小雨が降る中、青山霊園に偉人の墓巡礼ツアーに行ってきました。
案内人は墓マイラーという言葉の生みの親である『カジポン・マルコ・残月』さん。今回紹介する青山霊園の偉人は、政府要人が多くて、刀で斬られたり、銃撃されたり、殉死したりと命がけで日本の未来を切り開いてきた人たちです。
そんな重いお墓参りが多い中で、忠犬ハチ公のお墓もありました。
正直申し上げますと、カジポンさんの偉人のお墓巡礼ツアーが少々癖になっております。お墓参りの良さを心底感じられるからで、個人的にはどんなテクニックや知識を得るよりも、お墓人としてこういった感性・感覚を磨くことが大切だと感じています。
流れとしては、
ある偉人のお墓の前に行く→その偉人の説明をカジポンさんが魂を込めてする→皆が感情移入→お墓参り→次の偉人のお墓
といった流れです。今回は雨が降り風も強めだったので少々早回りでしたが、大まかな流れはこんな感じで、偉人に想いを馳せ感謝の祈りを捧げます。
流れは単純ですが、質がとても高いです。カジポンさんは、A4用紙で全14Pにも及ぶ内容の充実した手作り資料を渡してくれました。また国内の墓マイラーとして有名な黒坂拓哉さんも驚くほど詳細にわかりやすく偉人の説明を補足してくれます。
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目次
世界墓マイラー同盟第2回企画!!
【あの人に会いたい~青山霊園・魂の墓参行脚:前編】
青山霊園での偉人のお墓巡礼ツアーは、前編・中編・後編の全3編で、今回は前編になります。
実のところ、私はあんまり文学や歴史に造詣が深い方ではありません。司馬遼太郎に一時期ハマって「竜馬がゆく」や「坂の上の雲」を読んでいたので、幕末から日清・日露戦争までの流れは何となくわかります。後編のツアーでは、「坂の上の雲」に出てきた秋山好古のお墓が出るそうなので楽しみです。
何となくでしかわからない私でも、カジポンさんのお墓巡礼ツアーは十分楽しめるものでした。それはカジポンさんのお手製のA4で14Pにも及ぶ濃い内容の資料があるから。その資料に沿って時に演技も交えながらのトークは、わかりやすくて面白く、そして偉人に感情移入をしてしまいます。
それでは主だった偉人のお墓を紹介していきます。
青山霊園にある偉人のお墓
乃木希典
乃木希典(1849-1912)陸軍大将。長州出身。日露戦争で旅順を攻略。明治天皇の大葬当日、自邸で殉死。享年62。左側が静子夫人で右側が乃木希典。
日露戦争にて乃木が指揮した旅順攻略戦にて兵13万人のうち、約6万人が死傷。また息子2人を日露戦争で亡くす。後年まで多大な犠牲者を出した責任を感じ、戦傷病者のために何度も見舞い、多くの寄付を行っている。
今回の青山霊園での偉人の墓巡礼の最初が乃木希典。自然石をあしらったシンプルなお墓だけど、底知れぬ力を感じました。それは乃木の壮絶な人生がそう感じさせるのかもしれません。
尾崎紅葉
尾崎紅葉(1867-1903)小説家。東京出身。口語文体を創始した明治文壇の重鎮。圧倒的人気を獲得したが早逝。享年35。
寛一とお宮の金色夜叉の作者である尾崎紅葉。墓前には紅葉の木がありました。もう少し寒くなると赤くキレイに紅葉していたことでしょう。本小松石。
有村次左衛門
有村次左衛門(1839-1860)薩摩藩士。桜田門外の変で水戸藩士と井伊大老を襲撃、首級をあげた後に自刃。享年21。
墓は、カジポンさんの後ろの頭が尖った自然石。
「実際に見てきた!」とカジポンさんが語る桜田門外の変の再現シーン。(時代が違うので見れるはずがありませんが、それだけ偉人に感情移入されているということです)身振り手振りで有村次左衛門を演じます。
海江田信義
海江田信義(1832-1906)幕末・明治期の政治家。薩摩出身。生麦事件で行列を遮った英国人に天誅。有村次左衛門の兄。享年74。
