ジェットバーナー仕上げとは?石が弾ける仕組みと5種類の仕上げを写真・動画で解説

石の表面を炎で炙ると、パチパチと石が弾け飛んで、ざらざらの肌になる。これが、ジェットバーナー仕上げです。駅前の広場や公園の敷石で、毎日のように目にしている仕上げです。

こんにちは、1級お墓ディレクターのりょういちです。石材店で働いていたころ、職人さんがジェットバーナー仕上げをする現場を、何度も見てきました。

硬いはずの石が、なぜ熱で弾けるのか。仕組みと、ほかの仕上げとの違いまで、写真と動画でお話しします。

この記事の結論

ジェットバーナー(JB)仕上げは、石の表面をバーナーの炎で炙り、表面の薄い層を弾き飛ばして、ざらざらにする仕上げです。

主に花崗岩(御影石)に使います。鉱物ごとに熱での膨らみ方が違うため、急に熱すると表面が弾けます。

目的は、主に滑り止め。駅前や公園の敷石、階段などによく使われます。

石材店の作業場で、白い防護服の職人が、水で濡らした板石の表面にバーナーの炎をあてている
私が勤めていた石材店で、職人さんが板石にジェットバーナー仕上げをしているところ
目次

ジェットバーナー仕上げとは

ジェットバーナー仕上げ(JB仕上げ、バーナー仕上げとも呼びます)は、石の表面を高温のバーナーの炎で炙って、表面を弾き飛ばし、細かな凹凸をつける仕上げです。

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仕上がった石は、ざらざらとした手ざわりで、色は磨いた石より少し白っぽく、明るく見えます。

板石にジェットバーナー仕上げをする様子(動画)

福島県産の青葉みかげ石に、バーナー加工をしている様子です。私が勤めていた石材店の、職人さんの仕事ぶりです。まずは、ご覧ください。

イタタタタ! これ、近くで動画を撮ると、弾けた石が当たって痛いんです。破片が飛ぶので、作業のそばでは保護具と、十分な距離が必要です。

酸素とLPガスを混ぜた炎で、板石の表面を炙って、弾いていきます。バーナーの音がけっこう大きくて、キーンという音も響きます。

この現場で石を水で濡らしていたのは、薄い板石が割れるのを防ぐためです。バーナーで急に熱すると、石の表面と内部に温度差ができて、ひび割れにつながることがあります。

これは企業秘密らしいのですが、ガスの混ぜ具合とか、石の小面(小さな面)には酸素とアセチレンを使ったりとか、いろいろと工夫をしているようです。言っちゃいましたね。

でも、ラーメンのスープと同じで、レシピがわかっても、簡単にはまねできないと思います。たぶん。

なぜ、石の表面が弾け飛ぶの?

ジェットバーナー仕上げは、主に花崗岩(御影石)に使う仕上げです。花崗岩は、こんな感じの、白・黒・灰色のごま塩模様の石です。

白・黒・灰色のごま塩模様の花崗岩の板。表面は本磨きでつやがある

花崗岩は、石英・長石・黒雲母など、性質の違う鉱物の粒が集まってできています。これらの鉱物は、熱を加えたときの膨らみ方が、それぞれ違います。さらに石英は、約573℃で結晶のつくりが変わり、体積が増える性質があります。

バーナーで表面を急に熱すると、表面と内部に温度差が生まれ、鉱物の膨らみ方の違いで、大きな力がかかります。その結果、表面近くに細かなひびが入り、小さなかけらがパチパチと弾け飛ぶのです。

ジェットバーナー仕上げの仕組みの水彩図。左は鉱物の粒が詰まった花崗岩、中央はバーナーの炎が当たって表面のごく浅いところにひびが入る様子、右は表面の小さなかけらが弾け飛び、細かくざらざらになった石

ちなみに、これが石英の結晶です。化学式はSiO₂。水晶も石英の仲間です。花崗岩の中では、石英は小さな粒になって、ほかの鉱物と組み合わさって石をつくっています。

透明感のある、白っぽい大きな石英の結晶の標本

一方、こういった黒い石(黒御影)には、花崗岩とは鉱物の組み合わせが違うものが多く、石英をほとんど含まない石もあります。ただ、黒い石でもバーナー仕上げをした製品はあり、できるかどうかは石の種類によります。

とはいえ、黒い石は、御影石(花崗岩)のようにパチパチと弾けるわけではなく、仕上がりも少し違う感じになります。

黒い石の板に、白く文字を彫った見本

なぜ、わざわざ表面を弾き飛ばすの?

