皆さん大理石というとどうういうイメージでしょうか?
「マーブル模様の石目が綺麗で、マンションのエントランスなどに利用されている高級な石」といったところだと思います。
大理石は日本ではほとんど採掘されません。大理石は石灰岩が変質してできたもので、欧州で多く産出され特にイタリアで多く採れます。
そんなイタリア産の大理石で白さが特徴的なビアンコカララで記念碑をつくりました。日本で加工をするのは稀で貴重な体験になります。
実は、このビアンコカララの記念碑、石の様々な質感を楽しめる技巧を凝らしたつくりになっています。
その辺りも楽しみながら読んでいただけたら幸いです。
目次
イタリア産大理石 ビアンコカララ
ビアンコカララの特徴
ビアンコカララは、イタリアのトスカーナ州にあるカララ市から産出される、白とグレーのコントラストが美しい大理石です。
白系の大理石ではポテチーノと並んで有名で、誰でも一度は見かけたことがあるかと思います。
あまりにも有名なので、ビニール製のクッションフロアなど異素材での派生商品もあるぐらいです。
上の写真は、ビアンコカララを本磨き仕上げという、鏡面状にピカピカに磨いた状態。大理石の特徴であるマーブル模様が出ていますね。
今回の記念碑は、
- 軽く磨いた水磨き仕上げ
- ノミで割った割肌仕上げ
- ビシャンで叩いたビシャン仕上げ
の組み合わせで表面仕上げがされています。
同じビアンコカララでもまた違った表情を出します。ここが石の面白いところなんですね。
イタリア産大理石 ビアンコカララを原石から加工
ドーンとあるのは、イタリア産大理石 ビアンコカララの原石です。この原石を大胆に加工していきます。
記念碑の裏側は、石のゴツゴツした感じを出すために割り肌仕上げになります。動画では、割り肌にするためにノミで叩いて整形しているところです。
ノミを振るっている石工さんは、この道40年を超えるベテランです。ノミ使いも手慣れたもので、ビアンコカララを思い描いた通りに形を整えていきます。
記念碑の模型ですね。これだけの大作になると依頼主の承認を得るためにも正確な模型をつくって説明します。
ビアンコカララの記念碑の正面は、カッターを無数に入れてノミで弾いて平面にしていきます。
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イタリア産大理石 ビアンコカララの記念碑の据付工事
出来上がった記念碑を25tラフターで据え付けます。
ビシャン叩きの質感はこんな感じになります。ビアンコカララのビシャン叩きは、気品溢れる上品な仕上がりです。
銅製の板版の周辺は、水磨きという、本磨きのように鏡面までいかないところまで磨いた加工です。
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まとめ
イタリア産大理石 ビアンコカララの記念碑の加工から施工までの様子を動画も交えて簡単ではありますが、説明してきましたが、いかがでしたでしょうか?
白いビアンコカララが青空に映えて、とても美しい仕上がりになりました。また、3種類の表面加工がアクセントとなって、大理石の魅力を引き出せています。
ビアンコカララの持つ魅力はもちろんですが、石工の技能の冴えが引き出しているのです。
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