石の表面仕上げにはいくつか種類があります。
有名なのが本磨き仕上げ、ツルツルピカピカに磨いてあり石目がハッキリわかるもので、よくお墓に利用されています。
キーンという甲高い音を上げて石の表面が弾け飛ぶ姿は、初めてみる方にとって不思議に映るようです。
硬いはずの石がなんで、熱を加えることで弾け飛ぶのか、その辺りのメカニズムも紹介しながら説明していきたいと思います。
目次
板状に切った敷石にジェットバーナー仕上げを施す様子
福島県産の青葉みかげ石にバーナー加工をしている様子です。
私が在籍している石材店の職人さんの仕事ぶりです。
まずは、ご覧ください。
イタタタタ!!!
これ、近くで動画を撮ると弾けた石が当たって痛いんです。
酸素とLPガスの混合で石の表面を炙り板石表面を弾いていきます。
バーナーの音がけっこう大きくて、キーンという音も響きます。
水で塗らしてあるのは、石の割れ防止です。高温で炙られると薄い板石だと割れてしまいます。
これは企業秘密らしいですが、ガスの混合具合とか、石の小面(小さな面)には、酸素とアセチレンを利用したりとかいろいろと工夫をしているようです。
言っちゃいましたね。
でも、ラーメンのスープと同じでレシピが分かっても簡単にはマネできないと思います。たぶん。
何で、石の表面が簡単に弾け飛ぶの?
このバーナー仕上げ、花崗岩にしかできません。
花崗岩とは
こんな感じの石ですね。
よくあるごま塩模様の石です。
それに対して、例えば、こういった黒い石は、バーナー仕上げができません。
なぜならば、構成する鉱物が違うからです。
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石英は耐熱性があって膨張しづらい!
ジェットバーナー仕上げは、内在する鉱物の熱膨張率の違いを利用しています。
花崗岩は「石英」という鉱物を多く含むのですが、この「石英」は極めて耐熱性があり、熱で膨張しづらいそうです。
ちなみに、これが結晶化した石英で化学式はSiO₂
水晶もSiO₂なので同じ鉱物になります。
これで見た目が美しく輝けば水晶と呼ばれます。
花崗岩の中では、もっと小さくて他の鉱物と結びついています。
石英は熱に強くて熱による膨張が少ないのに対して、他の鉱物は膨張していくので、ギャップがあるために石の表面が弾けるという理屈です。
敷石をジェットバーナー仕上げにする意味は?
なぜ、石の表面をわざわざ弾き飛ばして凹凸を付けるのか、それは、主にスリップ防止のためです。
例えば、デパートや公園などで敷石が利用されていることが良くありますが、あれがツルツルピカピカだったら、スリップの嵐で大変なことになります。
雨の日だと最悪ですね。
救急車が街中を飛び交う大惨事が予想されます。
だから、ジェットバーナー仕上げで敷石に凹凸を付ける必要があるのです。
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まとめ
板状にした敷石にジェットバーナー仕上げをする様子をご覧いただき、意味を紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?
花崗岩の性質を利用した仕上げ方法なんですね。
他にもビシャン仕上げやサンドブラスト仕上げなどもあるのですが、石の表面を荒らす方法としては、JB(ジェットバーナー)がリーズナブルで多く利用されています。
街中で、スリップ防止加工のしてある敷石を見たら、ジェットバーナー仕上げについて思い出してあげてください。
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