「しゃぶコン」という言葉をご存知でしょうか?
ミキサー車で持ってきたコンクリートに水を練り混ぜたものを「しゃぶコン」といい、強度が下がってしまうのでやってはダメということになっています。
生コンの練混ぜから打込み終了までの時間の限度は、外気温が25℃未満のときは120分、25℃以上の時は90分と定められています。
この時間を過ぎると、コンクリートの品質を落とす可能性が高まるんですね。
なので、呼んでしまった生コン車を、雨が通り過ぎるまで待たせておけば済む話ではありません。
この記事では、
- 基礎コンクリートの打設前に雨が降った場合。
- 基礎コンクリートの打設中に雨が降った場合。
- 基礎コンクリートの打設後に雨が降った場合。
についてそれぞれ説明していきます。
目次
基礎コンクリートがびしょ濡れになっても大丈夫?
基礎コンクリートは、屋外で施工する場合が多いのでどうしても雨の影響を受けがちです。
もしかしたら雨の影響で、コンクリートの強度が下がってしまうかもしれないと神経質になる場合もあるかもしれませんが、以下の記事を参考にしてみてください。
①基礎コンクリートの打設前に雨が降った場合
こちらの写真の合併槽周りのコンクリート工事です。
コンクリートを打つ場所の砕石が白っぽい色をしていて乾燥状態にあるのがわかるかと思います。
実は、生コンは水分があるから固まることができます。
この状態で、コンクリートを打設すると、クッキーを食べて口の中がパサパサになるように、コンクリートもパサパサに水分が奪われてしまいます。
なので、砕石や型枠を前もって散水をして湿らせておく必要があります。
つまり、雨が降って湿っていた場合には、1つ工程が省けてラッキーなのです。
②基礎コンクリートの打設中に雨が降った場合。
突然の夕立があると、とても困るのですが、大雨が降ると良くないです。
理屈は冒頭のしゃぶコンと同じ理屈ですね。
ただ、コンクリートに含まれる水分量は、1㎥当たり150~200ℓ(リットル)にもなるので、少々の雨であれば、品質には大して影響を与えません。
ただ、近年はゲリラ豪雨みたいのもありますからね。
土間コンなどのコテ仕上げは困る
また、困るのは、コンクリートを打ち終わって、表面が固まる前に雨が降った場合です。
雨の衝撃で、ボツボツと波紋ができてしまいます。
基礎コンクリートの表面をコテで押さえて仕上げる場合には、涙目になります。
現場を撤収して、帰った後に通り雨なんてのもありますから。
③基礎コンクリートの打設後に雨が降った場合。
しゃぶコンと混同してしまい誤解しやすいところですが、コンクリートは水がないと硬化しません。
コンクリートを固まるまで養生する場合には、湿潤に保つのが鉄則で、けして乾燥をさせて固まるわけではありません。
ここのところ、盛大に勘違いされている方も多いので、注意してください。
乾燥を促してしまうと、コンクリートの品質を下げることにつながります。
工事現場を見ると、基礎コンクリートの上にブルーシートが敷いてある場合を見かけるかもしれませんが、あれは雨への対策ではなくて、乾燥による水分の逸脱を防ぐためです。
雨が降って、コンクリートが十分に硬化できる水分が周りにあると、乾燥ひび割れも防げますし、すくすく育ちます。
プールみたいに、上に水が溜まっていても問題ありません。
というかむしろコンクリートにとっては良い状態です。
まとめ
基礎コンクリートの施工において、どんなケースで雨が降ったら問題になるのかを紹介させていただきました。
ほとんどの場合は、恵の雨というか、雨が降ることでよりコンクリートの品質が上がる場合が多いです。
ただ、注意したいのは生コン打設時の大雨で、あまり雨量が多いとしゃぶコンと同じような状態になってしまいます。
普通の雨だったら、そんなには問題になりません。
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