お墓の価格を気軽に知りたい!というニーズは多くあります。
実際に墓石販売店に行って営業マンの話を聴くのはダルい。だからメールでさっさと見積りをもらおう。
一見、合理的な手段に思えるかもしれませんが、ことお墓に関しては、寸法の決まった規格墓地でもなければ簡単に見積りを出すことができません。
「3㎡ぐらいの面積の墓地なんですけど、お墓の価格はだいたいいくらになりますか?」
先日、実際にメールで質問を受けた内容です。消費者からのこのような相談はけっこうあります。
お墓を購入するから相場を知りたいというのは、消費者からすると当たり前の心理です。私も何かモノを購入する際には、良く調べますし、なるべくコスパが良い賢い買い物をしたいと思うのは当然です。
だけど、この質問の仕方だと墓石販売店を困惑させてしまいます。
なぜならば、お墓は住宅のように面積からおおよその価格がわからないからです。
住宅は面積(坪数)に坪単価を掛けて計算しますが、お墓の価格は体積(切数・才数)に切単価を掛けて計算します。(1切=30㎝×30㎝×30㎝)なので先に図面がないと体積が出ないので、見積りは出ません。
さらにお墓の場合には、使用する石種によってかなりの値段の開きが出ます。なおさら無責任な見積り金額を言えなくなりますよね。
あとでトラブルの元にもなりかねません。
ということで、この記事では、お墓購入初心者が正しくお墓の相場を知るための攻略方を紹介していきます。そして禁断の攻略法についても紹介いたします。
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目次
墓石販売店を困惑させるダメな見積り依頼の仕方と正しい方法
超シンプルなお墓の価格の出し方
先ほどもお話をしましたが、超シンプルにお墓の価格の仕組みを解説すると
石の価格(切単価)×石の量(切数)
になります。
これに基礎や石工事費、やくもの加工賃(凝った加工)やデザイン料、広告宣伝や諸経費がプラスされます。
つまり材料と量がわかれば、おおまかなお墓の見積りはできることになります。が、
基本的に石の切単価や切数をオープンにしない墓石販売店が多いです。理由は、各々あるのだと思いますが、私が思うにお墓の価格構成がシンプルなので、見積りが丸裸になってしまうからだと思います。
石の価格差は20~30倍になることも
石の種類は千差万別ですが、価格もそれぞれに違います。庵治石などの希少性の高いブランド石になるとかなりの高額になりますし、反対に中国産の白御影石は安い傾向にあります。
なので、選ぶ石種によって全然お墓の価格が変わってくるので、ここを決めないと見積りは出てきません。
石種を決めるにはどうするかと申しますと、webや写真では役不足です。やっぱり実際の展示場で見学したり、サンプルを見て自分の目で確かめる必要が出てきます。
石の量は、図面を描かなければ出てこない
お墓の価格を知るためには、図面が必要になります。図面を描くことによって石の単位を表す切(才)数がわかりますし、どのような加工を施すのかもわかります。
その図面を描くためには、図面を書くためのヒアリングが必要になります。例えば石の種類やデザインなど、お客様の希望を聴きながら図面に反映していかなければ図面は仕上がりません。
その図面を描く前に、墓所を見て正確な測量と状況分析をする必要があります。
現場によっては、施工困難な場所もあり、また地盤が軟弱な場合もあります。その場合には、もちろん見積り金額がアップしますが、正確に見積もるためには必要な作業になります。
消費者側では、まずは大ざっぱな見積りを欲しいと思うかもしれませんが、図面を作成するとなると結果的に正確な見積りになってしまうという側面があります。
[ad#co-2]つまり気軽にお墓の見積りを知ることはできない(おきて破りの裏ワザあり)
いろいろと書いてきましたが、とどのつまりメールなどで簡単にお墓の見積りを得ることはできないということです。
面倒くさいかもしれませんが、ちゃんと墓石販売店に出向いて商談をして、話を煮詰めていかないと見積りは出ないのです。
賢く、コスパの良いお墓を購入したいというのなら、その後で、複数の墓石販売店を周るしかありません。これが正しい攻略法になります。
おきて破りの裏ワザとは?
