仏壇が下に置いてあって、神棚が上にある理由って皆さんご存知ですか?日本人にとって当たり前過ぎて、あまり疑問にも思わないかもしれませんが、外国の方の目から見ると不思議に見えるようです。
こちらの番組では、いつもお馴染みのいのちの積み木MC(マスターコーチ)である井上広法先生が仏壇側の説明をしてくださいました。そこには明確な理由があるんですね。
- 仏壇⇒仏様を拝む
- 神棚⇒神様を拝む
という根本的な違いがありますが、その理由に迫ってみます。また他にも仏壇と神棚とでは、置く方角、お参りの仕方、お供え物といった沢山の差がありますのでそちらについても紹介させていただきます。
目次
Qなぜ仏壇は下の方に置いてあって神棚は上の方にあるんですか?
仏壇が下の方に置いてある理由
仏壇が下に置いてある理由について、栃木県宇都宮市にある浄土宗光琳寺副住職である井上広法先生に聞いてみました。
仏様を拝む場合は、基本的に座って拝みます。なので、仏壇は低い位置にあります。そもそも仏壇というのはお寺のミニチュア版です。葬式でも法事でもそうですが、お寺のお坊さんは必ず座って拝みますよね。
仏教で最も丁寧な礼拝方法の一つに五体投地というものがあります。頭両肘両膝を地面につける拝み方で、このように仏教では座って拝むことが礼儀とされているのです。
神棚が上の方にある理由
神棚が上の方にある理由について、神事に詳しい、埼玉県ふじみの市にある朝日天神神社の宮司である富田信太郎さん聞いてみました。
神様は我々人間よりも位が高い存在です。なので、人間の頭よりも神様を上にお祀りするのが礼儀になります。立って拝む時に人間の頭よりも上となると、おのずと神棚は天井近くの高い位置になります。
他にも仏壇と神棚とでは、置く方角、お参りの仕方、お供え物といった沢山の差があります。
Q仏壇と神棚を設置する方角は?
仏壇を置く方角
仏壇は西側に設置して正面を東側に向けるのが良いとされています。その理由は、仏教の世界では太陽が沈む西側にあの世である極楽浄土があると考えられているから。なので、宗派にもよりますが、極楽浄土がある西側に仏壇を置くのが良いとされています。
ただし禅宗は一般に北側に置き、真言宗では本山の方向に向けて置くのが良いとされているなど、宗派によって考え方が異なりますので、菩提寺に確認してみてください。
神棚を置く方角
それでは、神棚を置く方角になりますが、北側に設置し、正面を南に向けるか、西側に設置し正面を東に向ける置き方もあります。北側と西側2通りの置き方があるのが特徴です。
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- 神棚を北側に設置する理由:日中差し込む太陽の光が1番うけられる。
- 神棚を東側に設置する理由:東からら昇った太陽は、少し南側に傾いて西に沈むので、北側は日中良く日が差し込む。
なので、神棚は北側に設置し、正面を南に向けるのが良く、西側に神棚を設置する置き方は、東から昇る太陽の光を西側は1番最初に受けることができるからいいとされているのです。
ちなみに中野家では、東向きに神棚を設置しています。
ちなみに上の階がある建物で、下の階に神棚を設置する場合、神棚の上を人間が歩くことになるので、失礼にならないように神棚の上の天井にある漢字一文字を書いたものを張らないとなりません。
その場合には、雲・天・空といった漢字を書きます。天井は雲がある空で、神様の上には何もないとみなされるのです。雲が一般的ですが、同じ理由から空や天でもかまいません。
Qどうやってお祀りするの?
仏壇はお寺のミニチュアなので、阿弥陀如来や大日如来などのご本尊をお祀りしている場所になります。仏壇の真ん中に亡くなられた方のお位牌を置く方がいるがいますが間違いです。
神棚は、どんな神様をお祀りしているかと申しますと、伊勢神宮でいただいた天照大御神のお札をお祀りするために置くものになります。神棚の上に置かれている社を宮型と言いますが、一般的に多くみられる宮型は三社造りと呼ばれるもので、この真ん中に天照大神のお札を入れてお祀りします。向かって右側には自分が住んでいる地域を治めている氏神様のお札を入れてお祀りして、左側には、自分のお願いごとをしたい神社のお札を納めます。
左側には、お札を何枚納めても構いません。神棚を家に置く楽しみと申しますか、楽しみと言ってしまうと語弊があるかもしれませんが、神様はそれぞれに様々なご利益があるとされています。自分の合格祈願や安産祈願など、自分に合った神社のお札を入れるのもいいものです。そしてお祀りしたお札は、毎年初詣の時に神社にお納めしましょう。
Q何をお供えするの?
それでは、仏壇や神棚には何をお供えするのでしょうか?
仏壇のお供え物は、ご飯・水・選考・ろうそく・花が基本とされています。
炊いたご飯とお水は仏様が召し上がります。お線香ですが、実は仏様は香りも召し上がるのでお供えします。最後の2つはろうそくとお花です。これは、仏壇の空間を厳かにするためにお供えします。
一方神棚のお供え物は、4種類が基本とされています。まず、生の米・塩・水は人間が生きる上で最低限必要なものです。その自然の恵みを感謝を込めて神様にお返しするという意味がお供え物に込められているのです。
仏壇とは異なり、お米は炊かずに生のお米をお供えします。神様にお供えするものは人間の手が加えられていない自然のままのものが良いとされているので、生のお米をお供えするのです。そしてもう1つ、神棚にはお酒をお供えします。昔から人々は豊作豊漁を願い、神様にお酒を捧げてきました。つまりお酒は神様を喜ばせる神事には欠かせない神聖な飲み物と考えられているので、お酒はお供えしても大丈夫なのです。神棚のお供えものは毎日新しくするのが良いとされています。
まとめ
仏壇は下に置いて、神棚は上に置く理由について紹介させていただきました。仏壇は仏様を祀る場所であり座って拝むことが礼儀とされ、神棚は人間よりも位の高い神様にお祈りをするので、高い場所にあるというお話でした。
また他にも仏壇と神棚とでは、置く方角、お参りの仕方、お供え物にも違いがあります。それぞれの宗派の習わしと意味を理解して、お祈りをいたしましょう。
ちなみに私は、毎朝、神棚にお祈りをして、今の瞬間瞬間を生かせていただいていることのありがたさを感謝することにしています。なんでも感謝はとても心と体に良いそうで、ポジティブ心理学だったり科学的にも証明されています。
1級お墓ディレクターの「なかの」はこんな人ですよ。
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