常温合材の違いと選び方|マイルドパッチ・レミファルト・DRミックス【2026年】

アスファルトに穴があいたら、袋詰めの「常温合材」で補修できます。普通のアスファルト(加熱合材)は、工場から出荷されるときに160℃前後の高温ですが、常温合材は、袋から出して、常温のまま、すぐ使えます。

1級土木施工管理技士のりょういち(@ryoryoly)が、マイルドパッチ、DRミックス、レミファルトの違いと、2026年10月時点の値段をまとめました。

この記事の結論
  • 常温合材は、硬くなる仕組みで3タイプあります。揮発タイプは弱く、加圧反応タイプは車の通行で硬くなり、化学反応タイプは水と反応して固まる、いちばん強いタイプです。
  • ちょっとだけ補修するなら、化学反応タイプのマイルドパッチ(20kgで約4,900円)がいいでしょう。
  • 揮発タイプのDRミックス(約1,300円)は安いものの、すぐポロポロ崩れます。緊急の穴埋めや、仮復旧向きです。
  • NIPPOのレミファルト(20kgで約2,200円)と、全天候型のレミファルトST(20kgで約4,800円)もあります。
  • 広い範囲は、普通の加熱合材のほうが、はるかに安く、きちんと舗装できます。
住宅の駐車場で、作業着の男性が、袋の「常温合材」を傾けて、アスファルトの穴に黒い合材を流し込んでいる。横には角スコップとタンパー
目次

常温合材は3タイプ|揮発・加圧反応・化学反応の違い

コンクリートと比べると、アスファルト舗装は劣化が早く、補修する機会が多くなります。常温合材は、袋づめになっていて、すぐに補修に使えるので便利です。

揮発・加圧反応・化学反応の3タイプがあり、舗装の仮復旧から本復旧に使えるものまで、さまざまです。

それぞれに向き不向きがあるので、ご紹介します。

スクロールできます
タイプ硬くなる仕組み強さ向いている場面
揮発タイプ
(例:DRミックス)
揮発して硬くなる(従来の常温合材)△ 弱い。すぐポロポロ崩れる路面の穴ぼこの緊急補修、水道・ガス管工事のあとの仮復旧
加圧反応タイプ
(例:スーパーDRパッチ)
車の通行などの転圧で、硬くなるのが進む○穴ぼこ・段差の補修、既設道路と砂利道とのすりつけ。全天候型で、保存は製造日から6か月程度
化学反応タイプ
(例:マイルドパッチ)
水と反応して固まる◎ 普通のアスファルト並み玄関前通路や駐車場の補修、水たまりやぬかるみ対策。保存は製造日から1年程度

強さの◎○△は、私の感覚の目安です。

公道(市道・県道など)の穴は、自分で補修せず、道路を管理している役所に連絡してください。

DRミックス(揮発タイプ)、スーパーDRパッチ(加圧反応タイプ)、マイルドパッチ(化学反応タイプ)の黒い袋が3つ並び、それぞれ、湯気、走る車のタイヤ、じょうろの水が添えられている

DRミックス(揮発タイプ)|安いけれど、弱い

前田道路のDRミックスは、お手軽に使える常温合材ですが、強度は弱く、すぐにポロポロ崩れてしまいます。

主な用途は、路面の穴ぼこの緊急補修や、水道・ガス管などの仮復旧です。

仮復旧は、あくまでも仮の復旧です。あとできちんと、本復旧(通常の舗装)をする必要があります。

たとえば、水道やガス管の本管の布設替えをするときは、そこにつなぐ家庭用の管も工事することがあります。そのたびに、歩道の舗装を剥がして、一軒一軒、本復旧をしていたら、とても大変です。

なので、とりあえず仮復旧をしておいて、あとでまとめて本復旧をすることがあります。

(仮復旧を普通の合材でやることもあります。ややこしくなるので説明は避けます。)

