中国産墓石の誤魔化しの実態 G 654の【着色実験】で科学的に検証

中国産墓石 G654 ながれ 模様 キズ

墓石の光沢剤、着色、焼き付けに産地偽装。

墓石は、ものを言わない商品で、素人が見てもわかりにくい。何かしらの誤魔化しを御影石に施されてもわからないので、当たり前に繰り返されているのが実態です。

なかの
こんにちは、1級お墓ディレクターのなかのFacebook Twitter自己紹介)です。

私自身が採掘元であり石材加工業者であり問屋なので、この手の話は飽きるほど聞いています。日本の高級墓石材である香川県の庵治石に似た石をつくるために、黒雲母の部分をバーナーで炙り斑(ふ)を浮かせて、中国庵治石として売ったとか。ピカピカに輝く光沢剤を塗って磨き加工の精度の低さを誤魔化したりとか。

この手の話は、中国産墓石で良く聞きます。墓石に使用する原石は、製品化率を上げないとなかなか儲かりません。また、加工に手間を掛けてしまうと利益が少なくなります。

中国産墓石は安価に提供するのが宿命なので、生産性を重視してしまう部分は多少やむを得ないのかもしれません。消費者には過剰に安いお墓を求める方もいらっしゃって、その弊害が現れている側面もあります。

 

ただ、ちょっと目に余るお墓も数多く見かけているので、警告も兼ねて記事を書かせていただきます。中国産墓石の誤魔化しを日本で解明することは直接加工の現場にいるわけではないので難しいのですが、中国産石種であるG654専用の着色剤をあるところを経由して手に入れることができました。どれだけ色を誤魔化すことができるのか実際に実験しています。

 

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目次

中国産墓石G654専用の着色剤の存在

中国産墓石 G654 着色

ビーっとG654に走った白いキズ。このような目にハッキリ見えるキズは、お墓ができたばかりだと目立つのでクレームの対象になります。

だけど、のちのち出てくるのであれば、見逃されてしまいます。

中国産墓石 G654 着色 誤魔化し 偽装

ドーンとある、G670とG654と書かれたボトル。

これは中国産墓石であるG670とG654専用の着色剤になります。

中国から秘密経路を通じて入手しました。

中国産墓石 G654 着色 誤魔化し 偽装

中身はこんな感じで真っ黒。墨汁のような黒さです。

県の研究施設で調べたらニトロベンゼンなどの有害物質が含まれていて、肌からも有害物質が吸収されるので取扱注意です。

中国では、キズや色むらを誤魔化す為に、こういった着色料をバンバン使用しています。品質に劣るもの、通常製品化できないものを製品化してしまうんです。

 

実際に中国産墓石G654専用の着色剤を塗ってみたよ

薬品だけ見てもしょうがないので、実際にG654のサンプルに着色剤を塗ってみました。

危ない薬品なので、防毒マスクをしてゴム手袋をしましたよ。

中国産墓石 G654 着色 誤魔化し 偽装

G654に着色剤を塗って。

中国産墓石 G654 着色 誤魔化し 偽装

全体にまんべんなく塗ります。

かなり色が濃くなりましたね。時間が経つと少し色が抜けて落ち着いて馴染んできます。

これで色むらや筋、キズも隠すことができます。

 

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ただ、時間が経つと元々の石肌が現れてきて、隠していたものが出てきてしまうんですね。

それが冒頭の中国産墓石G654の石塔。中国産墓石 G654 ながれ 模様 キズ

家紋の左下に白い筋が流れているのがわかりますでしょうか?この墓石は、築1年ほど経ったものですが、元々は着色剤で色を塗り隠れていたものが出てきてしまったのだと思われます。だって、こんなお墓の正面の目立つところにあったらクレーム対象になりますから。

なかの
え~、これはちょっと嫌だわね。

中国は食品も薬品だらけで怪しいけど、お墓もそうなのね。

なかの
はい、でも全ての中国産墓石がそうではなくて、真面目に墓石を加工しているところもあります。

だけど、実際にこのような着色剤は中国で多く流通していることはまぎれもない事実です。

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あんまり驚かせるようで嫌ですが、事実は事実なので、お知らせしております。

 

中国産墓石G654は石目が安定しない難しい石

中国産墓石 G654 著しい劣化

G654を悪く言うつもりはないのですが、でも見れば見るほど、悪い実例で溢れています。上の写真は、石塔にエフロレッセンスが現れて、石肌を内側から破壊している写真。

外柵にエフロが起きていることは多々ありますが、石塔でこんな酷い状況になっているのは、まず見かけません。これも何らかの表面処理をして石に悪さをしたのでしょうか?元々の品質が相当悪かったのでしょうか?

なんでこんな着色剤を中国ではわざわざ塗るのか、それはG654が扱いの難しい石なんですね。G654の石山を見た方から直接聴いたですが、キズやムラのある原石が多く取れるそうです。でも、G654は落ちついた深いグレーの色が人気で、日本にもバンバン墓石としてやってきています。ということで製品化率を上げるために着色剤で細工がしてあるというわけです。

墓石にできる原石は、中には5%という厳しい製品化率の石種もあります。

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私の身近でも茨城県産の羽黒青糠目石や福島県産の十万石青みかげ(小町しぐれ)など、目が細かくて扱いが難しい石種があります。

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その為にかなりの高額石種になっています。切ってみて色ムラが出てがっかりすることが当たり前の石です。でも、専用の着色剤なんてありません。そういうところなんだと思います。

 

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まとめ

中国産墓石であるG654は、着色剤を使用することが多い石種です。実際にこないだ建てたな~というお墓が、半年も経つと色が抜けてきているので、わかりやすい石種です。

色が濃い分目立つのでしょうね。なので、品質の悪い中国産墓石の代名詞みたいになっている部分があります。

 

品質の良いG654もあるという話ですが、そりゃ石山を採掘していれば良い原石もあります。ただ、外材を誰よりも良く知っている【最後の外材屋】生き字引のような南インド洋行の前野会長がG654の山を見てダメだと判断したのを聴いて、よほどダメなんだと感じました。

でも、G654人気があります。濃い色を好む方が多いからですね。そのギャップを埋めるための着色・・・なんでしょうかね(^-^;

1級お墓ディレクターの「なかの」はこんな人ですよ。
自己紹介・プロフィール

こんな会社に勤めていますよ。
羽黒石材工業株式会社

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この記事を書いた人

中野良一のアバター 中野良一 羽黒石材工業㈱営業部長

1級お墓ディレクター・1級土木施工管理技士
見に見えない存在であるご先祖を「見える化」した【いのちの積み木】→http://senzo.inotinotsumiki.com 雪のように白くてキレイな【淡雪五輪塔】のプロデュース。

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