ちょっと一息、芸術作品の紹介です。
平面に近い丸い形の石畳に施された繊細なハスの彫刻、月日を経てコケや汚れも付き、陰影がついてまるで立体のように浮き出て見えます。
硬い御影石を加工して、ここまで立体に見せるのは実は至難の業なんです。一流の石工が魂を注ぎ込んだからこその作品なんですね。
そんな日本の石工の技術と精神の結晶である丸い石畳について紹介していきます。
目次
茨城県産稲田石でつくられた石材彫刻
これらの石材彫刻の作品は、茨城県産の稲田石を加工してつくられています。
稲田石の特徴は、中目で目が粗い、目とは御影石を構成する結晶の一つ一つの粒の大きさ。稲田石は、石材彫刻に利用される石種の方では、目がかなり粗くなります。
粗いということは、加工をしにくいんです。なぜなら、石の結晶が加工の過程ではじけ飛びやすいからですね。石材加工に向いているのは『柔らかくて、粘り強くて、目が細かい』石なんです。
稲田石のは『硬くて、目が粗い』という石工泣かせの性質をもっています。稲田石を加工するのは、石工にとっても大変な仕事であり、とても神経を使います。それでもこれだけの作品をつくりあげる石工の技術には感嘆せざるを得ません。
なぜ、それでも稲田石を利用するのか?
この石畳は、年月が経って、汚れがついてきているのでわかりにくいかもしれません。コケがついたり汚れたりするのが、石材作品のだいご味でもあるのですが、本来は、稲田石は御影石の中でもかなり白い部類に入ります。
黒い部分や灰色の部分もあってごま塩模様なのですが、最も白い御影石と言い切ってしまっても過言ではないでしょう。
それだけ、白い特徴の際立った御影石になります。
美しい白さが際立った稲田石
稲田石を鏡面に磨いた状態でもゴマ塩模様で白さが引き立つのですが、石材彫刻で磨かないと更に白さが増します。
お庭に白さが欲しい場合には重宝する石なんです。
お庭だってコーディネートが必要です。芝の中にある石材彫刻。色が主張し過ぎているとキツイ印象になっていしまうんですね。
洋服でもそうですが、白は他を邪魔することなく合わせやすい色です。
まとめ
茨城県産稲田石でつくられた丸い石畳の石材彫刻について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
まさに、石工の技術の冴えが光る名作と言えるでしょう。
現在は、由緒あるお寺の境内に収められ、人々の目を楽しませています。
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