場で鉄筋を点付け溶接するのとは話が別です。現場で組む鉄筋は、溶接せずに結束線でしばります。
あわせて読みたい:鉄筋の溶接はダメ?頑丈そうに見えて強度が落ちる理由と、溶接してよい場合
ワイヤーメッシュのサイズ(線径と網目)
ホームセンターなどで扱うワイヤーメッシュは、1枚1m×2mが一般的です(もっと大きい製品もあります)。線の太さ(線径)は3.2mm〜6mmほど、網目は100mmか150mmのものがよく出回っています。
どれを使うかは、工事ごとに設計図や仕様書で決めます。参考に、国土交通省の公共建築の仕様書では、次のように決められています。
| 使う場所(公共建築工事標準仕様書) | 線径 | 網目 |
| コンクリート舗装(歩行者用の通路・車路など) | 6mm | 150mm |
| 屋上の防水を守る保護コンクリート | 6mm | 100mm |
土間コンクリートのワイヤーメッシュ選びに迷ったら、線径6mm・網目150mmが一つの目安になります。ただ、どんな土間にも合う決まりではありません。
歩くだけか車が乗るか、コンクリートの厚さ、下の砕石の締め固めで、必要な補強は変わります。網目が細かいほど、同じ線径でも1枚が重く、値段も上がります。
ワイヤーメッシュの価格(2026年)
2026年10月17日に、工具の通販サイト・モノタロウで、トーアミの溶接金網(1m×2m)の値段を調べました。値段は税込み、送料は別です。
| 線径×網目 | 1枚の重さ | 売り方と値段(税込) | 1枚あたり |
| 5mm×150mm | 約4.3kg | 1枚 約900円 | 約900円 |
| 6mm×150mm | 約6.2kg | 10枚 約12,100円 | 約1,200円 |
| 6mm×100mm | 約8.9kg | 10枚 約19,800円 | 約2,000円 |
6mmの2つは10枚単位の販売で、1枚あたりは10枚で割った値段です。値段は、材料の鉄の価格で上下します。今は通販でも買えますが、ワイヤーメッシュは重く、しなって持ち運びにくいものです。
1枚の値段がそれほどでもないので、運賃がかさみます。少しの枚数なら、ホームセンターや建材店で買うのがおすすめです。
ワイヤーメッシュの重ね方と結束
ワイヤーメッシュは、となりのシートと重ねて敷き、重ねたところを結束線でしばって固定します。
私が民間の土間でやってきたのは、網目150mmのワイヤーメッシュなら1マス分重ねて、重ねの所を数か所、結束線でしばる方法です。ただし、これは私の現場のやり方で、どの工事にも使える基準ではありません。
国の公共建築の仕様書では、重ねる長さが決まっています。床(スラブ)のワイヤーメッシュは「1節半以上、かつ、150mm以上」。コンクリート舗装では「長手方向に200mm程度重ね、要所を鉄線で結束」とされています。
設計図や仕様書で重ねる長さが決まっている工事は、それに合わせてください。
結束の間隔は?
