ご先祖様の霊魂って存在するの?しないの?
ずばり霊魂は存在します!!
ということで、お墓についていろいろと書いているこのブログですが、ちょっと踏み込んだ内容について書いてみます。
霊魂って聞くと、それだけで拒絶反応を示される方もいらっしゃいます。スピリチュアルは苦手とか、無宗教だから霊魂の存在は信じないとか。
でも、日本人の宗教観をよく調べてみると霊魂の存在なしには成り立たないのです。そしてそれはお墓の本質にもつながるものであり、実はお墓を建てられる方はこの概念だけでも知っておいた方が良いものになります。
ご先祖様は、子孫にご加護を与え、恩恵を与えてくれる存在です。
霊魂が存在することを証明するために民俗学者である柳田國男さんの著書である【先祖の話】を参考にさせていただいております。また石文化研究所所長の小畠宏允先生の講義の内容も踏まえて説明させていただきます。
ということで、霊魂が存在する理由について紹介していきます。
[ad#co-1]
目次
霊魂って存在するの?しないの?
人は肉体的には死んでいても霊魂は残ります。つまり死んでも死後の世界で生きているということになります。
もし人が死んでいるのならお墓は要りません。だって何もないところに拝んでもあまり意味がありませんから。死後の世界があって、ご先祖様があの世で生きていらっしゃるなんてことは人間しか考えません。犬や猫やトカゲやネズミなどの動物は死後のことを考えません。人間だけが考えることなんです。
リメンバー・ミー「人は2度死ぬ」
2017年に大ヒット映画となったディズニー&ピクサーのリメンバー・ミーですが、この映画は死者の国が舞台になっています。主人公がご先祖様と一緒に物語を繰り広げるのですが、この映画のテーマになっているのが「人は2度死ぬ」という言葉です。以前、ブログ記事を書いているので参考にしてみてください。
「人は2度死ぬ」は、元々アフリカに伝わる諺なのですが、その意味を説明すると、一度目の死は肉体の死であり、二度目の死は生きている人の記憶から忘れ去られることによる死になります。誰の記憶からも失われるとこの世に何も存在していなくなるということですね。
例えば、夏目漱石は明治の文豪ですが、彼を覚えている人は日本中数多くいらっしゃるかと思います。なので彼は誰かの記憶の中で生き続けることになり、二度目の死を迎えていないという理屈。それと比較すると一般的な家では明治時代ともなるとほとんどのご先祖様が記憶から失われているかと思います。これは二度目の死を迎えているということなんですね。
人は33年経つと氏神様になる
柳田國男さんは、先祖の話の中で、人は33年経つと個性を失って氏神様になると言っています。
氏神様はお願いをすると何でも聴いてくれる。いつも自分が残してきた子孫が幸せになるように一生懸命働いてくれる。そういう力を持っている神様になります。
全国の民俗学調査をしたら、ほとんどの地域でこのようなこういう考えを持っていたとのことです。
死んだらご先祖様であり氏神様になる。そして子孫をいつも見守って加護を加え恩恵を与えてくれる。恩恵を与えてくれるのだから生きているに決まっている。
死んでなんの力もなかったら恩恵など与えてくれるはずがありません。
ご先祖様の恩恵を受けることができる場所
そんなご先祖様に会いにいくのにどこに行きますか?という話なのですが、お墓に行きますよね。お墓参りをしていろんなお願いごとをしたらいろいろと聴いてくれる。それがご先祖様なんです。
33年経つと氏神様になるので、神社でお参りすると願いを聴いてくれます。
お墓参りと初詣は今でも日本人の文化風習に根深く根付いていて、様々な統計データを基にすると約7割の方々が毎年やっています。
[ad#co-2]人は死なないということ
柳田國男が言いたかったことは、人は死なないということです。人は不死であり、霊魂は不滅である。どこかで無くなることは絶対にない。消滅することはない。
人間は一度生まれてきたらずっと続いているんだ。ご先祖様、氏神様になりずーっと永久に生き続けて、家族と地域の人々の幸せだけを実現する存在となっていく。
うちの先祖はそこでお終いということはない、家が絶えて絶系になるということもない。神社に行くとずーっと延々に続いている。
最近、無縁社会という言葉がクローズアップされるようになってきたけど、お墓だけを見るとお祀りする子孫が無くなっていても、神社に行くと多くの人が氏神として存在している。こんな宗教は世の中で日本しかない。
直系の家族がほろんでも、永久にかつて無くなった方々をすべてお祀りしているのが日本なのです。
日本は無縁社会じゃなくて超有縁社会
そう考えていくと日本は根本的に無縁社会ではないということになります。逆に超有縁社会。だって、無縁になったとしても氏神様として地域の神様として私たちを見守る存在になるから。
これが日本人の文化のDNAなんです。
柳田國男さんが言うには、霊魂が不滅だと言うのは宗教の始まりであるそうです。亡くなった人があの世で生きていて声を聴いてくれている。死んだ人は生きた人を幸せにできません。あの世で生きているのです。
死者とのお付き合いは永遠不滅の習慣であり、誰でもお墓を建てるからうちもお墓を建てるということになります。
ご先祖様の恩恵を伝えていくには?
そんな素晴らしい日本人のDNAにながれている先祖信仰ですが、昨今は風習だけ残っていて意味合いが薄まってきているようにも感じます。民俗信仰って時代と共になぜ始められ続けられてきているか意味がわからなくなってしまうことがあります。
だけども昔は自然にご先祖様の意味をおじいちゃんおばあちゃんから言い伝えられてきたのです。
例えば、私が小学生の頃、次の日のテストで憂鬱になっていたことがあります。そんな時におばあちゃんんが言ったのが「ご先祖様にお願いしてみなさい」という言葉でした。
その言葉の通りに仏壇にお祈りしたのですが、不思議と翌日のテストは知っているところばかり出ました。嬉しくなっておばあちゃんに報告したら「ご先祖様がわかる問題ばかり出してくれるようにしてくれたんだよ」とのこと。子供ながらに「ふ~ん」と思って聞いていましたが、そういうものなのかなぁと思ったものです。
こういうことを話すのが、昔のおじいちゃんおばあちゃんの役目だったんですね。それをしなくなってきている。それが無縁社会をつくる原因にもなっていると思うのです。
日本人のDNAに刻まれているもので、お墓参りを子供の頃からしてきたような人には言われるとピンとくる話だったりします。
[ad#co-3]結論 ご先祖様の霊魂は存在している!
ということで、結論としてはご先祖様の霊魂は存在しているということになります。だってご先祖様があの世で生きていることを前提にしないと、日本の初詣やお墓参りの文化の説明がつかないからです。だけど近年は少し形骸化してきていて本来の意味を見失いつつあります。
死んだ人がずっとあの世で生き続けて、私たちを見守り、加護を与え、恩恵を与え続けているという宗教観。それを私たち日本人は大切な文化として続けてきました。素朴ながら尊いもののように思えるのです。
コメント