一昔前は、土留擁壁として、間知石が利用されていました。
最近では、単価が安く施工が容易なコンクリート二次製品である『間知ブロック』が良く利用されています。
構造図集に間知ブロックの詳細な構造が記載されています。
間知ブロックは、コンクリート二次製品なので形が決まっていて、バランスを見て重ねていくだけなので、便利ですね。
そんな間知ブロックについて実際に施工をした際の写真を元に、施工方法を紹介していきたいと思います。
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目次
間知ブロックメリット・デメリットと単価について
間知ブロックは土留の目的で利用されます。
一般的なL型擁壁などの土留構造物との違いは、斜めに傾斜をつくりながら積んでいくところになります。
垂直に施工されるL型擁壁は、土圧も多く掛かりますが、間知ブロックは分散されるので構造的に強いというメリットがあります。
また、価格も安価に済む場合が多く経済的です。
掘削土量も少なくて済むので、施工性も比較的容易です。
デメリットは、傾斜を設ける分、幅が広くなり使える土地が狭くなることです。
土地を有効活用したい場合は、L型擁壁などの他の工法の選定も検討した方がよろしいでしょう。
間知ブロックは、間知石やL型擁壁と比較して価格が安く済むことがメリットですが、土地の利用も含めて考えてみましょう。
間知ブロック施工の様子
間知ブロックの基礎は斜めに打設
間知ブロックのコンクリート基礎は、写真のように傾斜を設けて打設します。
平らにコンクリートを打設して、間知ブロックで調節して積んでいく方法もあるようですが、斜めにした方が、基礎で土圧を受けることができるので構造的に強くなります。
黒板を持っているのが私です。
こうやって、きちんと施工をしたことを証明するために写真を撮ります。
間知ブロックの根石を一定の間隔で並べる
間知ブロック積みの一番下のブロックを並べていきます。
黒板に『根石』と書いてありますが、正確には『根ブロック』と言います。
でも、羽黒石材工業では、ついつい『根石』と読んでしまいます。
石屋さんの性(さが)。
根石の間知ブロックを並べていきます。
間知ブロックは石を整形して利用する間知石と違って、施工は容易です。
それでも、下部から正確に積み上げていかないと、途中から歪みが出てきて、上部になればなるほど大きくなります。
間知ブロック同士で、目地が開いてきたり高さがズレてきてしまい、目に見えて施工の上手い下手がわかってしまいます。
逆に、間知石は、不揃いが当たり前で、風流なので誤魔化しがききます。(言い方)
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間知ブロックを積み重ねる
根石部分の間知ブロックの裏側に、生コンを打設する為の枠を取付けます。
その後に、土を埋め戻して枠を抑えつけます。
生コンを打設し、固まったら2段目を積みます。
3段目、4段目も同様。
この作業を段数の分だけ続けていきます。
一番上の段になると、間知ブロックの三角に飛び出ている頭を切断して、見栄えが良いように高さを揃えます。
最後に一番上の天端コンクリートと間知ブロックの両端に小口止めを打設して工事終了です。
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まとめ
間知ブロックの施工方法や積み方、単価についてまとめてみました。
垂直に施工するL型擁壁などの土留めと比較をすると、斜めに土圧を受けるので構造的に強いのが間知ブロックの特徴です。
施工もしやすく、単価が安いのも特徴です。
反面、土地を多く使うので、有効利用できる土地が少なくなるというデメリットがあります。
都会で土地が狭くて、高い場所だと難しくなります。
メリット・デメリットを考慮して、間知ブロックを検討してみてください。
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