線香の向きは右・左どっち?火を左にする理由と正しい置き方

お線香を横向きに寝かせて供えるときは、火を着けた方を「左」にします。これが基本の向きです。

お墓参りや仏壇でお線香をあげるとき、「右と左、どっちに向けるんだっけ?」と迷うことはありませんか? 香炉の形によっては、お線香を立てることもあるので、なおさら迷いますよね。

この記事では、お線香の向きが左になる理由と覚え方、立てる香炉と寝かせる香炉のちがい、あわせて知っておきたいお線香の豆知識を紹介します。これだけ覚えておけば、もう迷いません。

こんにちは、1級お墓ディレクターのりょういちです。いのちの積み木プロジェクトの元代表でもあります。石材業界に約25年携わってきた元石屋として、分かりやすくお伝えします。

この記事の結論

お線香を寝かせて供えるときは、火を着けた方(煙が上がる方)を左にして置くのが基本です。右利きの人が右手でつまんで供えると、自然に左向きになります。迷ったら「右手で持って、そのまま置く」と覚えておけば大丈夫です。立てる香炉なら、左右の向きは気にしなくてかまいません。

お墓の前でお線香を手にし、横長の香炉を前に右と左のどちらに向けるか迷う夫婦
目次

お線香の向きは左が基本:みんなで向きをそろえるのがマナー

お墓参りや仏壇など、お線香をあげる機会は度々ありますが、正確なあげ方を知っていますか?

お線香にはいくつか種類があり、抹香と線香とではあげ方も変わってきます。この記事では、線香について紹介します。

お線香は文字どおり、一本の長細い線(棒)になっているお香です。長細いだけに、置くときに火を着けた方をどちらに向けるかの問題が出てきます。

「どっちでもいいじゃん?」と思われる方がいらっしゃるかもしれません。でも、それぞれが好きな方向に置いてしまうと、右からも左からも煙が立ち上るカオスな状態になってしまいます。

なので、お線香は一定の方向に合わせてお供えするのがマナーです。その向きが「左」です。先にお参りした人のお線香があれば、その向きにそろえて置きましょう。

立てる香炉と寝かせる香炉:向きが関係するのは寝かせるとき

お線香の供え方には、灰に立てるやり方と、香炉に横向きに寝かせるやり方があります。どちらになるかは、香炉の形や宗派によって変わります。

左右の向きが関係するのは、寝かせて供えるときだけです。立てて供えるなら、向きを気にする必要はありません。

縦型香炉と横型香炉のお線香の供え方の比較図。縦型香炉はお線香を立てて供えるので、左右の向きはない。横型香炉はお線香を寝かせて供え、火のついた側を左にするのが一般的

たとえば浄土真宗では、お線香を立てずに、香炉の幅に合わせて折り、横に寝かせます。そのときも、火の着いている方を、こちらから見て左にします(浄土真宗東本願寺派の公式の案内)。

左になる理由:右手でつまんで供えると、自然に火が左にくる

これには、明快で分かりやすい理由があります。日本人は右利きの割合が多く、お線香を持つときも自然と右手で持ちます。

お線香の向きの覚え方の図。右手の3本の指でお線香をつまみ、そのまま横長の香炉に寝かせて置くと、火の着いた方が左にくる

右手で持つときは、火が着いた方を上にして、親指と人差し指、そして中指の三本指でつまむように持ち、香炉皿にお供えします。そうすると、自然と左側に火が着いた方がくるのです。

ん?ちょっと分からないという方は、もう一度イメージしてみてください。お線香を右手でつまむように持ち、そこからお供えする。やっぱり左側から煙が立ち上る様子を思い描けると思います。

覚え方は「右手でつまんで、そのまま置く」。右利きの多い日本人が、自然にあげやすい向きになっているのです。

YouTubeでも、お線香をあげる向きについてのアニメ動画を公開しているので、ぜひ参考にしてみてください。

お線香の豆知識:お墓参りには煙がよく出る杉線香

杉線香と香線香の違い

お線香は、大きく分けて杉線香と香線香があります。

杉線香は、杉の葉が主な原料です。粘りが少なく、すぐにパキパキ折れてしまいます。そして、煙がモクモクと出やすいのが特徴です。

香線香は、粘り強く折れにくいのが特徴です。ビャクダンやラベンダー、コーヒーにスイカなど、驚くほど多種多様な香りを楽しめます。ただ、若干火が着きにくいです。

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ご先祖様はお線香の香りをお召しになる

なぜお線香をお墓や仏壇であげるのかというと、ご先祖様の好物だからです。

私たち人間は、食事をいただいて栄養にして生活していますが、ご先祖様は【香り】をいただいているのです。だから、お線香をあげることが大切になります。

杉線香のほうが、煙がよく立ち昇ります。室内だと煙がモクモクしすぎて視界が白くなり、咳き込んでしまったりしますが、屋外であれば見栄えがします。

杉線香のパッケージに【お墓参り用】と書かれていることがあるのは、煙がよく出るからです。

お線香の火は蝋燭から着けるのがおすすめ:私のこだわり

これは、私がお線香に火を着けまくってきた中で気がついたことですが、お線香に火を着けるには、蝋燭がベストなのではないかと思っています。

ライターやガストーチで火を着けるのは、何か味気ない。わざわざ蝋燭に火を灯して、そこからお線香に火を着ける。そこに情緒があり、儀式としての意味が深まり、先祖供養としてもふさわしいと思うようになりました。

