皆さん『墓マイラー』という言葉をご存知でしょうか?
『墓マイラー』とは、歴史上の人物や著名人の墓を巡って、故人の足跡に思いを馳せる人で、作家や芸術家、歌舞伎役者、映画俳優、軍人などの著名人が眠る墓にお参りする人たちを言います。
そんな『墓マイラー』という言葉の生みの親であり元祖墓マイラーである 文芸研究家のカジポン・マルコ・残月さんが主催された「文芸ジャンキー・パラダイス20周年記念企画&世界墓マイラー同盟第1回企画【あの人に会いたい~雑司ヶ谷霊園・魂の墓参行脚】」に参加してきました。
ツアーの流れは、偉人のお墓を周り、カジポンさんやスタッフの方々が、調べ上げた偉人の情報や想いを感情を込めて伝える方法。その後に参加者各々も手を合わせてお墓に想いを伝えます。
偉人への想像力を膨らませる→目の前にお墓がある→想いを届ける
これを偉人のお墓毎に繰り返していきます。偉人ってほぼ波乱万丈な人生を送っているのですが、カジポンさんの話を聞いているうちに胸が熱くなります。
そしてその熱くなったハートの矛先を向けるお墓がそこにある。これって凄い仕組みだと思いました。ちょっと癖になります。
そしてカジポンさんは、感謝をすることに意味があるとおっしゃります。現代の日本の礎となり支えてきた偉人の方々に想いを馳せ、感謝をすることがお墓マイラーなのだと。
そして、ソウルトークを教えていただきましたよ!!ソウルトークとは、故人の魂に話しかける技です。凄い。
ということで雑司ヶ谷霊園でのカジポンさん主催の偉人のお墓参りツアーについて紹介していきます。
目次
カジポン・マルコ・残月さんについて
カジポンさんって何をしている人なの?
カジポンさんは、1967年11月24日、大阪生れ。文芸研究家として講演や執筆活動を行っています。1999年に開始したホームページ『文芸ジャンキー・パラダイス』は、2019年7月時点で670万件ヒットを超えている大人気サイトで、全世界600名の墓巡礼レポートをはじめ、映画、文学、音楽、マンガ、絵画等あらゆる芸術ジャンルに関する情報を日々発信されています。
カジポンとは本名の梶本からきていて、マルコは「母を訪ねて三千里」ではなく「墓を訪ねて三千里」ということで、登場人物のマルコから名付けたそうです。そして最後の残月は、自分は芸術という太陽があってこそ、存在できる月のような存在である。だけど夜に光る月に自分を例えるのもおこがましいので昼間に薄く見える残月から名前を取ったそうです。
カジポンさんが書かれた文芸ジャンキー・パラダイスの紹介文。
文芸ジャンキー・パラダイス(文ジャン)へようこそッ!!
このサイトは映画、文学、音楽、マンガ、絵画等あらゆる芸術ジャンルと偉人たちの『お墓』情報を、不肖・ド根性文芸研究家カジポン・マルコ・残月(51)が、鬼神の如く全世界へ紹介する、愛と狂気と執念の電脳空間!旅&墓関連の掲載画像は怒涛の8000枚、総コーナー数は100ヶ以上、容量25ギガ!
うっかり足を踏み入れたのも何かの縁、この文芸天国にトコトンつきあってもらいましょう。そう、毒を喰らわば皿まで!ビバ、アート・サンダー!!
この世は芸術であふれ返っている!人間に他者への共感力があるからだ。芸術は人類が分かりあえる証拠!人間は国籍や文化が違っても、相違点より共通点の方がはるかに多い。常にこれを忘れちゃいけない!他人と自分の中に“違うところ”を見るのが「戦争」、“同じところ”を見るのが「芸術」!
芸術は難しくない!敷居を少しでも低くして全人類が親しめるものにする事が、このHPの主旨ッス!
カジポン・マルコ・斬月
参照元:文芸ジャンキー・パラダイス
文章を読んでいるだけで凄まじいほどのエネルギー! 本人に会うとまさにこのイメージのままの方で、アート・サンダーに打たれたような衝撃を受けます。
カジポンさんはジョジョ立ちの生みの親でもある
そして、なんと『ジョジョ立ち』の生みの親でもあるんですね。ジョジョ立ちとは人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』でキャラクターが立つ独特のポーズを真似たもので、メディアやSNSで話題になっていたので知っていましたが、カジポンさんが大元だとは知りませんでした。
「ジョジョ立ち」は、“力強さ”と“エレガントさ”という、正反対の要素の融合が生み出した『美』に、“人間賛歌”というメッセージを練り込んだ究極のポジティブ・アートだ。
カジポン・マルコ・斬月
参照元:http://kajipon.sakura.ne.jp/jojo-menu.html
カジポンさんの熱量が様々な現象を生み出しています。なんか色々と凄い方なのがわかっていただけましたでしょうか?
