冬季に生コンを打設する際には、コンクリートの凍結と温度低下を防止するために養生が必要になります。
今回は、実際に養生マットを施工している現場を例に説明をしていきます。
わざわざコンクリート養生マットなんか敷くのは面倒くさいと思われる方がいらっしゃると思いますが、そのひと手間で、仕上がるコンクリートの品質が変わってきます。
またいくつか注意するポイントがありますので、ぜひこのブログを参考にしてコンクリート養生をしてみてください。
目次
冬季のコンクリート打設に凍結防止対策が必須である理由
まずは、なぜ寒い時期のコンクリートには凍結防止対策として養生をしなければならないのかを解説します。
コンクリートは、水とセメントが合わさり化学反応を起こす【水和反応】によって硬化していきます。この【水和反応】は温度が低すぎると発現しにくく、特に水分が凍結してしまうと起こらなくなってしまいます。
なのでコンクリート打設後は、温度の低下を防ぐために養生が必要になり、特に凍結は避けなければならないことになります。
コンクリートの上にブルーシート養生をするだけでも全然違う
では、実際にどのように養生をするかですが、コンクリートの上にブルーシートを被せるだけでもかなりの効果があります。
これは、冬季の車のガラスを例に考えてもらうとわかりやすいのですが、青空駐車してある車は、氷点下の朝にはバリバリに凍ってしまっています。
でも、車庫だったりカーポートに入ってくる車のガラスは凍りません。
つまり、何かしら上を覆うものがあるだけで凍結防止対策になるのです。
コンクリートを養生するにはブルーシートかマットが必要
コンクリート養生にブルーシートを使用
コンクリートを覆うものは現場の状況に応じて変わります。例えば面積が広い場合には大きく広げて被せることができるブルーシートが最適です。大きなものになると10m×10mのものもあるので、一気に覆うことができます。
ブルーシートを選ぶ場合には、1つ注意することがあって厚手のものを選ぶということです。ブルーシートには薄くて安価なものもあるのですが、それだと直ぐに破れてしまうし、簡単に風に飛ばされてしまいます。
また、基本的に打設したばかりのコンクリートにブルーシートが触れないように養生をしなければならないため、単管パイプなどを用意して空間を確保しなければなりません。
保湿性と保水性に優れた養生マット
次にコンクリートを養生するのに優秀な機能を発揮するのがコンクリート養生マットです。
コンクリート養生マットは、PPクロス・ウレタンフォーム・不織布の三層構造になっていて、保温性と保水性に優れています。
夏でも冬でも使用できるのが魅力で、これを敷くだけで大きくコンクリートの品質があがります。
コンクリート養生マットの欠点は、幅が1mで狭いということです。
例えばブロック塀の基礎などで、決まった幅で延長が長い場合には最適なのですが、広い面積だと使いづらくなります。
養生マットも風が強いとぺらぺらと飛んでいってしまいますので、きちんと押さえることが必要です。
ブルーシートと養生マットは、使用場所が違ってくるので各々に向いた場所に使用することになります。
凍結防止のための防凍剤(耐寒剤)について
防凍剤は、コンクリートを手練りでつくるような小規模工事に良く利用されます。
手軽で便利なのですが、塩化カルシウムが入っているタイプと無塩タイプがあり正直言って塩カルタイプはおススメできません。
詳細は、以前かいた記事に載っていますので、ご覧いただければと思います。
温度を上げるための練炭とジェットバーナー
さらに対凍害対策として、練炭やガスバーナーを使用することもあります。
練炭を七輪に入れたものを打設したコンクリート基礎の近くに置き、その上からブルーシートを被せると簡易的な温室ができあがります。
また建築現場などで、大規模な工事の場合にはジェットバーナーで温めます。
☆参考YouTube動画☆
冬季の寒中コンクリート対策としての養生をちゃんとしよう!
冬季のコンクリート養生について、養生マットやブルーシートなどについて紹介してきました。
コンクリートは凍ってしまうと強度が著しく落ちるので、養生をする必要があります。
その際には、ブルーシートや養生マットでコンクリートの上部を覆うだけでかなりの対凍害性が増します。
さらに防凍剤や練炭などを使用する方法もありますので、そちらを利用するか併用していくこともできます。
なんにしろ、冬季のコンクリート打設は気をつけないと設計通りの強度が出なくまります。
コンクリート養生に関しては、注意していきたいものです。
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