見た目にも見苦しく、
素人目にも施工ミスであることが直にわかる、
【ジャンカ】
だけど、案外にできてしまうんですよね。
中でも擁壁はかなり【ジャンカ】が、
現れるやすい構造になっています。
そんな憎き【ジャンカ】が起きる原因と、
対処法について説明していきます。
それでは、
【ジャンカ】はこうすれば防げる!!原因と生コンの打設方法について。
をお送りします。
目次
擁壁はジャンカが起こりやすい構造!?
私は、土木監督として数々の、
コンクリート構造物を作ってきました。
ここだけの話、失敗もしています。しかも擁壁で・・・
言い訳ではありませんが、
どうしても新人監督のうちはミスをしやすいのです。
ミスをしようと思ってミスをしているわけではありません。
本人はいたって真面目に仕事をしています。
でも悲しいかな(涙)
経験の少なさからでてしまうミスってあるんですよね。
大目に見てあげてとも言えませんよね。
施主さんにとっては一生に一度の、
大切なものなのかもしれません。
でも、技術者って簡単には育たないんですね。
失敗をして育つものです。
なるべくミスはないことにこしたものではないので、
後輩には注意すべき点を教えたりしていますが、
それでもやっぱり実際に経験しなければ、
わからないことってあります。
そういった経緯もありこの記事を読んだ方は、
どうか同じ失敗をしないように、
そして施主様にも注意喚起を促す意味で、
恥を忍んで書かせてもらいます。
擁壁の構造はわかりやすく例えるとパチンコと同じです。
パチンコの例えは、私の中の擁壁工事のイメージです。
私は、ギャンブルが嫌いなので、
パチンコなどやらないのですが、
昔少しだけかじったことがあります。
たま~に、パチンコの玉が、
釘の間に挟まったりするんですね。
まさに、擁壁工事のジャンカはそのイメージなんです。
擁壁の構造を思い浮かべてください。
立ち上がり部分は、
例えば幅150cm程度の細くて高い構造ですよね。
木で枠を作りその中に、
コンクリートポンプ車等で生コンを上から流し込みます。
生コンは大きくわけて、セメントと砂と砕石、
から成り立っています。
砕石をパチンコの玉と見立ててください。
ポンプ車から生コンを投入するといっても
垂直に生コンが落ちていくわけではありません。
角度が付いて落ちていくので、
右に左に反射しながら入っていきます。
擁壁の内部にはもちろん強度を高めるために、
鉄筋が入っています。
パチンコ玉のように右に左に反射される砕石が、
枠と鉄筋の間に挟まることがあるのです。
挟まった場所には、更に砕石が詰まり、
砂も詰まり、そこから下にセメントが流れなくなります。
これがジャンカになります。
当たり前ですが、
ジャンカの部分はきちんとセメントが入っていませんので、
強度不足になります。
上からモルタルを塗って補修したりしますが、
きちんと打設したものより強度が落ちますし、
見た目も悪くなります。
完成の文字が一際大きい、
ストックヤード完成の写真。
ジャンカも無く完璧でした。
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擁壁のジャンカの対処法!!
このパチンコ現象(勝手に私が呼んでいます)が、
起こらないようにするのには、
ある程度高い擁壁の場合にはモルタル(セメントと砂)
だけの先行材を投入することです。
パチンコ玉を飛ばす前に、液体だけを流すんですね。
これでジャンカのリスクは多いに減ります。
「それだと、下の方はモルタルだけで強度が足りなくなるだろ!!」
とおしかりの声を受けそうですが、問題ありません。
擁壁は、しつこいぐらい振動をかけるのが鉄則です。
ジャンカが起きやすいので、
入念に振動棒によるバイブレーションを、
しなければならないんですね。
大抵、高周波バイブという強力な、
振動機を内部に挿入すると共に、
壁バイブという枠の外から掛ける振動機を併用します。
そこまでの規模でなければ、
外からハンマーで叩くだけのこともあります。
しつこく振動すると、
どうしても砕石だけ先に沈みやすいのです。
だから、バランスがとれて問題ないのです。
逆にあんまりしつこく振動させ過ぎると、
砕石が沈下し過ぎて上の方が、
強度不足になりがちかな💦と心配するぐらいです。
この辺の感覚って、正直よくわかりません。
擁壁は兎に角難しいんです。
ジャンカが怖いんで、
振動は掛け過ぎるぐらい掛けてしまいます。
技術者のジレンマかもしれませんね。
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まとめ
これから擁壁工事を依頼する方に、
アドバイスができるとしたら・・・
できるだけ経験の豊富な技術者に、
依頼した方がよろしいということぐらいです。
ジャンカが出来ると施主さんも作った側もショックです。
どうかこの世からジャンカが無くなりますように。
私のトラウマも無くなりますように。
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