石の表面を炎で炙ると、パチパチと石が弾け飛んで、ざらざらの肌になる。これが、ジェットバーナー仕上げです。駅前の広場や公園の敷石で、毎日のように目にしている仕上げです。
こんにちは、1級お墓ディレクターのりょういちです。石材店で働いていたころ、職人さんがジェットバーナー仕上げをする現場を、何度も見てきました。
硬いはずの石が、なぜ熱で弾けるのか。仕組みと、ほかの仕上げとの違いまで、写真と動画でお話しします。
ジェットバーナー(JB)仕上げは、石の表面をバーナーの炎で炙り、表面の薄い層を弾き飛ばして、ざらざらにする仕上げです。
主に花崗岩(御影石)に使います。鉱物ごとに熱での膨らみ方が違うため、急に熱すると表面が弾けます。
目的は、主に滑り止め。駅前や公園の敷石、階段などによく使われます。

ジェットバーナー仕上げとは
ジェットバーナー仕上げ(JB仕上げ、バーナー仕上げとも呼びます)は、石の表面を高温のバーナーの炎で炙って、表面を弾き飛ばし、細かな凹凸をつける仕上げです。
仕上がった石は、ざらざらとした手ざわりで、色は磨いた石より少し白っぽく、明るく見えます。
板石にジェットバーナー仕上げをする様子(動画)
福島県産の青葉みかげ石に、バーナー加工をしている様子です。私が勤めていた石材店の、職人さんの仕事ぶりです。まずは、ご覧ください。
イタタタタ! これ、近くで動画を撮ると、弾けた石が当たって痛いんです。破片が飛ぶので、作業のそばでは保護具と、十分な距離が必要です。
酸素とLPガスを混ぜた炎で、板石の表面を炙って、弾いていきます。バーナーの音がけっこう大きくて、キーンという音も響きます。
この現場で石を水で濡らしていたのは、薄い板石が割れるのを防ぐためです。バーナーで急に熱すると、石の表面と内部に温度差ができて、ひび割れにつながることがあります。
これは企業秘密らしいのですが、ガスの混ぜ具合とか、石の小面(小さな面)には酸素とアセチレンを使ったりとか、いろいろと工夫をしているようです。言っちゃいましたね。
でも、ラーメンのスープと同じで、レシピがわかっても、簡単にはまねできないと思います。たぶん。
なぜ、石の表面が弾け飛ぶの?
ジェットバーナー仕上げは、主に花崗岩(御影石)に使う仕上げです。花崗岩は、こんな感じの、白・黒・灰色のごま塩模様の石です。

花崗岩は、石英・長石・黒雲母など、性質の違う鉱物の粒が集まってできています。これらの鉱物は、熱を加えたときの膨らみ方が、それぞれ違います。さらに石英は、約573℃で結晶のつくりが変わり、体積が増える性質があります。
バーナーで表面を急に熱すると、表面と内部に温度差が生まれ、鉱物の膨らみ方の違いで、大きな力がかかります。その結果、表面近くに細かなひびが入り、小さなかけらがパチパチと弾け飛ぶのです。

ちなみに、これが石英の結晶です。化学式はSiO₂。水晶も石英の仲間です。花崗岩の中では、石英は小さな粒になって、ほかの鉱物と組み合わさって石をつくっています。

一方、こういった黒い石(黒御影)には、花崗岩とは鉱物の組み合わせが違うものが多く、石英をほとんど含まない石もあります。ただ、黒い石でもバーナー仕上げをした製品はあり、できるかどうかは石の種類によります。
とはいえ、黒い石は、御影石(花崗岩)のようにパチパチと弾けるわけではなく、仕上がりも少し違う感じになります。


なぜ、わざわざ表面を弾き飛ばすの?
石の表面をわざわざ弾き飛ばして凹凸をつけるのは、主に滑り止めのためです。
たとえば、デパートや公園などで使う敷石が、全部ツルツルピカピカだったらどうでしょう。雨の日には滑りやすくなり、スリップの嵐で大変なことになります。救急車が街中を飛び交う大惨事になりかねません。
そこで、石の表面に凹凸をつけて、滑りにくくするわけです。ジェットバーナー仕上げは、その代表的な方法のひとつです。ただし、凹凸があれば絶対に滑らない、というわけではありません。
また、表面に凹凸があるぶん、本磨きに比べると汚れが入り込みやすく、掃除に手間がかかることもあります。
あわせて読みたい:御影石の加工方法|ビシャン・小叩き仕上げと石工の道具
ほかの石の仕上げとの違い
石の表面の仕上げには、いくつか種類があります。有名なのが本磨き仕上げで、ツルツルピカピカに磨いてあり、石目がはっきりわかります。お墓によく使われています。
| 仕上げ | 見た目 | 主な使い道 |
|---|---|---|
| 本磨き | ツルツルピカピカで、石目がはっきり見える | お墓、壁、カウンター |
| 水磨き | 表面はなめらか。光沢を抑えた、落ち着いた仕上がり | 床、階段、外構 |
| ジェットバーナー | ざらざら、少し白っぽい | 敷石、階段、外構 |
| ビシャン | 細かな点々の凹凸。ビシャンという金づち(今はエアーハンマーも)で叩く | 敷石、階段 |
| 小叩き | 細かな平行の線。ノミのような刃で叩く | 階段、縁石、お墓の一部 |

このほかに、細かな研磨材を吹きつけて表面を荒らす、サンドブラスト仕上げなどもあります。
お墓では、主に本磨きを使います。外柵(お墓のまわりの囲い)や台の一部に、ジェットバーナーや小叩きを組み合わせることもあります。
まとめ
ジェットバーナー仕上げは、花崗岩の性質を利用して、表面を炎で弾き飛ばす仕上げです。滑り止めのために、敷石や階段に多く使われています。
街なかで、ざらざらの敷石を見たら、職人さんがバーナーで弾き飛ばした石の肌を、思い出してあげてください。
よくある質問
- ジェットバーナー仕上げとは何ですか?
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石の表面をバーナーの炎で炙り、表面の薄い層を弾き飛ばして、ざらざらにする仕上げです。主に滑り止めのために使います。
- JB仕上げとは?
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ジェットバーナー仕上げの略です。バーナー仕上げとも呼びます。
- どんな石にできますか?
-
主に花崗岩(御影石)です。黒い石(黒御影)でもバーナー仕上げの製品はありますが、花崗岩のようにパチパチ弾けるわけではなく、仕上がりも少し違います。
- ジェットバーナー仕上げとビシャン仕上げの違いは?
-
ジェットバーナーは炎で表面を弾き飛ばす仕上げ、ビシャンは金づちやエアーハンマーで叩いて、細かな点々の凹凸をつける仕上げです。
- なぜ石が弾けるのですか?
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花崗岩の鉱物は、熱での膨らみ方がそれぞれ違い、石英は約573℃で体積が増えます。急に熱すると表面と内部に温度差ができ、表面近くにひびが入って、小さなかけらが弾けます。
この記事の根拠
私の経験:1級お墓ディレクター。石材店で、職人さんのジェットバーナー仕上げを見てきました(写真・動画は私が撮ったもの)。
石英の573℃の転移:コトバンク「石英」。
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