ワイヤーメッシュの結束の間隔に、どの工事にも共通する決まった数字はありません。私は、重ねた所の数か所をしばってきました。
結束する目的は、コンクリートを流し込むときに、重ねた所が開いたり、メッシュがずれたりしないように固定することです。公共建築のコンクリート舗装でも「要所を鉄線で結束」とされています。設計図や仕様書に決まりがあるときは、そちらに合わせてください。
必要な枚数の計算
重ねて敷くので、1m×2mのワイヤーメッシュを並べても、その面積分はまかなえません。たとえば10㎡の土間でも、1枚2㎡で割った5枚では足りません。現地の形と重ねの長さに合わせて、必要な枚数を計算します。
ワイヤーメッシュの枚数を計算するのに便利なページがあります。重ね方(半目重ね・一目重ね・一目半重ねなど)の図も載っています。
ワイヤーメッシュはスペーサーで浮かせる
ワイヤーメッシュは、地面(砕石)にべったり置いたままだと、コンクリートの底に沈んでしまい、ひび割れを防ぐ役目を果たせません。スペーサーで浮かせて、コンクリートの中に入るようにします。
国の仕様書のコンクリート舗装では、ワイヤーメッシュの位置は、コンクリートの厚さが150mmなら表面から2分の1程度、200mmなら表面から3分の1程度、とされています。
スペーサーの高さは、コンクリートの厚さとメッシュを入れたい位置に合わせて選びます。打ち込みの最中に人が踏んだり、コンクリートに押されたりして、メッシュが沈まないように気をつけます。
なお、公共建築のコンクリート舗装では、コンクリートを2層に分けて打ち、下の層を均した上にメッシュを敷く方法も決められています。
ワイヤーメッシュには、専用のプラスチック製スペーサーがあります。細い線がはまる形になっていて、場所を固定するのに役立ちます。公共工事などで使うときは、その工事の仕様で使える材料かを確かめてください。
あわせて読みたい:鉄筋スペーサーの種類と使い方|サイコロ・ドーナツの違いと設置個数
ワイヤーメッシュを切るのはボルトクリッパーで
ワイヤーメッシュを切るときは、番線カッターやボルトクリッパーを使います。線径6mmほどになると、小型のボルトクリッパーでは歯が立ちません。私は全長900mmほどのものを使っていて、問題なく切れます。


これより大きいと、かえって使いづらくなるので、ちょうど良い大きさです。切れる線の太さは工具ごとに違うので、買う前にメーカーの切断能力を確かめてください。
錆びないワイヤーメッシュとは
錆びにくいワイヤーメッシュがあることを、ご存じでしょうか。コンクリートの中のワイヤーメッシュが錆びにくければ、中性化で中の鉄が錆びて、コンクリートが内側から割れる「爆裂」の心配を減らせます。
ふつうの鉄のワイヤーメッシュも、コンクリートの中では一般的に使われています。コンクリートの中は強いアルカリ性で、鉄の表面に錆を防ぐ膜ができるからです。
ただ、年月がたって中性化が進んだり、塩分が入り込んだりすると、錆びることがあります。ふつうのワイヤーメッシュでも、表面からの厚み(かぶり)を取って、正しい位置に入れることが大切です。
あわせて読みたい:コンクリートの爆裂とは?中性化の原因とお墓の基礎を長持ちさせる方法
また、ワイヤーメッシュの使い道は、コンクリートの中だけではありません。網目状なので、柵やフェンス代わりにも使えます。外に出しておくなら、なおさら錆びにくいほうが安心です。
錆びにくいワイヤーメッシュは、大きく2種類。1つは鉄の線を溶融亜鉛めっきで覆ったもの、もう1つはステンレスやアルミなどの錆びにくい金属で作ったものです。
どちらも、絶対に錆びないわけではありません。亜鉛めっきは年月とともに効き目が落ちますし、ステンレスも使う場所によっては錆びます。
ステンレス製は高価
ステンレス製のワイヤーメッシュは、かなり高価です。錆びにくいのは魅力的ですが、使いどころを考えてしまいますね。
亜鉛めっき製は手ごろ
ステンレス製と比べると、溶融亜鉛めっきで覆ったワイヤーメッシュは、ずっとお手ごろな値段です。次の商品は、イノシシなどの鳥獣害対策用の、亜鉛めっきのワイヤーメッシュです。
鳥獣害対策やフェンス用の金網は、コンクリートの補強用とは用途が違います。土間コンクリートの中に入れるなら、JIS G 3551などの、コンクリート補強用の製品を選んでください。
結束線も同じ材質にする
ここで大切なのは、ステンレス製も同じですが、結束線の材質を合わせることです。亜鉛めっきのワイヤーメッシュなら、亜鉛めっきの結束線を使います。