雑司ヶ谷霊園の偉人のお墓のラインナップ
文芸ジャンキー・パラダイス20周年記念企画&世界墓マイラー同盟第1回企画【あの人に会いたい~雑司ヶ谷霊園・魂の墓参行脚】では、約30名の方々が参加され3時間ほど掛けて16人の偉人のお墓を巡りました。
訪れた偉人のお墓の数々はこちらです。有名どころが沢山!
墓参りした偉人のお墓
- 小栗忠順 幕臣・外国・軍艦・勘定の各奉行を歴任、反骨の人
- 大塚楠緒子 歌人・夏目漱石が恋した人
- 永井荷風 作家・江戸文化を熱愛
- 岩瀬忠震 幕臣・日米修交通商条約の調印にあたった開明派
- 小泉八雲 英文学者・英国人・本名ラフカディオ・ハーン
- 2代目大川橋蔵 俳優・「銭形平次」
- 泉鏡花 作家・幻想文学「高野聖」「歌行灯」
- いずみたく 作曲家・元参議院議員・「見上げてごらん夜の星を」「手のひらを太陽に」
- 荻野吟子 近代日本における最初の女性の医師
- サトウハチロー 詩人、作詞家・「小さい秋みつけた」「嬉しいひな祭り」「リンゴの唄」
- 竹久夢二 作家・独特の可憐な美人画
- 中浜(ジョン)万次郎 幕臣・江戸時代に漂流してアメリカへ。
- 夏目漱石 作家・明治の大文豪「こころ」「坊ちゃん」
- 小川笙船 江戸時代の町医者・”赤ひげ先生”のモデル
- 千葉重太郎 江戸時代末期の剣客
- 金田一京介 言語学者・アイヌ語研究
※一緒に参加された探墓巡礼顕彰会の金子さんのブログから参照
3時間かけて偉人のお墓を1つ1つ巡りました。知っている方も知らなかった方もいるのですが、個人的にジョン万次郎の激動の人生に心揺さぶられました。
実は、あまり知らなくて名前を聞いたことがあるぐらいだったのですが、漁師だったジョン万次郎は14歳の時に漁に出た際に遭難し無人島に漂着、アメリカの捕鯨船に助けられ日本人として初めてアメリカ本土に足を踏み入れることになります。
元々は貧しい漁師だったのが、運命のいたずらでアメリカに行くことなり、そこで様々なことを学んで日本に帰国後は侍に出世して、明治維新に深くかかわっていくことになります。
カジポンさんの説明から伝わってくるジョン万次郎は、フロンティア精神に溢れたイメージで新しいもの好きで、アメリカに行った際にはどんなことを感じていたのだろうとか考えると親近感を覚え、目の前にあるお墓に思わず語りかけていました。
私も立派なお墓マイラーの仲間入りですね。
ソウルトークを伝授していただきました!
ソウルトークとは、カジポンさんが墓マイラー生活の中で編み出した故人の魂に話しかける技です。直接頭を付けるのは恐れ多いので、拳ひとつ分だけ空けて感謝の気持ちを伝えます。
この辺りの控えめな感覚って、カジポン・マルコ・残月の残月の意味と被るところがあります。それだけ偉人の方々を尊敬している表れなんでしょうね。
とにかくソウルトークをカジポンさんに直接教えていただきたかったのです。今までもお墓参りをすると思わずお石塔に手を当てて故人を感じたりしていました。思わず出てしまう行動だったのですが、ソウルトークを知ることでさらに深みを増しそうです。
まとめ
ということで、カジポン・マルコ・斬月さんと雑司ヶ谷霊園の偉人のお墓を巡るツアーを楽しんで来ました。約30名の参加者の皆様も思い思いにお墓マイラーを楽しんでいたようでした。私も吉澤石材店の吉澤さんや月刊石材の中江さんとお墓談義をしながら楽しませていただきました。
お墓に関するイベントですが、参加されたのは私も含めて3人だけでした。他は一般の方々です。そして、参加された皆様の様子を見ていて思ったのは、お墓のスペック的な部分には関心が薄いんだということ。
気持ちを伝える場所としての機能が大切であって、庵治石であれ本小松石であれ大した意味を持たない。そこは石屋さんが説明するべきところであるのかもしれないけど、だけど、お墓マイラーツアーを通して感じたのは、心の部分を伝えること。仏教的に言うと『供養』になりますが、供養を表す場所、表現する場所としてのお墓の機能が本当の意味で大切なのだと感じました。
お墓マイラーツアーですが、例えば夏目漱石のお墓が樹木葬だったらたぶん成り立ちません。木は育って、やがて枯れます。散骨だったらもっと成り立ちません。だってどこに向かって拝んでいいのかわからないから。太平洋に向かって拝んだらぼんやりしてしまいます。
目の前にお墓があるから夏目漱石を身近に感じて感謝の気持ちを伝えることができるのです。そこに永眠しているとハッキリと認識することができるのです。なんてことをあらためてハッキリと認識させていただいた墓マイラーツアーでした。
1級お墓ディレクターの「なかの」はこんな人ですよ。
自己紹介・プロフィール
こんな会社に勤めていますよ。
羽黒石材工業株式会社
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