現場打ちコンクリートの階段は、一段ずつ型枠を組んで仕上げていくので、コンクリート工事の中でも特に手間のかかる仕事です。
「現場打ち」という言葉を見かけて、どんな工事なのか気になった方も多いと思います。自宅の外構で階段をつくる予定がある方なら、どこに手間と費用がかかるのかも知りたいところですよね。
この記事では、現場打ちコンクリートとは何かを簡単に説明したうえで、宅地の外構で階段をつくった実例を、施工の順番に写真で紹介します。
こんにちは、りょういちです。石材業界にいたころ、擁壁や駐車場の土間コンクリートも含めた外構の一式工事を担当してきました。1級土木施工管理技士として、実際の現場でやってきたことをそのままお伝えします。

現場打ちコンクリートとは、工事の現場で型枠を組み、生コンを流し込んでつくるコンクリートのことです。階段は「墨出し → 砕石の締め固め → 差し筋アンカー → 稲妻筋の配筋 → 生コン打設 → 仕上げ」の順につくります。中でも配筋と型枠の施工に、いちばん手間がかかります。
現場打ちコンクリートとは:現場で型枠を組み、生コンを流し込んでつくる
現場打ちコンクリートとは、工事の現場で型枠を組み、その中に生コンを流し込んで固めてつくるコンクリートのことです。
これに対して、工場でつくったコンクリートの部材を現場に運んで据えるものは、プレキャストコンクリートと呼ばれます。
現場打ちは、その場所の形に合わせてつくれるのが強みです。そのぶん、型枠づくりや配筋を現場で一つずつ行うので、手間がかかります。
現場打ちとプレキャストの比較
| 比べる項目 | 現場打ち | プレキャスト |
| 費用 | ○ 安くなりやすい | △ 高くなりやすい |
| 工期 | △ 長くなりやすい | ○ 短い |
| 階段づくり | ◎ 現場打ちでつくる | △ 条件による |
記号は、◎がとても良い、○が良い、△が条件による、を表しています。
私の現場での経験では、費用はプレキャストのほうが高くなり、工期はプレキャストのほうが短くなります。そして、階段は現場打ちでつくります。
ボックスカルバートやU形側溝(U字溝)など、道路や水路の工事で見かけるコンクリート二次製品が、プレキャストの代表例です(JIS A 5372 プレキャスト鉄筋コンクリート製品)。
今回の現場:駐車場と住宅の高低差を、現場打ちの階段でつなぐ
今回は宅地の造成工事で、駐車場と住宅に高低差があったため、階段を施工しました。
ちなみに、擁壁や駐車場の土間コン、エクステリア、外灯などを含めて、一式で工事を行っています。

階段の手すりを設置する部分(ササラ)は、すでにコンクリートを打設してあります。

ササラに丸いボイド管が刺さっていますが、これは、のちにステンレス製の手すりの柱を差し込むためのものです。
現場打ち階段の施工手順:墨出しから仕上げまで6つの工程
階段ができるまでの流れ
- 墨出し(階段の位置を記す)
- 砕石を入れて締め固める
- 差し筋アンカーを打ち込む
- 稲妻筋で配筋する
- 生コンを打設する
- 脱枠して、ノンスリップタイルで仕上げる
墨出しと砕石:階段の位置を記し、内部を締め固める
まずは、ササラと相手側の壁に、赤鉛筆で階段の位置を墨出しします。
その後、階段の内部に砕石を、入念に締め固めながら入れていきます。
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差し筋アンカーと稲妻筋:いちばん手間がかかる配筋
さらに、横のササラ部にドリルで穴を開け、差し筋アンカーを打ち込みます。その差し筋アンカーを元に配筋していきます。

ギザギザに加工された鉄筋は、稲妻筋と呼びます。
稲妻筋は、一本の鉄筋を加工しなければ意味がないので、加工も施工も一苦労なんです。
強度のある階段をつくるためにも、丁寧な施工を心がけます。
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生コン打設:まず斜めに打ち、蹴込みの型枠をつけて一段ずつ
いよいよ配筋を終えて、生コンの打設に入っていきます。
まず、型枠の土台としての意味合いも込めて、一度斜めに生コンを打設していきます。

次に、蹴込部の型枠を施工して、再度生コンを打設します。バタ角を一本、階段の芯に通して、生コン打設のときに動かないように固定しています。

一段、一段仕上げていかなければならないので、けっこう手間がかかります。
仕上げ:脱枠して、鼻先にノンスリップタイル
そして脱枠後、ノンスリップのタイルを階段の鼻先に施工して、モルタルの薄塗りをして終了です。

肝心の、仕上がりの全体が分かる完成写真がなくてすみません。周囲も含めて、無事完成しました。
階段の下は砕石で埋めた:物置にもできるが、湿気と虫で断念
今回は、階段の下を全部砕石で埋めてしまいました。状況によっては、スペースを設けて物置にしてもいいんですよね。
りょういちただ、暗くてジメジメしそうで、ゲジゲジなどの虫が好みそうということで、断念しました。
段数は13段を避ける:蹴上げと踏みしろで調整できる
あと、私見ですが、縁起が悪いので、段数だけは13段にならないように気を使っています。
段数は、蹴上げの高さと踏みしろの幅で調節できます。
何となくですが、13階段は避けたいですよね。
現場打ちコンクリートの階段でよくある質問
- 現場打ちコンクリートとは何ですか?
-
工事の現場で型枠を組み、その中に生コンを流し込んで固めてつくるコンクリートのことです。工場でつくった部材を運んで据えるものは、プレキャストコンクリートと呼ばれます。
- 階段の施工で、いちばん手間がかかるのはどこですか?
-
配筋と型枠の施工です。稲妻筋は一本の鉄筋を加工する必要があり、型枠も一段ずつ仕上げていくので手間がかかります。
- 階段の下のスペースは空けられますか?
-
状況によっては、スペースを設けて物置にすることもできます。今回は、暗くて湿気がこもり、虫が好みそうだったので、砕石で埋めました。
- 階段の段数は調整できますか?
-
蹴上げの高さと踏みしろの幅で調節できます。私は縁起を考えて、13段にならないように気を使っています。
- 現場打ちとプレキャスト、費用と工期はどう違いますか?
-
費用はプレキャストのほうが高くなり、工期はプレキャストのほうが短くなります。階段は現場打ちでつくります。
元石屋のひとこと:見えない配筋と型枠に、階段の丈夫さが詰まっている



階段の施工は、細かくて手間がかかります。特に配筋や型枠の施工が大変です。
この記事のまとめ
- 現場打ちコンクリートとは、現場で型枠を組み、生コンを流し込んでつくる方法
- 階段は、墨出し → 砕石 → 差し筋アンカー → 稲妻筋 → 生コン打設 → 仕上げの順
- いちばん手間がかかるのは、配筋と型枠
- 段数は、蹴上げと踏みしろで調整できる
この記事の根拠:25年の現場経験
- 石材業界にいたころに担当した、宅地造成の外構一式工事(擁壁・駐車場の土間コンクリート・エクステリア・外灯を含む)での、現場打ち階段の施工例
- 1級土木施工管理技士としての施工の知識
- プレキャストの代表例:JIS A 5372:2016 プレキャスト鉄筋コンクリート製品(日本産業規格)の推奨仕様










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