こんにちは、1級土木施工管理技士のりょういちです。ふつうのスコップが「カチーン」と跳ね返される、カチカチの地面があります。そこを掘れるのが、ハンマードリルや電動ハンマーに付ける、スコップ型のアタッチメントです。
電動スコップは、ハンマードリルや電動ハンマーに、スコップ型のアタッチメントを付けて使う道具です。
カチカチに締まった砂利や砕石の層を、打撃で崩せます。
使う前に、動作モード・軸の規格・埋設物を確認します。連続で使う時間にも気をつけます。

ツルハシを振らなくても、硬い地面が崩せる
私は、コード式のハンマードリルに、スコップ型のアタッチメントを付けて、とにかく硬い地面を掘りました。ふつうのスコップや、穴の開いたスコップでは、歯が立ちません。
土木作業員の代名詞でもあるツルハシ。硬い砂利混じりの土を掘り起こすのに便利で、振りかぶって地面に突き刺し、テコの原理で、ごそっと土を持ち上げます。

振り上げて降ろす作業を繰り返すのは、けっこう大変です。慣れた作業員でも、翌日に筋肉痛になることもあります。
そんなときに便利なのが、ハンマードリルに取り付けるタイプのスコップです。振りかぶらずに、硬い砂利の層でも、先端のスコップに打撃を加えて、崩しながら入り込んでいきます。
簡単そうに見えますが、ツルハシで同じことをするのは骨が折れます。
ハンマードリルってどんな工具?
ハンマードリルは、もともとドイツのボッシュが作った工具です。ドリルが回転して、コンクリートに穴を開けるときなどに使います。
アタッチメントを取り付けることができ、ノミを付けて、ハツリ(解体)作業に使えるタイプもあります。
ここに挙げた3つのうち、ボッシュと日立はコード式、マキタは充電式です。いずれも、ハンマードリル本体の例です。
スコップ型は、回転させず、打撃だけで使います。打撃だけにするモードがない機種もあります。本体と先端工具の組み合わせが、メーカーの指定に合うか、取扱説明書で確認してください。
スコップのアタッチメントは、どんなもの?
肝心の、ハンマードリルに取り付けるスコップ型のアタッチメントは、こんな感じです。
このスコップ型は、けっこうマニアックな商品なので、あまり知られていないと思います。上の商品は、名前のとおり、電動ハンマー用です。
取り付けるときの注意は、軸の規格です。ハンマードリルには、おもに「SDSプラス」と「SDSマックス」があります。本体と、アタッチメントの軸の形が違うと、取り付けられません。買う前に、必ず確認してください。
軸が合っても、動作モードが合わないと、使えません。使えるかどうかは、本体と先端工具のメーカーの取扱説明書で確認してください。
使ってみて、困ったこと
私が使ってみて、困ったことは、次の3つです。
- 振動が大きい
- 手が疲れる
- スコップ型の部分に、土が詰まる
土が詰まったときは、いったんスイッチを切り、コードを抜いてから、取り除きます。
使うときは、保護メガネ、耳栓かイヤーマフ、手袋を身につけます。先端の交換のときも、スイッチを切って、コードを抜きます。
連続で使わない(振動障害の予防)
打撃の振動は、手や腕に、少しずつ負担をかけます。厚生労働省は、平成21年7月10日の通達(基発0710第2号)で、チェーンソー以外の振動工具の取扱いについて、予防対策の指針を示しています。
指針は、ピストンによる打撃機構のある工具で、はつり、かしめ、切断、鋲打ち、削孔をする業務について、一連続の振動ばく露時間をおおむね10分以内とし、そのあと5分以上の休止時間を設けるよう定めています。
1日の使用時間も、工具の振動の大きさに応じて、抑えるよう求めています。
指針の工具の一覧には、電動ハンマーやコンクリートブレーカーが載っていますが、ハンマードリルという名前はありません。ただ、工具の機構や作業内容によっては、対象になる場合があります。
硬い地面を掘る作業でも、振動の負担はあるので、連続使用を避けて、こまめに休みましょう。
掘る前に、埋設物を確認する
地面を掘るときに、いちばん気をつけたいのは、地中の埋設物です。ガス管、水道管、電線などを壊すと、大きな事故になります。
労働安全衛生規則の第355条は、地山を掘る作業で、地山の崩壊や埋設物の損壊などにより危険を及ぼすおそれがあるときは、あらかじめ、地山の形状や地質、き裂、含水、埋設物の有無などを調査するよう定めています。
また、第362条は、埋設物や擁壁などの建設物に近い場所で明り掘削をするとき、それらの損壊などで危険を及ぼすおそれがあるときは、補強や移設など、危険を防ぐ措置をしたあとでなければ、作業をしてはならないと定めています。
これは、事業者に求められる決まりです。個人で庭や敷地を掘るときも、同じ考え方で、ガス管・水道管・電線などの位置を、管理者への照会や図面で調べてください。位置が分からない場所は、確認が取れるまで、掘り始めないでください。
スコップ型は、買う価値がある?
平ノミタイプなら、ホームセンターにも普通に売っています。利用している方も多いです。薄く敷いてあるモルタルを、コンクリートから剥がす場合に、これ以外は考えられないくらい効果を発揮します。
硬い地面を掘る場合にも、十分に使えます。
小さな範囲を掘るだけなら、手持ちの平ノミなどで足りる場合もあります。広い範囲を繰り返し掘るなら、スコップ型の購入を検討してもよいでしょう。ただし、効率は土質や工具の能力で変わります。
使う回数が少ないなら、購入費用も含めて決めてください。
まとめ
効率のよい仕事は、道具選びです。便利な工具を知っているかどうかで、作業効率は、かなり変わります。
ハンマードリルに付けるスコップ型のアタッチメントは、状況によっては、これ以上ないぐらい強力な働きをします。ただし、出番が少ないのが難点で、ちょっとした仕事なら、平ノミか、普通の尖ったノミで十分かもしれません。
使うときは、動作モードと軸の規格、埋設物、連続で使う時間の4つに、気をつけてください。
よくある質問
- 電動スコップとは何ですか?
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ハンマードリルや電動ハンマーに、スコップ型のアタッチメントを付けて、打撃で地面を崩す使い方です。専用の機械ではありません。
- どのハンマードリルにも付きますか?
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付きません。軸の規格(SDSプラスやSDSマックスなど)に加えて、動作モードも合っている必要があります。スコップ型は回転させず、打撃だけで使うので、打撃だけにできるかどうかを、取扱説明書で確認してください。
- 振動は大丈夫ですか?
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打撃の振動が手に伝わるので、連続して使わないことが大切です。厚生労働省の指針は、打撃機構のある工具のはつりなどの業務について、一連続をおおむね10分以内、そのあと5分以上の休止を定めています。ハンマードリルが対象になるかは、工具の機構と作業内容によります。
- 掘る前に、何を確認しますか?
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地中の埋設物(ガス管、水道管、電線など)の有無です。労働安全衛生規則の第355条は、地山を掘る前に、地山の状態や埋設物の有無などを調査するよう定めています。
この記事の根拠
私の経験:1級土木施工管理技士で、地山の掘削作業主任者の資格を持っています。ハンマードリルにスコップ型のアタッチメントを付けて、硬い地面を掘った経験があります。
振動:厚生労働省「チェーンソー以外の振動工具の取扱い業務に係る振動障害予防対策指針について」(平成21年7月10日 基発0710第2号)。
埋設物:労働安全衛生規則 第355条(作業箇所等の調査)、第362条(埋設物等による危険の防止)。






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