前田道路の公式ページでは、DRミックスは「揮発硬化タイプ」で、「安価で、手軽に扱うことができる」と書かれています。

袋は、パンフレット(2026年7月版)では20kg入りで、バラ売りにも対応しています(製品ページには30kg入りの記載も残っています)。

モノタロウの販売ページには、20kg袋で1,318円(税込)と表示されています。

メーカーのよくある質問にも、DRミックスの用途は仮復旧材(一時的な穴埋め)で、通常の加熱アスファルト合材のようには固まらない、と書かれています。

自宅の駐車場など、荷重のかかる場所で長く使いたいなら、マイルドパッチを使うよう案内されています。

パンフレットの目安は、20kg袋で、厚さ3cmなら1㎡あたり4袋、4cmなら5袋、5cmなら6袋です。推奨の施工厚さは3cm以上です。薄すぎると、すぐポロポロ取れてしまいそうなので、厚さには気をつけてください。

DRミックス
PR|商品リンク
DRミックス

マイルドパッチ(化学反応タイプ)|強いけれど、高い

マイルドパッチは、水と反応して固まる化学反応タイプです。

販売ページには、「水をかけるだけで固まる」と書かれています。

「従来の常温合材(揮発硬化タイプ)と比べて、耐久性が非常に高く、早く固まる」という説明もあり、雨の日や水たまりでも施工できるとされています。

ただし、水をかけるだけで終わりではなく、敷きならして、散水し、すぐに転圧します。

強度は、加圧反応タイプよりさらに高く、普通のアスファルト並みです。手軽に使えるので、家庭用としても勧められています。

前田道路は、通常の舗装(加熱アスファルト合材)と同等の強度があり、舗装の設計期間である10年程度と同程度の耐久性が期待できる、と説明しています。

ただし、補修箇所の周辺が弱っているときは、耐用年数が短くなることがあります。

マイルドパッチの特徴

  • 住宅周辺の玄関前通路や、駐車場の舗装・補修に使える
  • 水たまりやぬかるみ対策に使える
  • 雨の日や、水たまりのある場所でも施工できる
  • 施工直後から、車の通行ができます(直進走行の場合)。硬化を確認して、約1時間の養生がおすすめです(前田道路のパンフレット)
  • 保存は、製造日から1年程度(前田道路の公式ページ)

マイルドパッチのデメリット

  • 値段が高い。20kg袋で4,948円(税込)で、2017年の3,950円(送料込み)から上がっています
  • 保存は、製造日から1年程度。開封したら、すぐ使い切る必要があります
  • 1袋20kgと重く、運ぶのが大変
  • 普通のアスファルト並みの強度があるので、舗装にも使えますが、広い面積は普通の合材のほうが安い

なので、広い面積の舗装は、常温ではない普通の合材で施工したほうがいいです。あくまで、補修用の常温合材と捉えたほうが良いでしょう。

厚さは、3cm程度は欲しいところです。メーカーの目安は、厚さ4cmで1㎡あたり5袋程度です。

全天候型高耐久型常温アスファルト合材 マイルドパッチ 20kg 【13mm】【 アスファルト凹凸補修】
PR|商品リンク
全天候型高耐久型常温アスファルト合材 マイルドパッチ 20kg 【13mm】【 アスファルト凹凸補修】

レミファルトとは?|NIPPOの常温合材

私は、レミファルトを使ったことがありません。ここでは、メーカー(NIPPO)の製品ページと、販売ページに書かれていることだけを、まとめます。

レミファルト(20kg・約2,200円)

販売ページには、「袋詰めのまま長期間保存ができる」「工場製品なので品質ムラがない」と書かれています。用途は、管工事の仮復旧、ポットホール(路面の穴)の補修、離島など加熱合材が使えない場所の舗装補修です。

レミファルトST(20kg・約4,800円)

レミファルトSTは、NIPPOが「汎用品『レミファルト』の品質を大きく改善した、新しい全天候高耐久型道路補修材」と説明している補修材です。

用途には、家庭の玄関や通路、小規模な駐車場の舗装補修が挙げられています。

NIPPOの製品ページには、手で簡単に開封できること、舗装面・補修面に乳剤コーティングなどの前処理が必要ないこと、作業器具や転圧器具にほとんど付着しないこと、施工後もタイヤなどに付着して飛散しないこと、が書かれています。

値段と使い道は、DRミックスとマイルドパッチの関係に似ています。レミファルトは、DRミックスと同じ、穴埋め・仮復旧向けの値段帯です。レミファルトSTは、マイルドパッチと同じ、高耐久向けの値段帯です。

