「こころ」を大切にする時代にこそ、お墓が必要とする人がいる

墓ばなれが言われていて、実際にお墓の需要も減ってきています。

時代の流れ、人々の価値観の変化がもたらしているもので、この傾向は続くと考えています。

なかの
こんにちは、なかの(@ryoryolyです。

お墓を扱う立場の方々からすれば、のっけから深刻な出だしですが、そんなに悲観はしていません。

栄枯盛衰・諸行無常、変化していくことが世の常で、その中でもお墓の価値はしっかりとあると感じているからです。

 

高度経済成長時には、誰でもお墓を購入するのが当たり前のように受け入れられていました。

経済的なゆとりができて、富の象徴でもあるお墓はステイタスとして売れたんですね。

 

ただ、そういったブランド的な求心力は、ものに溢れる今の時代、急速に求心力を失ってきています。

断舎利(だんしゃり)なんて言葉が流行っていますが、どちらかというと身軽に、負担を減らす方に人々の考え方もシフトしてきています。

 

その一方で、これからは「こころ」の時代になっていくとも言われています。

そんな時代において、お墓のもつスピリチュアルなパワーは計り知れないものがあるのです。

 

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目次

お墓ばなれとお墓を建てる人の減少

お墓の基礎工事 傾き

私が勤めている石材店は、茨城県桜川市の羽黒石材工業㈱という、お墓を手づくりでつくる会社です。

昔は、日本でつくるのが当たり前だったお墓ですが、ここ20年ぐらいは、中国産のお墓が主流になっています。

価格が高くなりがちな、国産墓石の需要はかなり減りました。

 

さらに、お墓ばなれが言われはじめ、お墓の需要自体が毎年減り続けています。

ここまで話を聴くと、悲観的な話を続けるのかと思われるかもしれませんが、そうではありません。

 

「残された家族に迷惑をかけたくない」

私の考え方は、けっこうさっぱりしていて栄枯盛衰、流行るときもあれば、廃れるときもあるはずだと思っています。

ものに溢れている時代で、断舎利(だんしゃり)という言葉もよく聴きますが、人々は、身軽で余計な荷物を背負わない方向に進み始めています。

 

本当に欲しいものは購入するけど、そうでないものは省く。

だって、そうやって選別していかないと、家中にものが溢れて、ごみ屋敷のようになってしまいます。

 

お骨に関しても同じような発想の元、従来お墓に収めていたものが、散骨だの合葬墓と言った考え方に変化してきています。

キーワードは「残された家族に迷惑をかけたくないから。」

 

これも、今時の価値観であるとも言えると思います。

ただ、私はお墓は不要なものだとは思いません。

 

お墓の持つ、スピリチュアルなパワーは計り知れないものがあると感じています。

こんなに素晴らしいものを捨ててしまうのはもったいない。

 

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「こころ」の時代に入るからこそ、お墓の力が必要とされる

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これからは【こころ】の時代に入っていくと言われています。

自由な時間が増え、自分の好きな趣味や家族との時間を大切に過ごしたり、人生の意味を考え楽しむ方向にシフトしてきます。

 

更に今後は、AIが発達して、人間のする仕事は益々減っていくと言われています。

ゆとりが増えると、自分の内面的な部分【こころ】に関心が向かいます。

 

世の中にはいろいろな神様・仏様がいらっしゃるけど、自分と自分の家族専属なのはご先祖様だけです。

お寺や神社でいろいろな神様・仏様に拝むことはできるけど、ご先祖様は、かけがえのない特別な存在なのです。

きちんとお参りすることで、心が豊かになり、精神的な安定をもたらします。

 

そしてご先祖様を祀ることのできる象徴がお墓です。

お墓がなくても、ご先祖様に感謝の気持ちを伝えることはできると思いますが、ハッキリと形で存在しているお墓はわかりやすいです。

 

若い世代は、そういったスピリチュアルな部分に関心のある方が多い。

今の世の中で、お墓のあり方も変わりつつあると感じます。

 

富の象徴でありステイタスだったお墓から「こころ」のお墓へ

高度経済成長時には、誰でもお墓を持つのが当たり前のようでした。

古今東西、お墓は富の象徴のような意味合いがあります。

 

日本でも昔は天皇や豪族、武士などの上流階級しか建てることのできなかったお墓。

庶民の憧れでもあり、お墓を建てること自体がステイタスでもあったのです。

 

ただ「さとり世代」なんて言われることがありますが、生まれながらにものに溢れていた若い世代ほど、物欲がなく、ブランドも求心力を失っています。

なので、ステイタスとしてのお墓は、今後、更に価値を失っていくはずです。

 

だからこそ、お墓本来の機能である「こころ」の部分が見直されていくと思うのです。

「こころ」を大切にする時代にこそ、お墓が必要であると感じています。

 

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まとめ

「こころ」を大切にする時代にこそ、お墓が必要である

けっこう、勝手なことを書いていますが、これが私の石屋としての使命(ミッション)です。

 

私が勤める石材店は、お墓をつくる会社で、ものづくりを大切にしているというのも大きな理由でもあります。

世の中の流れに合わせて、柔軟に形態を変えていくというよりは、あらためてお墓の良さを発掘して伝えていくことが会社の使命(ミッション)だからです。

 

世の中の流れを否定しているわけではありません。

 

現在の日本人の人口は1億2600万人。

縄文時代から現代までの日本のトータル人口が4億人程度だそうなので、今の時代が、いかに人で溢れていることがわかるかと思います。

 

人とものと情報が溢れる現在、むしろ価値観が多様化していくことが当たり前です。

受け入れた上で、生活者に寄りそう形で何か提案できないかと模索しています。

 

また、お墓の「こころ」の部分は、お墓ばなれなどのお墓に対する否定的な声が多い今だからこそ、バランスを取るためにも伝えていかなければならない価値観であると感じています。

 

今、ご先祖様の大切さを伝えるクラウドファンディングにチャレンジしています。

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この記事を書いた人

中野良一のアバター 中野良一 羽黒石材工業㈱営業部長

1級お墓ディレクター・1級土木施工管理技士
見に見えない存在であるご先祖を「見える化」した【いのちの積み木】→http://senzo.inotinotsumiki.com 雪のように白くてキレイな【淡雪五輪塔】のプロデュース。

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