墓石がポロポロ崩れる?通常の御影石の風化とエフロレッセンスによる破壊の違いについて説明

エフロレッセンス
お墓に利用される石は、長い年月を経て、風化し、崩れていきます。

これは、形あるものは崩れるもので、墓石も同様、年月と共に劣化していくことは避けようがありません。

とは言え、悠久の長い年月での話ですので、通常は気にするようなことではありません。

 

なかの
こんにちは、1級お墓ディレクターのなかのFacebook Twitter自己紹介)です。

通常は、100年経つと表面のザラツキが出てくる程度の”のんびり”と進む御影石の風化ですが、エフロレッセンスが原因で、急速に墓石が劣化してボロボロになる場合があるんです。[/voice]

 

最近多い、お墓についての相談です。

A石材店
墓石に利用している石がポロポロ崩れてしまいます。原因は何でしょうか?

 

私の勤める羽黒石材工業では、長年に渡り、石の劣化メカニズムについて研究してきました。

この成果については、多くの反響もあり、プロである石材店からも評価をいただいています。

墓石の急激な劣化にはエフロレッセンスが大きく関わっています。

それは、近年、お墓の構造が大きく変化したことも影響しています。

なかの
ここ重要です!
知らないままにエフロレッセンスが起こりやすいお墓を建てている墓石販売店は多くいらっしゃいます。

 

この辺りの理屈を理解していないと、何度もボロボロに劣化しやすいお墓を作ってしまうことになり。

お客様に大きな迷惑を掛けてしまいます。

通常の石の風化システムを理解してもらいながら、恐ろしいエフロレッセンスについても説明していきます。

 

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目次

一般的なお墓の劣化要因

花崗岩は黒雲母から風化が進む!

茨城県産 稲田石 お墓

写真の石は、茨城県産の稲田石ですが、よく見ると白と黒と灰色の鉱物から成り立っていることがわかりますでしょうか?

この中で、黒い部分の黒雲母と呼ばれる部分が、最も早く劣化します。

黒雲母は、金属を含んでいるのでサビやすく、石の表面を弾き飛ばす『ポップアウト』という現象が起きます。

 

次に風化が進むのが、灰色の部分です。

これは、カルシウムとに酸化ケイ素が結びついて結晶化した斜長石と呼ばれる鉱物で、比較的に風化に弱いです。

とは言っても、116年間で1mm程度の風化が進む程度です。かなり気長な話ですよね。

 

それ以外にも、石英・正長石などの鉱物がありますが、もっと、ずっと硬くて風化に強いです。

石英が完全に溶解するまでに34,000,000年

正(カリ)長石2,600,000年

もはや人間の尺度では図りえない年月です。

石は普通の風化作用では、そうそう崩れることはないと覚えてもらえれば大丈夫です。

初心者さん
へ~石ってなかなか風化しないのね。
なかの
だから墓石や記念碑として石が用いられるんでしょうね。

文字を刻んで長期間保存できる記録媒体として優秀なんです。

 

通常の風化は、石にわびさびと風格をもたらす

御影石 風化 灯篭 墓石

石がお墓や記念碑に利用されてきたのは、石が頑丈で長年に渡り記録として残せるからです。

稲田石は歴史のある石なので、実際にそれぐらいの月日を経過した、お墓や建築物も存在します。

そういったお墓や建築物は、わびさびがあって風格があります。

それが、石という素材の良さでもあります。

 

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【石の天敵】による石の劣化原因とは?

お墓が急激にボロボロに!?

エフロレッセンス

こちらの写真を見ると『うわっ』と思うのではないでしょうか?

これはエフロレッセンスという現象で、モルタルやコンクリートに含まれる炭酸カルシウムが溶け出し、空気と結びついて白く結晶化したものです。

石の表面で結晶化し、流れ落ちるだけなら見苦しいだけですみます。

これが石の内部で起きることを、特にサブフロレッセンスと言いますが、石の表面をボロボロにして、著しく劣化させます。

わびさびや風格とは全く別のただただ見っともない劣化です。

エフロレッセンス サブフロレッセンス

エフロレッセンス サブフロレッセンス

石の表面が白くポツポツとなっているのがわかりますか?この現象、けっこう多く見られます。

実は、このサブフロレッセンス、昔のお墓には、ほとんど見られません。

エフロレッセンスが起きることはあっても、石が内部から破壊され、ポロポロ崩れるような現象は、最近になって見られるようになったものです。

 

なぜ、現代のお墓は、サブフロレッセンスが起きやすい?

なかの
ここからが一番重要な話です!

なぜ、現代のお墓に、サブフロレッセンスが起こりやすいのでしょうか?

原因が、研究の結果として、はっきりと分かってきました。現代のお墓事情ならではの理由があるんですね。

 

お墓事情は、全国で一律ではないので、地方によってかなりの差がありますが、近年は、頑丈で、堅牢につくるようになり、さらに板石を貼って草が生えないように対策をするようになりました。

その為に、お墓の内部に侵入した水が悪さをして、サブフロレッセンスを生み出す原因になっています。

対策はいくつかあります。

実際に、エフロレッセンスに詳しい石材店として、相談も受けているわけですが、経験とノウハウから得たものではあるので、直接ご相談ください。

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まとめ

現代のお墓事情ならではの、サブフロレッセンスによる急激な墓石の劣化について、説明させていただきました。

実際に、プロである石材店からも、何件か相談を受けています。

一度、起きてしまうと、事後対応は、難しいです。

 

『石の表面を研磨したらどうか?』

という相談も受けましたが、一度組み立てた墓石を外して研磨し直すのは、困難な作業です。

また、石の内部で起きていることであり、どの程度まで、深く研磨すれば良いのかも分かりません。そして、根本的な解決にはなりません。

予防方法が、謎のまま終わって申し訳ありませんが、苦労して導きだした答えですので、お困りの方は、直接お問い合わせくださいませ。

石材店、一般のお客様どちらも質問を受け付けています。

 

1級お墓ディレクターなかのはこんな人ですよ。

自己紹介・プロフィール

こんな会社に勤めていますよ。

羽黒石材工業株式会社

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お問い合わせ

いろいろとご相談したい方、@LINEもやってます。

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この記事を書いた人

中野良一のアバター 中野良一 羽黒石材工業㈱営業部長

1級お墓ディレクター・1級土木施工管理技士
見に見えない存在であるご先祖を「見える化」した【いのちの積み木】→http://senzo.inotinotsumiki.com 雪のように白くてキレイな【淡雪五輪塔】のプロデュース。

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