ここまで話をしてお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、「1社目で図面が出てるじゃん!」というところです。
「この図面を利用して他店から見積りをもらえば、わざわざ墓石販売店に足を向ける必要がない。こちとら忙しくて休日を潰して回ってられん。そうだそれがいい!!」
モラル的にはどうかと思うところがありますが、実際にこのようなちょいズルなお客様はいらっしゃいます。中にはご自身でお墓の図面を描かれる猛者がいらっしゃいます。もしくは参考のお墓の写真を持ち込まれる方も。これはいいんです。
だけど他社の図面をそのまま流用しての見積りはルール違反ではあります。
なので、このブログを読まれている方にはマネをして欲しくない。それよりは最初から良さそうな墓石販売店をピックアップしてそこを2~3社周る。その中で気に入った提案をされたお店を正々堂々と選ぶのがよろしいかと思います。
また墓石販売店によっては、他店の図面を参考に見積りをすることを拒否するところもあるでしょう。
お墓の見積りに30pにも及ぶ資料を添付する石材店も
私がここまで言うのには理由があります。私が所属している日本石材産業協会の顧客満足推進委員会であるおおきた石材店の大北委員長は、見積りに30pにもなる資料を添付するそうです。
それは、お客様に提案しているお墓の内容を知ってもらうためですが、ここまで気合いの入った提案をされるのに簡単に図面を流出させてしまうのはいかがなものかと思うのです。
実際に、見積りを作る作業というのは無料でやっている墓石販売店が多いかと思いますが、けっこうな時間を要します。図面を描くのに1日吹っ飛ぶこともあります。
どんな苦労をしているのか知ってくれ!
というわけではありませんが、お墓という心を扱うものでもありますし、礼節はあって然るべきだとそう思うのです。
それではどんな墓石販売店を選べば良いのか?
どんな墓石販売店が良いのかは、こちらの記事をお読みください。
私自身、石材商社に勤めてはおりますが、普段お付き合いしている墓石販売店の他に、石材産業協会やいのちの積み木、お墓を語る会などを通して、全国の石材店の皆さまと交流があります。
全ての地域を網羅できるわけではありませんが、皆さまがお住まいの地域で優秀な石材店を紹介できるかもしれません。
全国には勉強熱心で、アフタフォローもしっかりしていて安心できる墓石販売店があります。
業界の底上げだったり、情報交換、スキルアップが目的で、マージンなどは一切いただいておりませんので、お気軽にお問合せいただければと思います。
[ad#co-3]【おきて破りの裏ワザ有】お墓の価格を気軽で手軽に知りたい!間違えがちな相場の調べ方と正しい攻略方についてのまとめ
お墓の価格を気軽に知りたい!という方に向けて色々と説明をしてきましたがいかがでしたでしょうか?
お墓の見積りを簡単に得られる方法は、実は存在しません。あらかじめ寸法が決まっている規格墓地であれば、石種がわかれば見積りできますが、そうでない場合には、図面を作成するために現地調査からしっかりとしていく必要があります。
ざっとでいいから概算の見積りを知りたいといっても、正直言って難しいのが墓石販売店側の本音です。
段取りを踏んでいかないと見積りを出せないからです。
また実際によくある裏ワザとして、図面を流出させるというものがありますが、これはモラル的に問題があります。
墓石販売店側でも時間を掛けて、しっかりと図面を作成し、見積りを作っています。またオリジナルなデザインもあるでしょう。
お墓という心を扱うモノですし、この部分は礼節をもって対応して欲しいと切に願います。
結局は、正攻法で墓石販売店を複数セレクトして相見積もりをするということになりますが、その際には、地元で良さそうなお店をピックアップしていくことになります。
正直なところ、墓石販売店によって施工技術やサービスに差があるのが現状です。墓石販売店の多くが、家族経営であり従業員も含めて数名の社員しかいません。
またお墓の工事には建築基準法のような定めもないので、技術水準の底上げができないのです。なので、各々の墓石販売店の姿勢によるところが大きくなります。
日ごろから情報収集に努め勉強熱心で、工夫をするお店とそうでないお店との差は開く一方で、私は、後者を応援して業界のレベルを上げていきたいと思っています。
なぜならば、それが消費者にとって安心できるお墓を届けていくことにつながるからです。
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