石の表面をわざわざ弾き飛ばして凹凸をつけるのは、主に滑り止めのためです。

たとえば、デパートや公園などで使う敷石が、全部ツルツルピカピカだったらどうでしょう。雨の日には滑りやすくなり、スリップの嵐で大変なことになります。救急車が街中を飛び交う大惨事になりかねません。

そこで、石の表面に凹凸をつけて、滑りにくくするわけです。ジェットバーナー仕上げは、その代表的な方法のひとつです。ただし、凹凸があれば絶対に滑らない、というわけではありません。

また、表面に凹凸があるぶん、本磨きに比べると汚れが入り込みやすく、掃除に手間がかかることもあります。

あわせて読みたい:御影石の加工方法|ビシャン・小叩き仕上げと石工の道具

ほかの石の仕上げとの違い

石の表面の仕上げには、いくつか種類があります。有名なのが本磨き仕上げで、ツルツルピカピカに磨いてあり、石目がはっきりわかります。お墓によく使われています。

仕上げ見た目主な使い道
本磨きツルツルピカピカで、石目がはっきり見えるお墓、壁、カウンター
水磨き表面はなめらか。光沢を抑えた、落ち着いた仕上がり床、階段、外構
ジェットバーナーざらざら、少し白っぽい敷石、階段、外構
ビシャン細かな点々の凹凸。ビシャンという金づち(今はエアーハンマーも)で叩く敷石、階段
小叩き細かな平行の線。ノミのような刃で叩く階段、縁石、お墓の一部
同じ花崗岩の見本板5枚を並べた水彩画。左から、つやのある本磨き、つやを抑えた水磨き、白っぽくざらざらのジェットバーナー、細かな点々のビシャン、短い線の跡が一方向にそろった小叩き

このほかに、細かな研磨材を吹きつけて表面を荒らす、サンドブラスト仕上げなどもあります。

お墓では、主に本磨きを使います。外柵(お墓のまわりの囲い)や台の一部に、ジェットバーナーや小叩きを組み合わせることもあります。

まとめ

ジェットバーナー仕上げは、花崗岩の性質を利用して、表面を炎で弾き飛ばす仕上げです。滑り止めのために、敷石や階段に多く使われています。

街なかで、ざらざらの敷石を見たら、職人さんがバーナーで弾き飛ばした石の肌を、思い出してあげてください。

よくある質問

ジェットバーナー仕上げとは何ですか?

石の表面をバーナーの炎で炙り、表面の薄い層を弾き飛ばして、ざらざらにする仕上げです。主に滑り止めのために使います。

JB仕上げとは?

ジェットバーナー仕上げの略です。バーナー仕上げとも呼びます。

どんな石にできますか?

主に花崗岩(御影石)です。黒い石(黒御影)でもバーナー仕上げの製品はありますが、花崗岩のようにパチパチ弾けるわけではなく、仕上がりも少し違います。

ジェットバーナー仕上げとビシャン仕上げの違いは?

ジェットバーナーは炎で表面を弾き飛ばす仕上げ、ビシャンは金づちやエアーハンマーで叩いて、細かな点々の凹凸をつける仕上げです。

なぜ石が弾けるのですか?

花崗岩の鉱物は、熱での膨らみ方がそれぞれ違い、石英は約573℃で体積が増えます。急に熱すると表面と内部に温度差ができ、表面近くにひびが入って、小さなかけらが弾けます。

この記事の根拠

私の経験:1級お墓ディレクター。石材店で、職人さんのジェットバーナー仕上げを見てきました(写真・動画は私が撮ったもの)。

石英の573℃の転移:コトバンク「石英」。

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この記事を書いた人

石屋の“中の人”だったからこそ話せる、お墓の本当のこと。国産墓石の加工メーカーで経験を積み、輸入石材商社での仕事にも携わって約25年の元石屋です。1級お墓ディレクター・1級土木施工管理技士。紹介料を受け取らない、しがらみのない立場で、石の性質と施工の両方から、根拠まで示してやさしくお伝えしています。YouTube「おはかのなかのch」でも発信中。

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