皆様、御影石と聴くとどんな石を想像されるでしょうか?実は一般的な御影石の定義はあいまいなところも多く中には堂々と間違った情報を載せているwebサイトも多いです。
御影石は、玄関やキッチンなど住宅の様々なところで用いられます。また街中でもマンションやビルの床や壁材として活用されています。ただ石が全て御影石かというとそういうわけでもなく大理石や凝灰岩など様々な種類の石があります。
御影石の簡単な見分け方と建材としての使用方法などを紹介していきます。
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目次
御影石について学ぼう!
御影石とは?
御影石とは、ざっくり言うと花崗岩のことです。花崗岩とは火成岩の一種で、流動的なマグマが地表から深いところでゆっくりと冷えて固まってできた岩石のことです。
御影石はもともと、神戸市御影地区で産出される花崗岩の俗称でした。ややピンク色の花崗岩で、現在では『本御影石』と呼ばれていますが、ほとんど流通はしていないようでけっこう高額で取引されているようです。
神戸市で石材店を営まれている第一石材の能島さんが、本御影石についての記事を書いていらっしったので引用させていただきます。能島さんは私の師匠でもあります。
この「御影(みかげ)」という地名は、その昔、神功皇后が現在の阪神御影駅付近にあった、”澤之井”という泉の水面に、自身の御姿を映しだしたことから、御影の名が付けられたとされています。
この地域の浜側には、江戸時代から、「灘五郷」で知られたつくり酒屋が軒を重ね、山側には、古くから御影石の石切り場が点在しており、社寺仏閣向けの石材加工を営む多くの石工がいました。
桜色の優しい風合いが人気を呼び、切り出された御影地方の石は、大阪湾に面した浜から石船に積まれ、古くから全国各地に送られてきたことで、その名が全国に知られることになりました。
その後、全国の石材産地で採掘される花崗岩をはじめ、安山岩、閃緑岩、斑レイ岩に至るまでが、「○○御影」「△△御影」と、御影石の名を付けた名称にて流通しています。
参照元:国産高級墓石.com
御影石の特徴は?
こちらのサンプルは福島県産の滝根みかげ。みかげという名称がついていますが、花崗岩であり御影石です。
御影石=花崗岩なので、花崗岩の特徴がそのまま御影石の特徴になります。花崗岩は基本的に黒雲母(黒)と長石(白)と石英(灰色)から成ります。
長石は色がつきやすくニューインペリアルレッドのように赤くなったり、インパラブラックのように色が黒っぽくなることがあります。鉱物的に区分をすると二酸化ケイ素の割合が66%を超えるものが花崗岩になります。
黒御影石って何?
ここで岩石に少し詳しい人は疑問が沸いてきます。閃緑岩や斑レイ岩などの黒御影石は二酸化ケイ素の割合が少なく花崗岩ではないのにもかかわらず御影石って呼ぶからです。
これは良くありがちですが、長年の間に言葉の定義が変わっていってしまったパターンだと思います。もともとは花崗岩=御影石だったのが、いつのまにか他の火成岩である閃緑岩や斑レイ岩も御影石と呼ぶようになってしまいました。
黒御影石と白御影石
そこで新たな分類が生まれます。それが黒御影石と白御影石という分類。もはや二酸化ケイ素の割合による岩石分類とかいうややこしい話を抜きにして色だけで判断しようというザックリとした分類です。たぶん一般消費者にとってはこちらの方が分かりやすいです。
もしくは黒御影石とは閃緑岩や斑レイ岩のみを言っているのか、この辺りの定義は私にもよくわかりません。だけど、花崗岩の中にもG654やFGといった黒みが強い石があります。これは長石が黒っぽいためですが、この黒っぽい花崗岩も黒御影石と呼ばれているケースをよく見ます。
恐らくここには明確な定義はないと思われます。G654を黒御影石と呼ぶことに『素人が!!』と怒られている専門家の方もいますが、時代が変われば言葉が変わりますが、その程度の感覚でよろしいのかもしれません。
御影石は英語でgranite(グラニット)
御影石を英語にするとgraniteになります。グラニット。
ネットで調べてみると花崗岩=御影石=graniteなので、やはり黒御影石という表現はそもそもおかしいということを英語から探ることができます。あまり細かいことばかり言っても仕方がないですけども。
