ペットの遺骨をご先祖様のお墓に納骨するのは如何なものでしょうか?というご質問がありました。
お墓のプロとして、質問者さんの心裏も踏まえてお応えさせていただきます。
お墓というものは、見えない存在である魂を意識するものです。ペットの遺骨を一緒のお墓に入れたいというのは、何となくでも魂の存在を感じているためとも言えます。
この世からはいなくなってしまったけど、いる感覚。じゃなかったら、遺骨を単なる物質と捉えるわけで、一緒に入ることに拘る必要もないはずです。
同様に、ご先祖様の遺骨と同じ場所にペットの骨を入れることが無礼だと感じるのは、ご先祖様がいらっしゃる感覚を質問者さんは持っているということです。
それらを踏まえて結論から申し上げますと、「ご先祖様が永眠するお墓にペットの遺骨を入れるべきではない!」ということになります。
これは私が質問者さんの心の内を考慮した上での最適解ですが、この結論に至るまでに真剣に考察していますので、そのプロセスをご紹介します。
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目次
ご先祖様が永眠するお墓にペットの遺骨を納骨するのは無礼?
それでは、さっそくですが質問者さんの疑問に応えていきたいと思うのですが、まずはいただいたコメントをお読みください。
ゆちまる
はじめまして。コメント失礼致します。ご先祖様のお墓に、ペットの遺骨を納骨するのは如何なものでしょうか?
私個人的にはペットの遺骨をお墓に入れると言う事は聞いた事もありませんし、人それぞれの考えはあると思いますが、ご先祖様とペットの遺骨を一緒に納骨するのは、ご先祖様に対し無礼だと思います。
この事でずっと悩まされているので、ご意見をお聞かせ頂けますと有り難く存じます。 宜しくお願い致します。
ゆちまるさん、ご質問ありがとうございます。
この文章から読み取れるのは、ゆちまるさんが、ご先祖様もペットも大切にされる優しい人柄だということです。
それだけに、この2つの大切な存在が、お墓でバッティングしてしまうかもしれないことに悩んでいらっしゃる様子が伺えます。
お墓のプロである私中野がしっかりとお答えさせていただきます。
2つのポイントにわけて整理して考える
話を進めていく上で、まずは2つのポイントに分けて整理して考える必要があります。
1つ目は、そもそもペットと一緒にお墓に入れるのか?
ゆちまるさんは、ペットの遺骨をお墓に入れるというのは聞いたことがないとおっしゃっていますが、そもそもの前提として、一緒に入れるお墓が無ければ考えるだけ無駄になります。
2つ目は、ご先祖様の心情に立って考えてみることです。
お墓参りとは、ご先祖様が喜ぶ行為ですが、ペットを一緒にお墓に入れるとなると、ご先祖様がどう思われるのかを探る必要があります。
なのでご先祖様が生きていた時代の価値観に合わせて考えることがポイントになってきます。
①そもそもペットと一緒にお墓に入れるの?
まずはそもそも論になりますが、ペットと一緒にお墓に入れるものなのでしょうか?
実は、ペットと一緒に入れるお墓はあります。
近年は、少子化の影響もあってか、ペットを飼われる方が増えてきているようです。その中で、ペットを家族のように大切にし、亡くなった後も丁重に供養し埋葬したいというニーズが高まってきています。
それに合わせるようにペットと一緒に入れることを売りにた霊園が増え始めました。
ただ、ゆちまるさんの場合には、元々ある先祖代々続くお墓になるので条件が違ってきます。
この場合には、霊園の規約によるものになります。契約書などにうたわれている場合もありますが、霊園の管理者にざっくばらんにペットの遺骨を埋葬できるのか聞いてみるのがいいです。
民間霊園では、ペットと一緒に入ることが可能な場合もあるようです。また集落・村落といった地域の共同体によって管理・運営されている共同墓地だと、そもそも管理者が不明なこともあり、良し悪しは置いといて納骨してもわかりません。
寺院墓地だと、宗教的な理由で断られることが多いそうです。こちらについては②で触れていきます。
[ad#co-2]②ご先祖様の心境に立って考えてみる
次にご先祖様がペットの遺骨をお墓に入れられてどう思うのか?というところですが、ここで「ご先祖様は死んでいて意識もないから関係ないよ!生きている私たちの好きなように決めればいいんだよ!」という理屈は、魂の存在を前提としているので考慮しませんのでご了承ください。
個々のご意見はいろいろあると思いますが、今回はゆちまるさんの質問に対して答えさせていただいております。ゆちまるさんの心の平穏を第一に考えています。
さて、ご先祖様の心境に立って考えるということは、ご先祖様が生きていた時代の価値観に合わせていくということになりますが、ペットと一緒に入るのは嫌だと思うのです。
何故ならば、昔はパートナーや家族としてのペットではなくて、畜生として捉えていたからです。
私のおじいちゃんは、犬や猫のことを畜生と呼んでいました。70になる父も畜生と言うことがあります。
40代の私は、一度も畜生と呼んだことはありませんが、ここにジェネレーションギャップを感じます。
家族でもありパートナーでもあるペットと、畜生とでは音の響きに雲泥の差があるからです。
仏教における六道輪廻の畜生道
仏教では、人は六道をぐるぐると輪廻するという教えがあります。六道には、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上の6つあり、人間の魂が畜生に生まれ変わることもあります。
私などは、たまに犬や猫に生まれ変われたら幸せだろうな~悩みもなさそうだし(笑)と思ってしまうこともありますが、それは犬や猫をペットとして捉えているからでしょう。畜生と捉える昔の人の感覚はそれとは違います。
畜生(ちくしょう)
- けだもの。また、鳥獣虫魚の総称。
- 人をののしって、人に価しないものの意で使う語。
Oxford Languages
辞書を引くと、あんまり良い意味では捉えられていないですよね。
これらの理由から、時代の価値観に則して考えてみると、畜生と一緒のお墓に入りたくない!とご先祖様は言うと思うのです。
[ad#co-3]結論:ご先祖様が永眠するお墓にペットの遺骨を納骨するのは無礼である
ということで、結論としてはゆちまるさんは、ペットの遺骨をご先祖様がいらっしゃるお墓に納めるべきではないです。
亡くなったペットへの愛情があるから悩まれているのだと思いますが、埋葬する場所は別にするべきです。
もし、同じお墓に納めた場合、ずっと心の中のモヤモヤが続くかもしれません。
心の不安は、身体にも影響を及ぼします。心身共に不安定な状態が続くことになるので止めた方がいいと思うのです。
以上、お墓のプロからの助言でした。こちらの内容はYouTubeでも紹介させていただいております。
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