お墓に利用する岩石の分類!明確に分ける基準があるのをご存知ですか?(花崗岩・安山岩・閃緑岩・斑レイ岩)

昭和新山

画像参照元:http://www.toya-usu-geopark.org/

『花崗岩・安山岩・閃緑岩・斑レイ岩、主な岩石を分類するための基準があるんですか?』

なかの
こんにちは、おはかのなかのブログの管理者『なかの』(@ryoryolyです。

岩石の分類ですが、驚くほど明解な分類基準があります。

 

岩石の分類は、構成する鉱物によって変わるのはわかるかと思います。

見た目で違いますし、お墓の加工をされている職人さんが一番良くわかりますが、硬さも粘度も違います。

 

でも、ある一つの科学物質の割合とマグマが冷える速度だけで、明確に分類できるんです。

サビやキズ、黒玉やながれなどの石の問題の理解にもつながるので、ぜひ、読んでみてください。

 

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目次

マグマにはトロトロしているものもあれば、粘り強くてドロドロしているものもある

世の中には沢山の火山がありますが、実は、その中身のマグマは一つとして同じ鉱物から成っていません。

同じ火山でもトロトロした流動性の高いマグマのハワイのキラウェア火山のようなものがあれば、

粘土のあるドロドロした昭和新山のようなマグマもあります。

キラウェア火山

参照元:http://ohialehua.cocolog-nifty.com/ainanui/2015/01/1132015-a37d.html

昭和新山

画像参照元:http://www.toya-usu-geopark.org/

このマグマの性質を大きく決定づけるのが『二酸化ケイ素』です。

二酸化ケイ素を多く含めば粘度が高くなり、

反対に少なければキラウェア火山のようにトロトロになります。

 

この性質の違いは、そのまま岩石の分類につながります。

 

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岩石の多くが二酸化ケイ素から成り立っている!

二酸化ケイ素とは、結晶化すると石英になる鉱物です。

大きく綺麗に結晶が育つと水晶と呼ばれます。

二酸化ケイ素は、地球上に溢れていて花崗岩に占める重量の66%以上が二酸化ケイ素から成ります。

岩石分類

二酸化ケイ素の割合と地層の深度で見事に岩石が分類できます。

岩石が形成される過程では、冷えて固まる速度が重要なので、地層の深度が大きく影響します。

花崗岩

花崗岩

安山岩

安山岩

斑糲岩 斑レイ岩

斑レイ岩

花崗岩・安山岩・斑レイ岩。

石屋さんなら、これらの岩石が見た目も性質もかなり違うことは知ってらっしゃると思います。

 

二酸化ケイ素が多いほど、一つ一つの結晶の粒が大きくなる傾向にあります。

斑レイ岩は、鉄やマグネシウムなどの重い鉱物の割合が多くなります。

そのために色も黒に近くなり、硬くなります。

 

二酸化ケイ素は、単体だと石英になりますが、長石やいろいろな鉱物と結びついています。

この辺りを化学式を交えてまじめに説明してもいいのですが、ややこしいので今回は避けます。

なかの
実は、化学嫌いです(笑)

 

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マグマの結晶分化作用

冒頭で、マグマは液体で、コップに砂糖を入れて砂糖水をつくった例で濃度が違うことを説明しましたが、実際にはもっと複雑です。

マグマに含まれている鉱物は、種類が豊富で割合も違いますが、それにはマグマの結晶分化作用が大きく関わってきます。

 

マグマは、多くの科学組成(二酸化ケイ素・酸化鉄・酸化マグネシウム・酸化カルシウム、etc)から成りますが、それらが複雑に結びついて鉱物を形成します。

その鉱物の集まりが岩石です。

 

マグマの結晶分化作用は、複雑で均一に混ざるわけもなく、冷えて固まった岩石も一つとして同じものができないわけです。

石に大きな黒い玉が出てしまったり、マーブル模様の『ながれ』が出てしまうのもこの理屈です。

 

マグマの結晶分化を示す略式図

マグマの結晶分化作用

参照:http://www.jasdim.or.jp/gijutsu/ganseki/fujita/fujita.html

結晶分化作用(けっしょうぶんかさよう、crystallization differentiation)とは、火成岩の多様性を説明するメカニズムの一つである。マグマが冷却固結する際、晶出する結晶(鉱物)の化学組成はマグマ自体の化学組成とは異なるので、高温なマグマが低温な周囲の岩石に冷やされ、晶出した鉱物と残りのマグマが分離した結果、残されたマグマの化学組成が変化していくことをいう。

参照:Wikipedia

マグマの結晶分化作用、何を言っているのかわかりにくいかもしれませんが、単純化すると、

マグマは元々、二酸化ケイ素(SiO₂)や酸化鉄(FeO)、酸化マグネシウム(MgO)などの科学組成から成るよ。

結びついて結晶化すると長石や輝石、かんらん石などの鉱物になるよ。

ということです。

 

そして、イス取りゲームのようなもので、結晶化された組成はどんどん減っていき、残された科学組成の割合も変わっていって、できる鉱物も変わっていくよということです。

 

火成岩の分類と構成鉱物・科学組成・色指数・比重の関係

岩石の科学組成の割合

参照:http://www.jasdim.or.jp/gijutsu/ganseki/fujita/fujita.html

 かがく‐そせい〔クワガク‐〕【化学組成】 ある物質を構成する元素や化合物などの化学成分が、それぞれどれくらいの比率で含まれているかを示したもの。 組成式で表したり、各化学成分の質量、体積、物質量の百分率を用いたりする。

参照:コトバンク

花崗岩は二酸化ケイ素(SiO₂)の重量に占める組成割合が多くなり、

斑レイ岩では、酸化マグネシウム(MgO)が多くなります。

 

花崗岩を構成する主な鉱物

花崗岩の主要構成鉱物は、石英、カリ長石、斜長石、黒雲母、白雲母、普通角閃石である。磁鉄鉱、柘榴石、ジルコン、燐灰石のような副成分鉱物を含むこともある。まれに輝石を含む。

参照元:Wikipedia

安山岩を構成する主な鉱物

安山岩は斑晶および石基として、有色鉱物である角閃石・輝石・磁鉄鉱(稀に黒雲母やかんらん石)、無色鉱物である斜長石(稀に石英)等を含む。

参照元:Wikipedia

 

斑レイ岩を構成する主な鉱物

有色鉱物の角閃石や輝石を多く含み、岩石全体が黒っぽい(ペグマタイト質のものは斜長石の白い部分が目立つことがある)。磁鉄鉱なども含んでいることがある。無色鉱物はほとんどが斜長石で、アルカリ長石や石英をほとんど含まない。

参照元;Wikipedia

 

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まとめ

岩石の分類は、二酸化ケイ素の割合と冷える速度で決まることがお分かりになりましたでしょうか?

また、岩石は複数の鉱物の塊ですが、その鉱物はマグマの結晶分化作用で生まれます。

 

マグマには多くの物質が溶け込んでいて、割合や量も違います。

その為に地域毎に特色のある岩石が生まれるのです。

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この記事を書いた人

中野良一のアバター 中野良一 羽黒石材工業㈱営業部長

1級お墓ディレクター・1級土木施工管理技士
見に見えない存在であるご先祖を「見える化」した【いのちの積み木】→http://senzo.inotinotsumiki.com 雪のように白くてキレイな【淡雪五輪塔】のプロデュース。

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