NIPPOの施工手順は、「手で開ける」「そのまま均す」「タイヤで踏む」の3つで、水をかける手順は書かれていません。ただし、硬くなる仕組みは、製品ページには書かれていませんでした。

購入前に、NIPPOの資料で確かめてください。

値段の比較|2026年10月の販売価格

スクロールできます
商品メーカー容量価格(税込)特徴
DRミックス前田道路20kg1,318円揮発タイプ。緊急補修・仮復旧
レミファルトNIPPO20kg2,198円長期保存ができる。仮復旧・ポットホール
ミラクルパッチトーヨーマテラン20kg3,738円常温の補修材
レミファルトSTNIPPO20kg4,838円全天候型・高耐久
マイルドパッチ(13mm)前田道路20kg4,948円〜化学反応タイプ。水をかけて固まる
オレンジパッチ山王20kg5,278円常温全天候型
マイルドパッチ(細粒5mm)前田道路20kg5,498円〜化学反応タイプ。細粒タイプ

価格は、モノタロウの表示です(2026年10月9日に確認)。時期や販売店で変わります。

必要な袋数は、販売ページの目安(厚さ4cmで1㎡あたり5袋)なら、60cm角の穴(約0.36㎡)で約2袋です。マイルドパッチだと、約1万円になります。

常温合材で直した所は、また取れることがある

道路では、舗装がはがれた所を、常温合材で補修しているのを、よく見ます。

ただ、雨が降って濡れている所を、車が走ると、取れてしまうことが、結構あります。同じ所を、何度も補修することも、ありがちです。

ちゃんと補修するなら、ちゃんとした合材(加熱合材)で補修したほうが、もちろん強いです。

普通の合材と、どちらが安い?

2017年に元の記事を書いたころは、普通のアスファルト合材が1t=約9,000円で、マイルドパッチ45kgの値段と釣り合っていました。

今は、建設資材の市況データ(けんせつPlaza)で、東京地区の再生密粒度アスコン(13)が、2026年9月に約13,100円/tでした(2025年10月は約1万円)。

マイルドパッチ20kg袋(税抜4,498円)で1t(50袋)を買うと、約22万円。東京地区の再生密粒度アスコン(13)の約17倍です。これは、材料の値段だけの比較で、運搬費や施工の手間は含みません。

ただし、普通の合材は、最低発注数量があります。元の記事を書いたころは、0.5tからでした。ちょっとだけ補修するには、多すぎて、余らせてもどうしようもありません。

なので、少しだけ補修するなら、常温合材がいいでしょう。

使い方|常温合材で穴を補修する手順

STEP
材料と道具を用意する

穴の中のゴミや砂、浮いた破片を取り除きます。材料のほかに、角スコップ、アスファルト用のレーキ、タンパーを用意します。広い場合は、プレートコンパクターもあるといいです。

STEP
穴に入れて、均す

材料を穴に入れて、角スコップかアスファルト用のレーキで均します。厚さは3cm程度は欲しいところです(メーカーの推奨は、マイルドパッチ13mmタイプで3〜5cm)。

マイルドパッチは、余盛りを3割程度します(メーカーのパンフレット)。DRミックスは、施工面が濡れている場合は、十分に乾燥させてから使います(メーカーの注意)。

STEP
水を撒く(マイルドパッチの場合)

マイルドパッチは、敷きならした材料に、20kgあたり1リットル以上の水を、まんべんなく撒きます(メーカーのパンフレット)。散水ムラがあると、固まらない所ができます。

水を撒いてから転圧する順番を、守ってください。DRミックスは、水は使いません。

STEP
転圧する

足で踏むか、コテ、タンパーで転圧します。広い場合は、プレートコンパクターを使います。マイルドパッチは、小さな穴なら即開通、少々広くても2~3時間で車も走れるようになります。

男性が、アスファルトの穴に、①角スコップで材料を敷きならし、②じょうろで水をかけ、③タンパーで転圧する、3つの手順
マイルドパッチの手順です。DRミックスは、水を使いません。

