今回は、ちょっとセンセーショナルな内容かもしれません。
ノルウェー産御影石 ブルーパール。
貝殻の化石が入ったキラキラ輝く素的な石なのですが、とてもヒドイ加工が施されていました。
框(かまち)という玄関などで靴を脱いであがる部分。
一般的な住宅では木を用いることが多いですが、高級住宅に利用するためにブルーパールを利用します。
とても目につくところで、来客の印象にも大きく残る場所です。
ところが、写真を見てお分かりの通り、面がデロデロになってしまっているんですね。
中国の石材加工はピンキリで、レベルが高く、日本並みの加工をする工場がある一方。
とにかく製品にして出荷してしまえばいい、安くてもなんでも売りさばいてしまえ!
というモラルが低い業社も混在しています。
そんな、石材加工の実情も交えつつ、ブルーパールについても紹介していきます。
目次
ノルウェー産の御影石 ブルーパールについて
ブルーパールの特徴は?
ブルーパールは、ノルウェーのラルビックで産出される、青系御影石です。
名前の通り、まるで真珠(パール)のような美しい輝きを放つのが特徴で、貝殻の化石が入っています。
御影石と一口に言っていますが、ブルーパールの正確な分類は、霞石閃長岩(かすみいしせんちょうがん)となり。
日本で一般的に産出されている花崗岩(かこうがん)とは大きく性質が違い、石英を含まないアルカリ深成岩の一種になります。
希少性が高く石目もそろいにくいので価格も高めになります。
高級感のあるブルーパールは建築用途に
墓石材としても利用されるのですが、高級感のあるブルーパールは、建築の用途に利用されることが多い石種です。
お風呂には石がよく利用されますが、ブルーパールでつくられた洗面台は、半端でなく存在感があります。
いいお値段はするのですが、高級ホテルや住宅向けに人気があります。
中国加工のひどい品質のブルーパール
このように鉄板の人気を誇るブルーパールですが、ひどい加工精度で仕上げられた現物を目の当たりにしました。
光が均一でなくて乱反射しているのがわかりますか?
均一に磨けていない証拠です。
こういった製品として収めることのできない中国加工の石材を、日本で手直しすることはよくあります。
しっかりした輸入商社なら問題ないのですが、稀にモラルの少ない業者が紛れています。
品質が悪くてあとで問題になっても、値段を安くして売ってしまえ!ということですね。
このブルーパール、石自体にも問題があって細かいキズもあります。
建築資材としての品質基準を満たしていないブルーパールを稚拙な加工技術で適当に加工して日本に送ったんです。
材料支給と材料込み工事
こういった工事は、元請となる建築業者がいて、そこから大工、設備屋、電気屋などの様々な下請けに発注されます。
もちろん石工事は石屋が請け負います。
材料に関しては、元受が支給する材料支給と、下請けが材料まで手配する2つの形態があります。
今回は、元請けがブルーパールを手配しました。
中国の商社に格安の話を持ちかけられて購入したそうですが、商売上手な中国人に引っ掛けられてしまったようです。
プロの石屋では、中国から輸入する際には、信頼できる商社を通して購入することを心がけています。
信頼できるということは、管理もしっかりしているということで、少々高くなりますが、最終的に製品を施工して納めることを考えると、ずっといいんですね。
不良品があっても、きちんと責任の所在を追求できます。
元請けさんも、コストカットをしたかったのでしょうが、安かろう悪かろうで、けっきょく手直し代で高くつきました。
しかも質の悪い石なのはそのままです。
石の取引には、信用が大きく係ってきます。
餅は餅屋で、石に関することは、石の手配から全て石屋に任せた方が無難です。
まとめ
ノルウェー産の御影石 ブルーパールの紹介も兼ねながら、中国の怪しい石材商社の話をしてみましたがいかがでしたでしょうか?
石材の需要は年々減ってきていますが、中国の石材加工業者も需要が少なくなり大変な時期を迎えています。
うちにも頻繁に中国の商社から取引依頼のお誘いがきます。
中には、今回のような悪質な業者も紛れ込んでいるのでしょう。
石は天然のもので同じ石種でも一つとして同じものはありません、それだけに信頼関係がとても重要になってきます。
そんなことを、プロの石屋としてまざまざと見せ付けられた出来事でした。
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