御影石の比重
花崗岩は世界中に分布していて比重は微妙に異なります。だいたい2.5~2.7程度の見かけ比重となります。これが一般的な御影石の比重。
黒御影石を入れると斑レイ岩はずっと重くなり2.8~3.2程度の比重になります。斑レイ岩は金属を多く含むので重くなります。
御影石はキッチンや玄関に用いられる
御影石は昔から人間の生活に密接に係わっています。御影石のある生活は高級感をもたらし自然素材が癒しも与えてくれます。そんな御影石は住宅においてもキッチンの天板や玄関の張り石など、さまざまなところで利用されています。
東京の街中を歩いていても至る所に御影石を見かけます。御影石は酸性雨に強いので特に屋外でも使用できるメリットがあります。
[ad#co-2]御影石を代表する石種
花崗岩としての御影石
御影石は世界中に分布していて建築や墓石などに利用されています。ここでは主な石種を紹介させていただきます。花崗岩としての御影石とは何とも言えない表現ですが、便宜上わけさせていただいています。
中国産 G623
まずは中国産G623から。
G623は、日本国内にもっとも流通した御影石と言っても過言ではないかもしれません。現在は採掘されていませんが、以前は膨大な量のG623が日本全国に配達されていました。
中国産 G654
次は、花崗岩にしてはかなり色が黒くなるG654。
けっこう黒っぽく見えますが、花崗岩の特徴であるごま塩模様が現れていることがわかりますでしょうか?れっきとした御影石になります。
このG654を黒御影石と称する石屋さんも多いですが、私は黒御影石と呼ぶのには抵抗を感じます。
日本産 稲田石
お次はピカピカな艶が素敵な日本産の稲田石。
稲田石は花崗岩の中でも二酸化ケイ素の割合が多い部類になります。白い長石が特徴で、御影石の中でもかなり白くなります。
日本産 真壁小目石
こちらは日本で採掘されている真壁小目石。グレーがかたった色味で関東から東日本では昔からかなり利用されている石種類です。
黒御影石
黒御影石の定義は、先ほどから述べていますが、あいまいです。個人的には閃緑岩や斑レイ岩に分類される岩石を黒御影石と呼んでいますが、花崗岩であるG654やFGを黒御影石と呼ぶ方もいらっしゃいますので、ご注意ください。
この記事を書くにあたりいくつかのwebサイトを調べてみましたが石屋さんが作ったサイトは基本的に岩石の分類に従ってわけていて、文章を書くプロが書いたキュレーションサイト(情報を切り取りしてまとめたサイト)は、色でわけていることが多いようです。岩石の分類が違うと根本的に質が違ったりするのですが。
インド産 クンナム
こちらの真っ黒な石塔がインド産のクンナムです。
斑レイ岩であるクンナムは硬質で吸水率が低く水を吸いにくいという特徴があります。
スウェーデン産ファイングレイン
クンナムを黒御影石の王様とするのなら、黒御影石の女王と呼ばれているのがこちらのスウェーデン産ファイングレインです。
見ているだけで吸い込まれるような漆黒の黒が特徴です。高級石材です。
[ad#co-3]まとめ
御影石についての記事を書いてみました。御影石=花崗岩であり、世界中に多く分布している岩石であること。白御影石、黒御影石と分類されることがあり、色でわけるのは、岩石の種類でわけるのかはあいまいなこと。などを説明させていただきました。
建築資材やお墓やモニュメントにも最適な御影石。二酸化ケイ素の割合が多い花崗岩は基本的に酸性雨に強いという特性を持ちます。あくまで基本的にという話であり、花崗岩によっても含まれる鉱物が違うので、屋外に不向きな花崗岩もありますが。大理石は雨に濡れると溶けて汚れが出やすいですし、斑レイ岩は磨いた面の艶が無くなります。
扱う御影石の種類によっても変わってきますので、疑問に思われる方は詳しい石屋さんに質問をされるとよろしいかと思います。それにしても石について本当に詳しい石屋さんも減ってきましたので、相談されるプロは選ばれた方がよろしいとは思いますが。
1級お墓ディレクターの「なかの」はこんな人ですよ。
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羽黒石材工業株式会社
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