インターネットで商売をしていると、お客様の要望で多いのは『直ぐに見積もりを下さい』というものです。メールで図面が送られてきて『いくらでできますか?』
お気持ちはわかります。でもちょっと待ってください。
そんな場合は、『あくまで概算の見積もりですよ』ということをお伝えしています。正確な見積もりは現場を確認しないとできません。
きちんと整備されている墓地・霊園で施工もしやすいところなら誤差も少ないんですけど、確認しないことには責任がもてないんですね。
これは、意地悪で言っているわけではなくて、後で金額が変わってしまったら、お客様に迷惑ですし、石材店にとっても保険の意味もあります。
前もってリスクは伝えておかないと、お客様の誤解を生む場合もあります。
また、施工の内容も各石材店によって異なります。見積書に【基礎工事一式】と書いてあったとしてもその中身が違うのであれば、金額も変わります。
仮にA石材店とB石材店とで同じ金額であったとしても、同じ工事内容ではない場合が多いのです。
ということで、見積書を読み解く上での注意点として、墓地の立地や施工にまつわる事柄を説明していきます。
この記事を読むと
- 施工する墓地の条件での見積もり金額の増えるポイント
- お墓の施工内容で見積もり金額に差が出るポイント
がわかるようになっています。ぜひ、賢いお墓選びに活かしてください。
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目次
施工する墓地の条件ででの見積もり金額が増えるポイント
現場仕事は段取り八分
よく現場仕事は、段取り八分と言います。段取り八分とは、仕事を進める上で、事前の準備がいかに重要かを表した言葉で、段取りをキッチリしておけば、その仕事は8割完了したも同然であるという意味です。
お墓の現場も、墓地の条件によっては、施工の仕方が様変わりします。具体的には、
- 墓石や施工機械を積んだ車両の駐車スペース
- 墓所までの道のり、道幅(石を運搬できるか)
- 軟弱地盤かそうでないか
- 周囲のお墓の確認
- 移動式クレーンの設置スペース
を確認して何を用意するのかを決定しなければなりません、状況によっては、
- 機械が利用できず、人力作業のための作業員の増員
- 公共道路の道路使用許可申請及び交通誘導員の手配
- 地盤改良工事
- 大型のラフタークレーンの手配
- 隣地のお墓の持ち主への土地を借りるための挨拶
などの手間が加わってきます。墓地の管理者との事前の打ち合わせも大切ですね。
ここまで手配しても、当日仕事に入ってみたら、同業者がお墓の工事をしていて取り合いになってしまい、思ったように工事ができなかったなんてこともあります。天候も大きく左右しますね。
ただし、これらに関してはイレギュラーな要因ですので、急に増えたからといって、価格に転嫁することができません。前もって不測の事態の含めて利益がでるように見積もりをしておきます。
具体的には、石材店であれば年間複数の工事をしますので、各工事で割り振ってリスクを分散します。
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お墓の施工内容で見積もり金額に差が出るポイント
各石材店のこだわりで見積もり価格にも差が
私の住んでいる茨城県では、東日本大震災でお墓の倒壊の被害が多くでました。
そのために、石材店も消費者も耐震施工についての関心度が高まったのですが、耐震施工をきちんとやるとその分見積もり金額は高くなります。
先ほどの墓地の条件での見積もり金額が増えるポイントとも被ってきますが、例えば軟弱地盤だったとして地盤改良の工法はいくつかありますので、どの工法を選択するのかも施工業者の知識や経験によって変わってきます。
こういった事柄については、石材店からもらった見積書を眺めていてもわかりにくい部分かもしれません。
また、相見積もりを取ったとして、各石材店で差が出てくるかもしれません。
例えば、A社とB社、基礎工事の見積り金額が同じだったとしても内容が違う場合があります。
- A社:コンクリート基礎厚 10cm ワイヤーメッシュ(溶接金網)生コン18-12-20N 養生なし
- B社:コンクリート基礎厚 30cm 鉄筋D13mm@200mm ダブル配筋 生コン21-12-20N 養生あり
とでは、施工内容がかなり違い、実際にお墓の基礎工事に掛かる原価も変わってきますが、それにも係わらず同じ見積り金額だとしたら、明らかにA社は割高になります。
私は土木のプロなので、細かいコンクリートや鉄筋の仕様にまで目を配ります。
なかなかそこまで拘る石材店も珍しいと思いますが、最低限以下のことを見積りでチェックしていただければと思います。
コンクリート基礎
- 基礎の厚さ
・厚みがある方が強度が出るし、コストが掛かる - ワイヤーメッシュか鉄筋か
・ワイヤーメッシュはひび割れ防止が目的で引張り強度をあげる為のものではない
墓石の組立て
- 目地はモルタルかコーキングか
・コーキングは追随性があり、見た目もキレイ - 耐震施工(金具・免振ゴムなど)
・直下型地震への対策がしてあるか?
本当に最低限ではありますが、このぐらいは確認した方がよろしいかと思います。
石材店側でもお客さんからこういった質問があると、改めて気を引き締めることにもなります。
お墓の見積りに関するYouTube動画もあります。
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まとめ
現場施工に係る部分での見積もりのチェックポイントを解説してきました。
細かく見だすときりがなくて、こだわるポイントも各石材店によって違いますので、私が聴いても面白い違いがあったりします。
私の場合は、1級土木施工管理技士や石材建築アドバイザーという資格を持っていて、建築基準法などの今までの建設工事で培われた安全や強度的に十分だという基準を満たすことに重点を置いています。
基礎工事や耐震施工などは、お墓の表面に見えてくる部分ではないのですが、キチッとやると施工をする側も安心できます。
1級お墓ディレクターなかのはこんな人ですよ。
こんな会社に勤めていますよ。
お墓についてご相談したい方はこちらにどうぞ。
いろいろとご相談したい方、@LINEもやってます。
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