穴が深い、まわりのアスファルトが広くひび割れている、補修しても何度も沈む、というときは、表面だけを埋めず、舗装業者に相談してください。

使う道具です。

浅香工業 金象印 パイプ柄かる~いショベル角形
PR|商品リンク
浅香工業 金象印 パイプ柄かる~いショベル角形
浅香工業:金象 アスファルト平レーキ 072562 型式:072562
PR|商品リンク
浅香工業:金象 アスファルト平レーキ 072562 型式:072562
浅香 アスファルトタンパー ブラック (212094)
PR|商品リンク
浅香 アスファルトタンパー ブラック (212094)
HAIGE プレートコンパクター 転圧機 ゴムマット付き 移動ローラー付き 87cc 2.5馬力 57kg HG-CH40
PR|商品リンク
HAIGE プレートコンパクター 転圧機 ゴムマット付き 移動ローラー付き 87cc 2.5馬力 57kg HG-CH40

常温合材のよくある質問

常温合材とは、何ですか?

熱しなくても、袋から出してそのまま使える、アスファルトの補修材です。普通のアスファルト(加熱合材)は、工場から出荷されるときに160℃前後の高温です。

DRミックスとマイルドパッチの違いは何ですか?

DRミックスは、揮発タイプで、強度が弱く、緊急補修や仮復旧向きです(20kgで1,318円)。マイルドパッチは、水と反応して固まる化学反応タイプで、普通のアスファルト並みの強度があります(20kgで4,948円〜)。

レミファルトとマイルドパッチの違いは何ですか?

メーカーが違います。レミファルトはNIPPO、マイルドパッチは前田道路の商品です。マイルドパッチは、水をかけて固まる化学反応タイプです。

レミファルトSTは、全天候型・高耐久で、手で開封でき、下地処理が不要と書かれています。

NIPPOの施工手順は、手で開ける、そのまま均す、タイヤで踏む、の3つで、水をかける手順は書かれていません。細かい仕様は、各メーカーの資料で確かめてください。

レミファルトと普通のアスファルト(加熱合材)の違いは何ですか?

アスファルト(加熱合材)は、160℃前後に熱して施工します。レミファルトは常温合材で、袋から出して、そのまま使えます。

マイルドパッチのデメリットは何ですか?

値段が高いこと、保存が製造日から1年程度と期限があること、広い面積の舗装は普通の合材のほうが安いことです。

常温合材で補修した所は、また取れますか?

取れることがあります。道路では、雨が降って濡れている所を、車が走ると、取れてしまい、同じ所を何度も補修することもあります。ちゃんと補修するなら、普通の合材(加熱合材)のほうが、もちろん強いです。

雨の日や、水たまりでも使えますか?

マイルドパッチは、雨天時や水たまりでも施工できると、販売ページに書かれています。雨の日に使う場合は、「全天候型」と書かれた商品を選んでください。

常温合材は、どれくらい保存できますか?

マイルドパッチは、製造日から1年程度です(前田道路の公式ページ)。スーパーDRパッチは、製造日から6か月程度です。

レミファルトは、販売ページに「袋詰めのまま長期間保存ができる」と書かれていますが、期間は書かれていませんでした。

マイルドパッチも、DRミックスも、開封したら、すぐ使い切るよう案内されています。なお、モノタロウの別の商品ページには、保存を「製造日から6か月程度」と書いたものもあります。

購入する商品の保存期間は、販売店やメーカーで確かめてください。

ひとこと:ちょっとだけ補修するなら、マイルドパッチ

りょういち

マイルドパッチは、万能で使い勝手が良い反面、高額な常温合材です。ちょっとだけ補修するなら、マイルドパッチがいいでしょう。

あわせて読みたい:庭や駐車場に砕石を敷く費用は?100㎡・厚さ5cmで約23〜28万円【2026年】

あわせて読みたい:ハイフレックスの使用方法 ハイモルエマルジョン等の類似品との価格や強度の比較について

この記事の根拠:土木の知識と、販売ページ・製品ページの確認

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

石屋の“中の人”だったからこそ話せる、お墓の本当のこと。国産墓石の加工メーカーで経験を積み、輸入石材商社での仕事にも携わって約25年の元石屋です。1級お墓ディレクター・1級土木施工管理技士。紹介料を受け取らない、しがらみのない立場で、石の性質と施工の両方から、根拠まで示してやさしくお伝えしています。YouTube「おはかのなかのch」でも発信中。

コメント

コメント一覧 (1件)

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください。

目次