りょういち

これは勝手な自己満足です。だけど、蝋燭はずっと昔からあるもの。ほんのりとした明かりが風でゆらめき、心に響くものがあるんです。

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ちょっとしたこだわりですが、ご先祖様も喜んでくれるような、そんな気がします。お墓参りは、お参りする人の気持ちがとても大切です。そういった意味でも、蝋燭で火を灯すのはいいと思います。

あわせて読みたい:お線香の火やってはいけない消し方は?【口で吹き消す・振って消す・手であおいで消す】正解率94%

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お線香の向きでよくある質問

お線香の向きは、右と左のどっちが正解ですか?

お線香を横向きに寝かせて供えるときは、左が基本です。火を着けた方(煙が上がる方)を左にして置きます。立てて供えるときは、左右を気にする必要はありません。

なぜお線香の向きは左なのですか?

右利きの人が右手でお線香をつまむように持ち、そのまま香炉に供えると、自然に火の着いた方が左にくるからです。

杉線香と香線香は、どう違いますか?

杉線香は杉の葉が主な原料で、煙がモクモクと出やすく、折れやすいのが特徴です。香線香は粘り強く折れにくく、さまざまな香りを楽しめます。

お墓参りには、どちらのお線香が向いていますか?

煙がよく立ち昇る杉線香が、屋外のお墓参りでは見栄えがします。パッケージに【お墓参り用】と書かれていることもあります。

お線香は、立てるのと寝かせるの、どちらが正しいですか?

どちらも正しいやり方です。香炉の形や宗派によって変わります。たとえば浄土真宗では、お線香を折って寝かせます。お墓や仏壇の香炉の形に合わせて供えてください。

お線香の本数や供え方は、宗派で決まっていますか?

浄土真宗では、お線香を立てずに折って寝かせ、火を左にすると、公式に案内されています。いっぽう天台宗は「お線香の本数には決まりはありません」としています。ほかの宗派の公式の案内にも、本数の細かい決まりは見当たりません。迷ったときは、お墓や仏壇のあるお寺に聞くか、家で続けてきたやり方に合わせれば大丈夫です。

先にお参りした人が、右向きに置いていたらどうしますか?

お線香は、みんなで向きをそろえるのがマナーです。先に置かれているお線香があれば、その向きにそろえて置きましょう。

元石屋のひとこと:迷ったら「右手で持って、そのまま置く」

りょういち

横向きの香炉なら、火を左にするのが一般的です。ただ、私は正直、左右そのものより、次にお参りする人が迷わないように向きをそろえるほうが大事だと思っています。

りょういち

仏事は、日常の中で何度も繰り返して行うもので、人前でもやるものです。一連の動作を何度かイメージしておけば、そうそう忘れるものではなくなりますよ。

この記事のまとめ

  • お線香を寝かせるときは、火を着けた方を左にして置くのが基本
  • 右手でつまんで供えると、自然に左向きになる
  • お墓参りには、煙がよく出る杉線香が向いている
  • 火は蝋燭から着けると、先祖供養の気持ちが深まる

これだけ覚えておけば、お墓参りでも仏壇でも、もう迷いません。

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この記事の根拠:25年の現場経験と、お寺の公式の案内

  • 1級お墓ディレクターとして、石材業界で約25年お墓に携わってきた経験
  • お墓参りの場で、自分でお線香に火を着け、供えてきた経験
  • 資料でも同じ:浄土真宗では、お線香を折って寝かせ、火の着いている方をこちらから見て左にすると案内されています(浄土真宗東本願寺派「よくある質問」)
  • 天台宗は、お線香の本数に決まりはないと案内しています(天台宗「檀信徒のお勤めの作法と心得」)
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この記事を書いた人

石屋の“中の人”だったからこそ話せる、お墓の本当のこと。国産墓石の加工メーカーで経験を積み、輸入石材商社での仕事にも携わって約25年の元石屋です。1級お墓ディレクター・1級土木施工管理技士。紹介料を受け取らない、しがらみのない立場で、石の性質と施工の両方から、根拠まで示してやさしくお伝えしています。YouTube「おはかのなかのch」でも発信中。

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