日本の伝統と”わびさび”を伝える石灯篭。
日本庭園には欠かせない存在で、神社やお寺に行くと必ずといっていいほどあります。
現在は、電気で明るいので、あまり燈籠に火を灯すことが少なくなりましたが、昔は貴重な灯りでもありました。
それでは、石灯籠(とうろう)の種類について解説|販売している産地は?価格はいくら?をお送りします。
目次
主な石灯籠の種類
まずは代表的な石灯籠からざっくりと紹介させていただきます。
春日灯籠
灯籠と聞くと、春日灯籠を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
形も大ぶりで存在感があり燈籠の代名詞とも呼べるのが春日灯籠です。
竿が長く、あかりを灯す火袋が高い位置にあるのが特徴でになります。
現在の型は、春日大社の灯篭を元に火袋が六角柱で二面に雌雄の鹿が彫られ、他の二面に雲形の日月、残りの二面は彫り抜かれています。
雪見灯籠(丸雪見・角雪見)
笠を広げた感じがなんとも風流な雪見灯籠。
この笠、実は機能的に優れていて、水際に設置すると水面を照らすことができます。
なので雪見灯籠は水辺に置くことが多いです。趣のある独特の姿から人気があり、水のない庭に置かれることも多いですが。
足は3本のものが主流で、笠の丸い丸雪見と六角形の六角雪見があります。
岬灯篭
灯台のように庭園の水面に置く岬型灯篭。まるで岬にある灯台のように水面を照らします。
雪見灯籠のように水面に置くのが基本ですが、可愛らしい姿と、小ぶりでどこにでも合わせやすいことから水のない庭に置かれることも多いです。
織部灯籠
柱の頭がぷくっと膨らんだ感じが特徴的な織部灯籠。
桃山時代の茶人、古田織部が創案したものされています。
夜の茶会の為に露地の明かりに用いられました。
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石灯籠の販売場所と価格は?
ネットでも販売している灯篭
石灯籠ですが、中国で加工された小型でネットで購入できる1万円程度のものから、伝統工芸士がつくった百万円程度もする本格的なものまであり価格はピンキリです。
ただ、正直な話。燈籠を見慣れた私の目から見ると、中国製の安価な灯篭は細部が雑でとってもチープなのは事実。ほんとがっかりするぐらい雑です。
燈籠はわびさびが大切なので、少々価格が高くても納得のできるものを購入された方が個人的には良いと思います。
できれば、実物を見て購入するのがベストですね。
ネットでの燈籠購入をおススメしないのには、他にも理由があって、石燈籠はコケが生えて情緒溢れる姿になって価値を増します。
できたての燈籠は価値が低いのです。
石灯籠屋さんは、出来上がった状態のきれいな石灯篭に半年ぐらい水を毎日掛け、いい塩梅に風化させます。
ちなみにコケは、輸出入禁止で税関で止められてしまいます。なので、中国産燈籠ではできません。
日本に持って来てから水を撒けば別ですが、もともと安物ですし、そこまでして価値を高める必要もないと思われます。
墓石と石灯篭とでは、最適な石が違う!
墓石に用いて良い石と、灯籠に用いて良い石とは違います。
島根県産の来待石は、出雲石灯篭で有名です。来待石は、石灯篭や石彫刻に最適なんですね。
柔らかくて加工がしやすく、風化も早いので、コケも生えやすいからです。
茨城県の真壁も石灯籠で有名ですが、真壁石は、墓石にも利用できるぐらい硬質で風化にも比較的強いので、わびさびを出すのに手間が掛かるそうです。
なので、質の良いものよりは、少し柔らかくて劣るものが燈籠の材料として好まれます。
実物を見ないと石灯籠の良し悪しはわからない。
先ほども書きましたが、灯篭を購入するのなら、実物を見ないと判断できません。
お庭に置かれることを想像しながら、石灯篭を見て回るのも楽しいかと思います。
先に挙げた、出雲石灯籠の他にも日本には石で有名な産地があります。
日本石材三大産地
- 茨城県 真壁
- 愛知県 岡崎
- 香川県 庵治
こういった産地に出向いて、ゆっくり探すのも趣深いのではないでしょうか?
地域によって特色があり面白いです。
真壁は昔から伝統工芸としての石灯籠づくりが盛んな街です。
私の地元でもあり素晴らしい作品を手掛ける伝統工芸士も何人か知っていますので、もしご興味のある方は私までお声がけください。
また愛知県岡崎は、なんといっても彫刻のメッカです。
全国の石工が集まり、岡崎で石灯籠などの彫刻を学び修行して、そして地元に帰って石材店の後を継ぐ方が多いです。
なので、優れた作品をつくる石工さんがいらっしゃいます。
YouTubeで真壁の伝統工芸士の石灯籠を紹介しています!
まとめ
簡単にですが、石灯篭の種類と、石灯籠の産地を説明させていただきました。
風流な石灯篭は、庭園になくてはならないものですよね。
日本には、素晴らしい石灯籠をつくられる、伝統工芸士さんなどの石工がいらっしゃいます。
茨城県真壁の産地であれば、灯篭をつくっている伝統工芸士と仲良しなので、案内して説明してさしあげることができます。
こちらで記事にした加藤さんや小原さんの他にも伝統工芸士である根本さんや杉山さんをご紹介することができます。
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