墓石の文字の色は、白・黒・金・染めないのどれがいい?剥がれた時の直し方まで

墓石の文字は、彫っただけで染めない選択もあれば、白・黒・金に染める選択もあります。

決まりはなく、石の色との組み合わせで、見え方は大きく変わります。ただ、色の種類を言われても、イメージは付きにくいものです。石との対比で見ないと、実際の見え方は分かりません。

この記事では、実際のお墓の写真で組み合わせを見比べ、長年の間に色が剥がれたときの直し方までお話しします。1級お墓ディレクターで、石材業界に約25年携わってきた元石屋の私は、染めない派です。

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この記事の結論

墓石の文字の色は、染めない・白・黒・金のどれでも構いません。決まりはありません。

黒御影石は、彫っただけでも文字が白っぽく見えて読めます。白御影石は、彫っただけでは読みにくいので、色を入れる選択もあります。

色は、20〜30年で剥がれることがあります。補修は素人でもできますが、石の面が荒れていると失敗しやすいので、迷ったら石材店に相談してください。

石材店の墓石展示場で、黒御影石に白文字、白御影石に黒文字の和型墓石を見比べて迷う60代の夫婦のイラスト
目次

墓石の文字の色は4種類:染めない・白・黒・金

染めない:彫っただけの自然な状態

いまの墓石は、ほとんどが、石の表面をピカピカに磨いた「本磨き」で納めます。

文字を刻む部分は、鉄の砂(鉄砂)をエアーコンプレッサーで叩きつけて、彫り込みます。

彫った部分は、磨いた部分と比べて白っぽくなり、手触りもザラザラします。

比べると、黒い石のほうが、彫った部分の白さがよく出ます。グレー系の石は、比較的目立ちにくくなります。

こんな方に向いています。

  • シンプルでスッキリしたお墓が好きな方
  • お墓は控えめでいいと考えている方
  • 自然な風合いを好む方
  • メンテナンスが面倒な方

白色の文字:黒御影石に映える

こんな方に向いています。

  • 何も色を入れないと、目立たなさすぎると感じる方
  • 石と白色のコントラストを楽しみたい方
  • 白色が好きな方

黒御影石の石塔に白文字だと、色のコントラストがはっきり出て、とても目立ちます。

黒色の文字:白御影石の文字をはっきりさせる

こんな方に向いています。

  • 白系の御影石の文字を、はっきりさせたい方
  • 遠目でも、家の名前が見えるようにしたい方
白御影石(稲田石)の墓石に、黒い文字で「先祖代々之墓」と入れた例(家名はぼかしています)

白御影石の中でも、最も白い部類の、茨城県産の稲田石と、黒文字の組み合わせです。これも、色がはっきり出ます。

金色の文字:華やかでよく目立つ

石屋さん仲間から聞いた話では、九州地方では、墓石に金色で文字を入れることが多いそうです。

黒御影石に、金色で文字を入れた墓石の例

黒御影石に金文字の組み合わせです。金色だと豪華な感じがして、とても目立ちます。

決まりはないので、ここに挙げた色以外でも、まったく問題ありません。青や赤、グレーも、見かけたことがあります。石の種類の数だけ、組み合わせは無限です。

色を入れるか染めないか:石の色で考える

黒御影石は、彫った部分が白っぽく見えて、陰影がつくので、染めなくても文字は読めます。

白御影石は、彫っただけでは陰影がつきにくく、文字が目立ちません。そこで、あえて色を入れる選択もあります。色で文字を目立たせると、お墓に特徴が出ます。

黒御影石は彫っただけで文字が読め、白御影石は色を入れると文字がはっきりすることを比べた図
黒御影石は、そのままでも読める。白御影石は、色を入れると文字がはっきりする

和型でも洋型でも、同じです。

私は、染めない派です。石は自然の賜り物なので、その素材感を活かしたい。目立たない感じが上品で、あとあとメンテナンスが要らないのも、いいところです。

ただ、これは好みです。私の意見は、無視してもらっても、まったく問題ありません。墓石の文字の色は、好きに選んでください。

石の色と目的で選ぶと、こうなります。

スクロールできます
こんな場合向いている選択
黒御影石を、自然に見せたい染めない
黒御影石の文字を、目立たせたい白
白御影石の文字を、はっきり見せたい黒
豪華に、華やかに見せたい金
将来の塗り直しを避けたい染めない

色が剥がれたら:10年では落ちないが、20〜30年で剥がれることもある

文字の色は、彫るときに塗料を吹き付けたもので、長い年月の間には、剥がれてきます。10年程度では、なかなか落ちませんが、20〜30年たつと、剥がれてくるものも見受けられます。

お墓掃除を熱心にされていた、あるお客様は、歯ブラシで文字の彫り込みを何度もこするうちに、数年で剥げてきてしまいました。大切にされているのはいいのですが、こすりすぎには注意してください。