ワイヤーメッシュが錆びにくくても、ふつうの結束線から錆びてしまうからです。ステンレスの場合も、使う場所と金属の組み合わせに合った結束線を選びます。
こちらは、亜鉛めっきの結束線です。
切り口には亜鉛の塗料を塗る
亜鉛めっきのワイヤーメッシュを切ると、切り口から中の鉄が出てきて、やはりそこから錆が進みます。そんなときは、ローバル(亜鉛を多く含んだ塗料)を塗ります。
スプレー式もありますが、どろっとした液体を刷毛で塗ったほうが、無駄が少なくて済みます。ローバルはけっこう高価なので。
切り口のほか、どこかにぶつけてめっきがはがれたところにも、ちょちょっと塗ります。塗る前の下地の掃除などは、メーカーの使い方に従ってください。



錆びにくいワイヤーメッシュを使うなら、結束線と切り口までそろえて、はじめて錆びにくい仕上がりになります。
まとめ
ワイヤーメッシュ(溶接金網)は、鉄の線を網状に溶接したもので、敷くのが簡単なことから、土間コンクリートをはじめ土木建築の現場で多く使われています。コンクリート二次製品にも使われ、柵の代わりに鳥獣害対策に使うこともあります。
鉄製のワイヤーメッシュは錆びますが、錆びにくいように溶融亜鉛めっきで覆ったものや、ステンレスなどで作ったものもあります。そのときは、結束線の種類も変わるので注意してください。
ワイヤーメッシュを入れても、コンクリートのひび割れを完全には防げません。目地を入れること、養生(固まるまで乾かしすぎないように守ること)、下の砕石をよく締め固めることも大切です。
ワイヤーメッシュ専用のスペーサーや、切るのに便利なボルトクリッパーもあるので、この記事を参考に選んでみてください。
ワイヤーメッシュについてよくある質問
- ワイヤーメッシュとは何ですか?
-
鉄の線を格子状に並べて、交わるところを工場で溶接した金網です。溶接金網とも呼び、土間コンクリートのひび割れを抑えるためなどに使います。
- 土間コンクリートには、何mmのワイヤーメッシュを使いますか?
-
工事ごとに設計図や仕様書で決めます。国の公共建築の仕様書では、コンクリート舗装は線径6mm・網目150mmです。迷ったら、これが一つの目安になります。歩くだけか車が乗るか、コンクリートの厚さでも変わります。
- ワイヤーメッシュは、どのくらい重ねますか?
-
国の公共建築の仕様書では、床(スラブ)は「1節半以上、かつ、150mm以上」、コンクリート舗装は「長手方向に200mm程度」です。私が民間の土間でやってきたのは、網目150mmなら1マス分重ねる方法ですが、どの工事にも使える基準ではありません。決まりがある工事は、それに合わせてください。
- 結束線は、どのくらいの間隔でしばりますか?
-
どの工事にも共通する決まった数字はありません。私は、重ねの所を数か所しばっていました。国の仕様書のコンクリート舗装でも「要所を鉄線で結束」とされています。
- 錆びないワイヤーメッシュはありますか?
-
錆びにくいものはあります。溶融亜鉛めっきで覆ったものと、ステンレスなどで作ったものです。絶対に錆びないわけではないので、結束線も錆びにくいものにして、切り口には亜鉛の塗料を塗ります。
- ふつうのワイヤーメッシュは、コンクリートの中で錆びても大丈夫?
-
コンクリートの中は強いアルカリ性で、鉄の表面に錆を防ぐ膜ができるため、ふつうの鉄のワイヤーメッシュも一般的に使われています。ただ、中性化や塩分で錆びることがあるので、表面からの厚み(かぶり)を取って、正しい位置に入れることが大切です。
冬のコンクリート工事のまとめ:冬のコンクリート打設|温度・固まる時間・養生期間と注意点
この記事の根拠
私の経験:1級土木施工管理技士。土間コンクリートなどの現場で、ワイヤーメッシュを敷き、結束線でしばってきました。
重ね方・線径と網目・位置:国土交通省「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」の5.2.2(溶接金網はJIS G 3551による)、図5.3.4(溶接金網の継手。1節半以上、かつ、150mm以上)、9章の保護コンクリート(線径6mm・網目100mm、重ねは1節半以上、かつ、150mm以上)、22.5のコンクリート舗装(線径6mm・網目150mm、位置、200mm程度の重ねと結束)。
規格:JIS G 3551:2021(溶接金網及び鉄筋格子)の適用範囲。
価格・重さ:モノタロウのトーアミ溶接金網の商品ページ(2026年10月17日)。








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