茨城県産稲田石が綺麗な八幡型鳥居と稲荷宮の台です。
下の石畳も稲田石製で磨いた面とジェットバーナー仕上げを組み合わせています。
明治神宮、靖国神社、嶽山神社、府中大國魂神社、日枝神社、乃木神社、千葉護国神社、成田山新勝寺、鹿島神宮、浅草寺、大石寺、増上寺、柴又帝釈天、神田明神
稲田石の紹介パンフレットに載っている有名どころの神社だけでも素晴らしい実績があるのがわかります。
この他にも曹洞宗の総本山 永平寺や関東最強のパワースポットとも言われている三峰神社の寺院名碑にも利用されているし、寺院仏閣に行くとそこかしこで見かけることができます。
そんな茨城県産の稲田石で作られた八幡型鳥居と稲荷宮を加工の過程も交えて紹介します。
目次
神聖な白さが美しい八幡型鳥居
稲田石の特徴は、パッと見でわかる白さです。
特にタタキ加工と呼ばれる石の表面を叩いた仕上げにすると、とても映えます。
国内外を見渡してもこれだけの白さを誇る石は中々ありません。
昔から神聖な白を基調とした稲田石は、鳥居や名碑や石畳として神社仏閣に用いられてきています。
残念な実情が・・・
ところが、近年は中国産の安価な御影石が入ってくるようになって著名な神社でも国産石を利用しなくなってきました。
特に大きな神社になると大手ゼネコンが資材も管理していて、価格の高い稲田石などの国産石は利用しないんですね。
その中でも明治神宮では途中で神社側が気が付いて一度張った中国産御影石を剥がして稲田石を張り直させたそうです。
神社は日本の神様がいらっしゃるご神域です。
なるべく意識して、日本の石を利用した方が良いと思うのです。
稲田石の八幡型鳥居の作成の様子
今回の鳥居と稲荷宮の台は、羽黒石材工業の石工である青木さんが仕上げています。
鳥居の柱は、ドラムという石を削る機械を使ってまず八角形に作ります。
こちらは、八幡型鳥居の笠石の部分、青木さんが正確に寸法を図って形づくっていきます。
青木さんは、建築系の石材加工に強くて、こういった加工はお手の物です。
鳥居の笠の部分の細かい石の加工です。
ちょちょちょっと作っていってしまいます。
熟練の腕ですよね。
稲田石の八幡型鳥居と稲荷宮の台の施工の様子
現場の図面です。
作成者は私中野で、施工管理もしていますが、中々現場には行けないので、全て施工内容を指示してあります。
元々あった稲荷宮を撤去仮置きして、下のブロックを解体していきます。
ちなみに木製の鳥居は腐って倒れてしまっていました。
大人3人掛で稲荷宮を撤去、パレットの上に置いて台ができあがるまで待ちます。
八幡型鳥居と稲荷宮の設置が完了した状態。
これから石畳と土間コンクリートの施工をしていきます。
完成!
八幡型鳥居の前にあるのは桜の木です。
春になったら綺麗そうです。
施主さんと、その頃また写真を撮らせていただきますと約束をしました。
白い稲田石にピンクの桜の花びらのコントラストもいいですよね。
稲荷宮の台は、上がビシャン仕上げで、下は素朴なコブだし加工です。
コヤスケと接頭ハンマーで形づくるコブだし加工は、できる職人が少なくて貴重な技術になってきています。
まとめ
茨城県産稲田石の八幡型鳥居と稲荷宮の台について、加工と施工の様子も含めて紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?
白さが基調の稲田石は、ご神域に神聖さを醸し出します。
残念なのは、価格の違いから最近は中国産御影石を使用するところが多いことです。
これは施工を請け負うゼネコンなどの業者が、深く考えないで選択してしまうためで、少し配慮をして欲しいところでもあります。
明治神宮の中国産御影石の張り直しのように、神社側から国産でなければダメというところは稀で、ほとんどは意識せずに利用しています。
声を大にして伝えていくのが、我々のような産地の石屋の務めでもあると感じています。
コメント