芝台とは何?意味と役割について1級お墓ディレクターが説明します

福島県産 浮金石

芝台とはお石塔の一番下にくる台を言います。定義としてはあくまで主役となる石塔の下に敷く台であり、納骨堂を上から覆う役目もあります。

なかの
こんにちは、1級お墓ディレクターのなかのFacebook Twitter自己紹介)です。

今回は、お墓の縁の下の力持ちである芝台について説明していきます。

先にも上げましたが芝台の役目は2つです。

  • 納骨堂(カロート)の蓋としての役目
  • 石塔を立派に見せるための台

また芝台はお墓における部材の中でも最も大きな部類に入ります。なので以下の2つの条件の元に2つとか4つに分割することがあります。

  • 施工性が悪い場所で1つの部材の重量を抑える必要がある(人力施工など)
  • 希少な石であり芝台を1枚の石で取れない

ここで1つ問題が起きます。納骨堂を大きく上から覆い、蓋の役目もする芝台。供養塔として建てて、下に納骨室が無い場合は話が変わりますが、2つ合わせや4つ合わせだと、将来的に雨水が納骨室の中に入る可能性があるということです。条件によっては致し方ない場合もありますが、これらの問題について触れていきます。

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目次

芝台ってどんな役割があるの?

納骨堂(カロート)の蓋の役目を果たす芝台

稲田石 納骨堂 カロート

故人の遺骨を納める納骨堂は、上に芝台が乗るまではこのような形になっています。ちなみに奥に見える黒い物体は、仏像です。

この納骨堂の上に芝台と拝石を乗せます。拝石については以前説明していますので、詳しく知りたい方は以下のリンクから。

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芝台を納骨堂の乗せるとこんな感じになります。納骨堂の6割ぐらいは芝台で上を覆ってしまいます。残りは拝石で塞ぎそこから納骨をすることができます。

真壁小目石 羽黒糠目石 お墓 墓石

この写真では、芝台の上に拝石が乗っていますが、のちのちは石塔が乗っていくことになります。なので芝台は一度据え付けるとそのまま動かすことはありません。

なので、納骨堂と芝台の間は、しっかりと接着をする必要があります。

 

ちなみにこのお墓は、関東などで主流のタイプであり、芝台の形や大きさには地域性があります。

そもそも納骨室に骨壺で納めるのか、納骨袋で納めるかの違いもあるし、骨壺の大きさも全骨収集が多い東日本と、部分収骨である西日本とでは違います。

芝台は、石塔を立派に見せるための台

真壁小目石 羽黒糠目石 お墓 墓石

芝台は縁の下の力持ちです。納骨堂の蓋の役目を負いながら、上にのる石塔の舞台の役割を果たし、引き立てます。

茨城県産 稲田石 お墓 墓石

これは洋型の石塔でも和形の石塔でも同様で、大抵は芝台が入ることになります。芝台が無い場合は、例えばお墓を立て直す際に古い石塔を墓地内に収めるために芝台や中台を処分して、上台や竿石だけを置く場合があります。

下の写真は、芝台の上に洋型の竿石が乗っていますが、これは見方によっては芝台がなくて上台の上に竿石が乗っているとも言えて、私もどう表現したら良いのかわかりませんが、このような形のお墓もあります。

福島県産十万石青みかげと茨城県産真壁青小目のお墓

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2つ合わせ4つ合わせの芝台について

本小松石 五輪塔

芝台の役目について説明してきましたが、ご覧の通り、芝台は納骨堂を覆う役目を負います。

カートクレーンという小型の移動式クレーンで芝台を吊ることができれば問題ないのですが、施工上や石種の問題により2枚合わせ4枚合わせにする場合があります。

切れ目があるといくらボンドやコーキングで接着していたとしても、のちのち少しづつ雨水が納骨堂に入る可能性があります。

施工上の理由により芝台を分ける場合

施工上の理由により芝台を2つ合わせや4つ合わせにする理由には以下のものがあります。

  • 狭い墓地
  • 丘陵地の中腹

近年整備された霊園・墓地は施工がしやすいように建設機械の侵入が容易になるように作られていることが多いです。

だけど都内や関西では、機械が浸入できず人力で施工をする墓地が多いそうです。

関西については、京都のお墓を拝見させていただいたことがありますが、狭い墓地で、施工が大変そうでした。

また奈良でも基本人力施工が多くカートクレーンを使用することは年に数度しかないとおっしゃっていました。

この辺りは、地域性が色濃く反映されているので、全国で一律で同じ条件ではないことはご了承ください。

また、山の中腹にお墓があったりすると、やはり機械の侵入が困難で人力での施工を強いられることがあります。これも大変しんどい作業で、知恵を絞って何とか施工をすることを考えなければなりません。

芝台は大きさにもよりますが、1枚の芝台で200kgとか300kgにもなることがあります。これを人力で据え付けるとなると施工性を考えて分割せざるを得なくなります。比較的軽い場合には2枚。重い場合には4つ合わせにするといった具合です。

4つ合わせの芝台で軽量化&コストカット

4つ合わせのメリットは他にもあり、石の量を減らすことができるというメリットがあります。なぜならば、4つの長方形の部材を組み合わせて真ん中を空洞にすることができるからです。お墓は石の量をどれだけ使ったかによって価格が左右されますが、芝台はその中でもけっこう石の量を多く使います。例え真ん中だけでも空洞にできればそれだけ安価に済ますことができます。

希少な石であり芝台を1枚の石で取れない

また石種によっては1枚で芝台をつくることが困難な場合があります。比較的大きなパーツになる芝台は、希少性の高い石種だと希望のサイズを賄える原石を採取することが難しいからです。例えば神奈川県産の本小松石は、芝台を大きく取ることが困難です。

特に石目を目視で確認できる磨き加工が難しく、現実的な判断として2枚合わせにすることがあります。「ここを何とか1枚にしてくれ!」と頼むとそれだけ難しいので価格も上がります。希少性の高い石は大きなサイズで取ろうとするとさらに高額になるのです。

芝台を同じ石で合わせる必要はない!

インド産クンナム 茨城県産稲田石のお墓

インド産クンナム 茨城県産稲田石のお墓

ここまで書いてきて何ですが、芝台はあくまで石塔を乗せる台であり、何も石塔と同じ石種である必要はありません。例えば上に乗る石が本小松石であっても稲田石でいいし、クンナムであっても稲田石でもいいのです。なぜか稲田石が多いのはご愛敬です(笑)

いや、稲田石は大材で取りやすいので、大きいサイズが欲しい時にはおすすめです。

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まとめ

お墓の影の立役者。芝台について説明をしてきました。芝台は納骨堂の蓋としての役目を負うと共に、石塔を立派に見せるための台の役目を持ちます。また芝台は大きな部材になるので施工場所や石種によっては1枚で取れない場合があります。その場合には2枚4枚の石を合わせて芝台をつくります。

ただその場合には、芝台は納骨堂を塞ぐ役割を担うことから、将来的に雨水が漏る可能性があります。

1級お墓ディレクターの「なかの」はこんな人ですよ。
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この記事を書いた人

中野良一のアバター 中野良一 羽黒石材工業㈱営業部長

1級お墓ディレクター・1級土木施工管理技士
見に見えない存在であるご先祖を「見える化」した【いのちの積み木】→http://senzo.inotinotsumiki.com 雪のように白くてキレイな【淡雪五輪塔】のプロデュース。

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