ちなみに斬られた英国人のチャールズ・リチャードソンは、横浜の外人墓地にお墓がありますが、上海で中国人をいじめたりアジア人にろくなことをしていないので、カジポンさんもお墓参りに行っていないそうです。
薩摩藩出身者のお墓に多いのですが、地元桜島の溶岩を持ってきて土台の石積みとしています。
[ad#co-2]犬養毅
犬養毅(1855-1932)政治家、首相。備中(岡山)出身。護憲運動で活躍、五・一五事件で軍部に暗殺される。享年76。
不発ではあったが、暗殺に来てピストルで撃ってきた相手を「話せば分かる」と応接間に招き「靴ぐらい脱いだらどうだ」と促しタバコを勧める肝の太さ。だけども結局撃たれてしまいます。
犬養毅の墓にほぼ向き合う形で、五・一五事件の際に暗殺する武器を調達した頭山秀三の墓が建てられていることに運命を感じます。本小松石。
浜口雄幸
浜口雄幸(1870-1931)政治家、首相。高知県出身。ロンドン海軍軍縮条約を結び、右翼に銃撃され他界。ライオン宰相。享年61。
根回しばかりの料亭政治を嫌い常に正面突破を信条とした政治家。鳥居のある神道式のお墓です。
忠犬ハチ公
ハチ公…秋田犬。東大教授・上野英三郎(ひでさぶろう)の忠犬。帰らぬ主人を10年近く渋谷駅で待ち続けた。
どちらかというと政治色の強い偉人さんのお墓が並ぶ中で異色のお墓。ハチ公は外人さんにも人気で、お墓参りに来る方も多いそうです。
ハチは有名になるまでは子どもにいじめられたり、墨で眼鏡を描かれ八の字髭つけられたりしていたのですが、新聞の記事になり有名になるとパタッと扱いが変わったそうです。
川路利良
川路利良(1834-1879)日本で初めて警察制度を構築した「日本警察の父」。薩摩出身。西南の役で抜刀隊を指揮。享年45。
斎藤茂吉
斎藤茂吉(1882-1953)歌人。山形出身。「アララギ」編集。生の感動をうたいあげた歌集「赤光」などで文化勲章。享年70。
ウィーン滞在中にカップルのキスを目撃し「長いなぁ。実に長いなぁ。」と物陰から一時間近く眺めていたとのこと。カジポンさんの話は、こんな感じで偉人の人柄が分かる面白いエピソードを加えてくれます。
大久保利通
大久保利通(1830-1878)幕末・維新期の政治家、薩摩出身。倒幕後、版籍奉還・廃藩置県を断行、凶刃に倒れる。享年49。
大久保利通の墓碑は亀趺(きふ)に乗っていいます。この霊獣は竜の子どもといわれています。稲田石製。
志賀直哉
志賀直哉(1883-1971)小説家。宮城県出身。「白樺」創刊、簡潔な文体。「城の崎にて」「暗夜行路」。文化勲章。享年88。
最後は、本小松石製の志賀直哉のお墓。生垣に囲まれていて一見どこにお墓があるかわからないところにあります。
[ad#co-3]まとめ
ほんとうは、もっと偉人さんのお墓を回ったのですが、主だった方々をご紹介させていただきました。この後に鳥鍋をつつきながら懇親会をしたのですが、お墓談義に花が咲きました。
石屋さんが3人参加していましたが、仕事を超えて楽しみながらお墓参りをしてきております。
あらためて偉人のお墓参りをする意味について考えさせられました。私にとってはあまり馴染みのない偉人さんも多いですが、だけどカジポンさんのトークで想像力が膨らむと、自然と畏敬の念が湧いてきて手を合わせたくなります。
けっこうこの過程が自分でも癖になる。
お墓の意味、深さ、そして感謝の心を伝えることで自分が得られるもの。いろいろと体と心で感じるツアーでした。
カジポンさんのFacebookページに今後の墓マイラーツアーの予定が書いてありました!2030年まで続く予定!全部行きたい!!
1級お墓ディレクターの「なかの」はこんな人ですよ。
自己紹介・プロフィール
こんな会社に勤めていますよ。
羽黒石材工業株式会社
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