プロの道具と技術は、素人とは別物

プロの石屋さんが使う道具や技術は優れていて、安心して頼めます。色入れ補修の様子は、動画でも紹介しています。

素人でも補修できる:ペンキ(ビニローゼ)の手順

質は落ちますが、素人でも、できないことはありません。ビニローゼという塗料を、うすめ液で溶かして、筆で塗ると、きれいに染められます。

ビニローゼは、鉄・木・コンクリートなどに使う、合成樹脂の万能塗料です。色は、文字の色に合わせて、白や黒を選びます。メーカーの用途に、墓石の文字の補修とは書かれていませんが、文字を彫る専門の職人(字彫り屋さん)にも、使っている人が結構いました。茨城は、字彫り屋さんが多い土地柄です。

私の経験では、動画のプロ御用達のスプレーで仕上げたものと比べると、仕上がりや持ちは落ちます。

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  1. 塗る面をきれいに掃除する
  2. ビニローゼをうすめ液で溶かし、筆で文字を塗る
  3. 10分〜30分ほど乾かす
  4. 文字からはみ出た部分を、カッターの刃かスクレーパーで削る

乾くまでの時間は、気温で変わります(メーカーの表面乾燥の目安は、20℃で約25分、冬期で約45分)。完全に固まる前に、余分な部分を削ります。

筆で塗るときは、多少大胆にはみ出して染めても、問題ありません。薄くビローンと固まるので、石の面になるべく平行にカッターの刃かスクレーパーを当てると、削り取れます。

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石目に入り込んで、どうしても取れない部分は、うすめ液をタオルにしみ込ませて拭くと、きれいになります。

この方法は、鏡面に磨いている墓石だけに使えます。石の面が荒れていると、ビニローゼがすきまに入り込んで、余計な部分まで染まってしまいます。

墓石用の名入れ補修ペンもある

墓石の文字の補修用として売られているペンもあります。手軽に直したいときは、こちらが使いやすいでしょう。広い範囲は、ビニローゼを筆で塗る方法もあります。

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石材店に頼むか、自分でやるか

剥がれた文字の補修を、石材店に頼むと、無料というわけにはいかないと思います。現地まで行って作業する以上、手間賃はかかります。費用は、石材店や状況で変わるので、頼む前に聞いてみてください。

だったら、材料代はかかりますが、自分でやってみるのも、1つの手です。

ただ、墓石が鏡面に磨かれていなかったり、古かったりする場合は、余計な部分を染めて、消えなくなる可能性があります。そのときは、親しい石材店に相談してください。

墓石の文字の色でよくある質問

墓石の文字は、染めないといけませんか?

決まりはありません。染めない選択もあります。黒御影石は、彫っただけでも文字が読めますが、白御影石は、彫っただけでは読みにくいので、色を入れる選択もあります。

文字の色は、何年くらいで剥がれますか?

10年程度では、なかなか落ちません。20〜30年たつと、剥がれてくるものも見受けられます。お墓掃除で、歯ブラシで強くこすると、数年で剥げた例もあります。

剥がれた色は、自分で直せますか?

質は落ちますが、素人でもできます。ただ、鏡面に磨いた墓石だけに使える方法です。石の面が荒れている墓石や、古い墓石は、余計な部分が染まるおそれがあるので、石材店に相談してください。

どの色がいちばんいいですか?

好みで、決まりはありません。石の色との組み合わせで、見え方が変わるので、実際のお墓の写真や、石材店の見本で、見比べて決めるのがおすすめです。

元石屋のひとこと:色は好みで、決まりはありません

りょういち

色には、決まりがありません。私は染めない派ですが、白御影石なら、色を入れるのも、いいと思います。

この記事のまとめ

  • 墓石の文字の色は、染めない・白・黒・金のどれでもいい。決まりはない
  • 黒御影石は彫っただけでも読める。白御影石は、色を入れる選択もある
  • 色は20〜30年で剥がれることがある。こすりすぎに注意
  • 補修は素人でもできるが、鏡面の墓石だけ。石の面が荒れていたら、石材店に相談

この記事の根拠:25年の現場経験と、プロの石屋さんの補修

  • 1級お墓ディレクターとして、石材業界で約25年お墓に携わってきた経験(文字の色入れと、補修の現場)
  • 色入れ補修の様子:プロの石屋さんの補修を紹介した動画(おはかのなかのch)
  • 補修用品のメーカー公式:サンデーペイント「ビニローゼ」(合成樹脂万能塗料。専用のうすめ液。用途は、鉄・木・コンクリートなど)と、サンデーペイント「名入れ補修ペン」(お墓や表札の文字部分の補修用。うすめ液は不要)
  • 調べた範囲では、墓石の文字の色についての決まりや、公的な資料は見つかりませんでした。この記事は、現場で見てきたことをもとにしています
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この記事を書いた人

石屋の“中の人”だったからこそ話せる、お墓の本当のこと。国産墓石の加工メーカーで経験を積み、輸入石材商社での仕事にも携わって約25年の元石屋です。1級お墓ディレクター・1級土木施工管理技士。紹介料を受け取らない、しがらみのない立場で、石の性質と施工の両方から、根拠まで示してやさしくお伝えしています。YouTube「おはかのなかのch」でも発信中。

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